ロードバイク輪行のやり方完全ガイド|初心者向け手順・必要アイテムを専門店が解説

2025年12月31日by miyazakisayaka
輪行をするために駅の片隅で前後輪を外してあるロードバイク
旅の始まり。駅の片隅で前後輪を外したロードバイク

🚴 輪行袋の使い方をマスターして、自転車旅に出かけよう!

「あの絶景のスタート地点まで、自転車で行くにはちょっと遠いな…」そんな時、輪行なら電車やフェリーでひとっ飛び!時間も体力も有効に使えて、旅の計画は思いのままに広がります。 輪行袋の使い方をマスターすれば、あなたの自転車ライフの楽しみ方が格段にアップします!

車輪の取り外し方から、大切なフレームに傷をつけないための収納方法まで、実はちょっとしたコツが存在します。 バイクプラスでは『輪行袋の使い方』や『ホイールの安全な外し方』などの講習会を各店で開催していますので、不安な方はぜひ一度ご参加ください。専門店ならではの確実なノウハウをお伝えします!


🧰 輪行に必要なアイテムをチェック

今回は、輪行のド定番「オーストリッチ」の輪行袋を例にご紹介します。前後輪を外して入れる、最もコンパクトな縦型タイプです。 お持ちの自転車がリムブレーキかディスクブレーキかで、必要なアイテムが少し異なりますので、しっかり確認しましょう。

輪行に必要な用品を揃える👉


リムブレーキ車の場合:必要なアイテム

クイックレリーズレバーで車輪を固定している車体を輪行するのに必要なアイテムを一挙紹介
クイックレリーズ(リムブレーキ)車の輪行に必要なアイテム
アイテム 専門店メモ
輪行袋 旅の必需品。コンパクトな縦型が人気です。
エンド金具 フレームの変形防止に必須級! 安定感も向上します。
スプロケットカバー 大切な服や車内への油汚れを防ぎます。
チェーンカバー 車輪やフレームへのチェーンオイルの付着を防止。
フレームカバー 輪行袋内で起こるフレームの擦れ傷予防に。

「まずは試したい!」という方は、輪行袋とエンド金具だけでも輪行は可能です。 ただし、旅先で気分よくライドを始めるためにも、汚れ防止のカバー類はぜひ揃えておきたいところです。

また、チェーンのたるみを抑える「チェーンフッカー」や、重さの負担を減らすショルダーベルト用肩パッドなども、あると格段に快適になります。


ディスクブレーキ車の場合:必要なアイテム

スルーアクスルで車輪を固定している車体を輪行するのに必要なアイテムを一挙紹介
スルーアクスル(ディスクブレーキ)車の輪行に必要なアイテム
アイテム 専門店メモ
輪行袋 基本装備
エンド金具 クイックかスルーアクスルか、適合を必ず確認! シャフト径(12mm/15mmなど)にも注意。
スプロケットカバー 汚れ移り・傷防止
チェーンカバー 汚れ移り・傷防止
フレームカバー 擦れ傷の予防
パッドスペーサー 油圧ディスクは絶対必須! ブレーキトラブルを未然に防ぎます。
ローターカバー デリケートなローターの曲がり防止にあると安心。

ディスクブレーキ車、特に油圧ディスクの場合はパッドスペーサーが必須です。これを入れずにブレーキレバーを握ってしまうと、パッドが閉じてしまい自力で戻せなくなるトラブルに繋がります。 エンド金具は、クイックリリース用とスルーアクスル用で形状が異なります。ご購入の際は、ご自身の自転車の固定方式をしっかりとご確認ください。迷ったらお気軽にスタッフにご相談ください。

👉 油圧ディスク輪行はここに注意しよう


🧭 輪行の手順をステップごとに解説!

輪行のやり方を、ロードバイクを例に順を追って詳しく解説していきます。


ホイールを外す前の下準備

変速を行って後ろのギアをトップ側に入れている様子
ギアを小ギア側へ。作業がスムーズになり、チェーンのたるみも防げます
  • ギア位置の調整: フロント側をインナー(一番小さいギア)に、リア側はトップ(一番小さいギア)に入れておきます。こうすることで、後輪の着脱やチェーンの取り扱いが楽になります。
  • リムブレーキの場合、車輪を外しやすくするためブレーキを解放しておきましょう。
  • ドリンクボトル、ハンドル周りのライトやサイクルコンピューターなども、輪行中の破損を防ぐため必ず外します。

ホイールを外す

車体をさかさまにして後輪を外している写真
車体を逆さにして、安定させて作業します
  • サドルとハンドルで支えるように、自転車を逆さにして立てます。(周囲の迷惑にならないよう配慮しましょう)
  • クイックリリースレバー方式の場合はレバーを開いて車輪を外します。レバーはホイールから外す必要はありません。
  • スルーアクスル方式の場合、シャフトを緩めて抜き取ります。(必要に応じて六角レンチを使います)
  • 後輪を外す際は、変速機(リアディレーラー)を手で後ろに軽く引きながら持ち上げるとスムーズに外せます。

(油圧ディスクブレーキの場合)ブレーキパッドスペーサーを忘れずに!

ディスクブレーキのパッドの間にパッドスペーサーを挟んでいる
パッドスペーサーを差し込んで、レバーを握る“うっかりトラブル”を予防

油圧ディスクブレーキの場合、ホイールを外したらすぐにブレーキキャリパーのパッドの間にパッドスペーサーを差し込みましょう。

これが無い状態でレバーを握ってしまうと、パッドが出てきてしまい、ホイールが戻せなくなる大きなトラブルになります。輪行中の安全な運搬のために、これは必須のひと手間です。


エンド金具を取り付ける(フレーム保護の要)

スルーアクスル対応のエンド金具をフレームに取り付けている様子
エンド金具でフォークとリアエンド(車輪を固定する部分)をしっかり保護
  • リアディレーラーの位置調整: エンド金具を取り付ける前に、ディレーラーを一番内側(軽いギア側)に移動させると、チェーンが張りすぎず、作業がしやすいです。
  • エンド金具を組み立てて、フロントフォークとリアエンドに装着します。
  • プロのコツ: リアエンド金具は、チェーンの間を通して軸でチェーンを軽く張るように装着すると、輪行中もチェーンが暴れにくく、フレームが汚れにくいです。

フレームと車輪を確実に固定する

エンド金具とサドルで自転車を立てて車輪を固定しようとしている
サドルとエンド金具の3点支持で安定した姿勢を作り、作業効率アップ
  • 自転車を「サドルとエンド金具」で支える自立姿勢にします。エンド金具が動かないよう、しっかり固定するのが重要です。固定が弱いと、輪行中に動き、リアディレーラーが破損する原因となります。
  • クランクはチェーンステーと平行になるように合わせ、ペダルが邪魔にならない位置に調整します。
  • 各種カバー(フレーム、チェーン、スプロケット、ローター)を所定の位置に取り付けます。
車輪をダウンチューブに固定している様子
ダウンチューブ付近を強く固定し、車輪の動きを封じます
  • 外した前後輪でフレームを挟み、ダウンチューブ、シートステー、サドルの3点をベルトでしっかりと固定します。
  • 特にダウンチューブ付近の固定が最も重要です。ベルトをフレームに一周させて、輪行中に車輪が動かないよう確実に固定しましょう。
  • ハンドルは輪行袋に収まるように、安定する任意の向きに向けておけばOKです。

いよいよ輪行袋に入れる

輪行袋に入れる前にショルダーベルトをヘッドチューブに巻き付けている様子
ショルダーベルトで車体を固定すると、担いだ時に安定します
  • 輪行袋の底にあるマーク(サドル&エンド金具の向き)に合わせて自転車を置きます。
  • ショルダーベルトの装着: 輪行袋側面の穴から通し、片側をチェーンステー部分に、もう片側をヘッドチューブに巻き付けて固定します。ベルトの長さは、フロントフォーク先端に届くくらいが目安です。
  • 袋を引き上げ、ハンドルやフロントフォークまで車体全体が完全に収まったら、ドローコードを絞って口を閉じます。
  • Point: 担ぐ際に車輪やフレームが動かないよう、固定箇所をもう一度確認しましょう。

🎒 輪行袋のスマートな担ぎ方

輪行は「袋に入れたら終わり」じゃなく、駅構内やホームでの運び方が超大事。 周囲に配慮しつつ、体への負担も減らせる“スマートな担ぎ方”を2パターン紹介します。


人混みで安心!脇にかかえて運ぶ

輪行袋をわきに抱えて持ち運んでいる様子
駅構内など、人通りの多い場所では“幅を狭く”持つのがマナー

駅の改札やホームなど、人通りの多い場所では、幅を取らず周囲の迷惑になりにくい、この持ち方がおすすめです。ショルダーベルトを肩にかけ、輪行袋を脇にかかえるように持ちます。

ベルトの長さは、輪行袋の底が膝上くらいに来るよう調整すると、重さを感じにくく、階段や段差で地面にぶつける心配が減ります。


長距離移動がラク!背中に背負って運ぶ

輪行袋を背中に背負って持ち歩いている様子
ホームから出口までなど、移動距離が長い場合に最適!

ホームから出口までの移動距離が長い場合や、人通りが少ない場所では、背中に背負うことで重さが分散され、体への負担が格段に少なくなります。

特に階段の上り下りでは、高い位置で背負った方が袋の底が地面に接触しにくく、車体にダメージを与えにくいのでおすすめです。ただし、幅は広くなりますので、狭い場所を通る際は周囲への配慮をお忘れなく。


クロスバイク、マウンテンバイクの輪行

基本的な作業の流れはロードバイクと変わりません。フラットバーハンドル特有のブレーキやワイヤーの構造を理解して作業を行いましょう。

クロスバイクは、ロードバイクよりハンドル幅がある分、収納サイズはやや大きくなり、重量も増します。さらにタイヤが太く、ハンドル幅が広いマウンテンバイクは、輪行時のボリュームも重量もかなり大きくなるため、持ち運びには相応の体力と注意が必要です。


エアロ・ワイド車体なら大きめ輪行袋がおすすめです

エアロワイドモデルのオーストリッチの輪行袋に収納した様子
最近のワイドタイヤやエアロフレームに対応した輪行袋も

近年のトレンドとして、クロスバイクやマウンテンバイクはもちろん、ロードバイクでもタイヤのワイド化やエアロフレーム化が進んでいます。その結果、「標準的な輪行袋に収まりにくい」ケースが増えてきました。

オーストリッチからも、そうしたエアロ&ワイドモデルに対応した輪行袋が登場しています。フラットバーの車体や、大柄なロードバイク、グラベルロードなどは、余裕を持って収納できる大きめの輪行袋を選んだ方が、ストレスなく輪行を楽しめます。

ワイドタイプの輪行袋を詳しく見る👉

軽量で輪行しやすいモデルや、旅に最適なグラベルロードなど、スタッフがおすすめするカテゴリをご紹介します。

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🔗 関連リンク:安全・快適な輪行のために

宮崎 早香(Miyazaki Sayaka)

宮崎 早香(Miyazaki Sayaka)

バイクプラスオンライン店長自転車ショップ勤務歴13年

東京から伊勢への自転車旅をきっかけにスポーツバイクの魅力に惹かれ、編集者から自転車業界へ転身。組み立てや修理を学び、2018年に女性初の店長に就任。複数の新店立ち上げやメディア取材も経験。EロードでのヒルクライムやE-MTBでのトレイルライドを楽しみ、ツアー開催やカスタム提案も行う。主婦としての視点から「普段使いできるスポーツバイク」を提案し、運動が苦手でも誰もが気軽に楽しめるサイクリングライフを発信している。

専門/得意分野
  • ロードバイク/マウンテンバイク/クロスバイクの販売整備
  • E-RoadやE-MTBの普及活動
  • Eバイクでのヒルクライム&トレイルライド/ポタリング/自転車キャンプ
保有資格
  • Keeperコーティング技術バイシクルコース終了
  • TREK プレシジョンフィッター認定
  • TREK University 2025認定ガイド取得