未舗装路やトレイルのような、とても自転車で走破できるとは思えない場所でも走破できるマウンテンバイクをマウンテンバイクたらしめる部分をご紹介。
おすすめMTB
全て見るマウンテンバイクの特徴
オフロードならではの自転車遊びを可能にしてくれるのがこんな特徴を持った自転車=マウンテンバイクです。どんな特徴があるのか、なぜそんな機能が必要なのか、詳しくご紹介します。
MTBの特徴①
幅が広めのフラットハンドル・ライザーバー
悪路でフラつきバタつく車体をしっかりと制御するため、操作性を重視した幅が広めの一文字型のハンドルが採用されています。XC向けには一文字のフラットハンドルが装備されていて、エンデューロ向けやダウンヒル向けのくだりを意識したモデルではさらに安定性を重視するため、かなり幅の広いタイプのややアップしたライザーバーと呼ばれるハンドルが装備されることがほとんどです。これらのハンドルはカットして自分のライディングや肩幅にカスタムできるものがほとんどです。
アルミ製のタイプがほとんどですが、軽くて剛性が高く振動減衰性も見込めるカーボン製のものもあります。
クランプ部分の太さも数種類ありますが、太い方がやはり剛性が高いので、重量があるeMTBや下りを楽しみたい方にはおすすめです。
MTBの特徴②
デカくてゴツいブロックタイヤ
ホイール径は、29インチまたは29er(ツーナイナー)と呼ばれるロードバイクやクロスバイクと同じ700Cサイズのタイプが一般的です。一回り小さい27.5インチ(650b)と呼ばれるサイズも少数ですが存在します。かつては26インチしかありませんでしたが今市販されているマウンテンバイクではほとんど見られなくなりました。荒れた路面でのグリップや走破性は径の大きいホイールの方が適しているということで、現在は29erが一般的になりました。
太さは5cm(2インチ)を超える太いものが標準的で、中には7.6cm(3インチ)を超える極太タイプ(27.5プラス、29プラス)もあります。砂利道、地面から露出した無数の木の根、ゴロゴロと転がる小さめの岩、滑りやすい土や落ち葉の上を走行するため、グリップ力、安定性、クッション性、剛性などが重視されています。
リムとフレームが対応していれば、太さの異なるタイヤに交換することもできます。
MTBの特徴③
幅広いレンジのギア段
以前はフロント3xリア8〜9という組み合わせが一般的でしたが、ホイールサイズの大径化により使えるギアが変わってきたことと、技術革新により後ろにより多くの段数を装着できるようになったことなどにより、フロントに3枚もギアが必要なくなってきました。
現在のトレンドはフロントが1枚(シングル)、リアが12枚のワンバイトゥウェルブとなっています。
エントリー・レクレーションモデルは現在もフロント3段(トリプル)がありますが、トレイル向けもXCレース向けも、ハードテイルもフルサスも、アルミフレームもカーボンフレームも、ハイエンドから中級グレードまでフロントシングルがもっとも一般的になっています。
リアの重いギアは10T、軽いギアは45や50、51、52Tが一般的です。重いギアから真ん中あたりのギアまでは以前の組み合わせと変わりないのですが、段数が増えたことで以前とは比べ物にならないくらい軽いギアが増えています。
「フロントシングルxリアワイドレシオ」は、フロント変速の煩わしさがなくなるだけでもかなりのメリットです。フロントギアが小さくなったことで地面とのクリアランスが増えたので、より大きな段差にも対応できるようになりました。
MTBの特徴④
油圧ディスクブレーキ
制動力とコントロール性に優れた油圧ディスクブレーキは、マウンテンバイクではもはや標準的なスペックと言えるでしょう。悪条件でも素晴らしいストッピングパワーを発揮してくれるだけでなく、繊細なタッチで利かせ方の強弱をとてもコントロールしやすいのが特徴です。
フルブレーキから、短い距離での速やかな減速、ライド中の絶え間ない速度コントロールに至るまで、少ない力で効果的に行うことができます。ストッピングパワーはローター径の大きさで決まります。160mm、180mm、200mmと、径が大きくなればなるほど高速域でも安定の制動力を発揮してくれるため、長い下りを走ることを想定したバイクに装備されています。
ディスクブレーキ用のホイールでは、リムをブレーキで挟む必要がなくなったため、リムの性能が上がりました。銀色の面がなくなり、黒くしまった印象のホイールが増えたのはそのためです。また、目立つカッコいいデカールをリムにデザインすることもできるようになりました。砂や小砂利をまとったリム側面をブレーキで削ってしまうこともありません。
MTBの特徴⑤
サスペンション
サスペンションが付いていないフルリジットタイプのマウンテンバイクはほとんど市販されていません。フロントにもリアにもサスペンションを搭載したフルサスタイプか、フロントのみにサスペンションを搭載したハードテイルタイプの2タイプが市販されています。
フロントもリアもサスペンションが動くことによってタイヤが浮き沈む量(トラベル量)によって適した用途が異なります。
サスペンションのお陰で荒れた路面を走行していてもタイヤが地面から離れてしまうことが減るので、速度もハンドルもしっかりとコントロールできます。また、サスペンションが路面の凹凸からくる衝撃や振動を減衰し頭(視線)が安定するので、狙った場所をきちんと走行することができます。
複雑な内部構造で高価な物ですが、荒れた路面を走行するのに不可欠なパーツです。
せっかく買うならおさえておきたいスペック
オフロードでの走行をメインに考えているのであれば、こちらの特徴も備えたバイクを選びたいものです。特に1x12のドライブトレイン、剛性が高いフレーム・ハブの規格であるBoost11とBoost148は先輩マウンテンバイク乗りからすると必須です。
押さえておきたいスペック①
29インチと27.5インチ、どっちにする?
世界に目を向けるとXCレースもDHレースもEnduroレースもMTBのレースシーンは、29インチが席巻しています。上りでも下りでも29にメリットがあると証明されたといっても過言ではありません。ファーストマウンテンバイクであれば29インチの選択肢以外考えなくてよいでしょう。市販されているモデル数も多いので自転車選びも楽しめます。
日本では26インチしかなかった時代からトレイルを主戦場としているマウンテンバイカーの中には根強い27.5ファンもいますが、
29erで決まり!
27.5インチは、TREK Remedy シリーズのようなトレイルバイクという位置付けの取り回しを楽しむ要素が強いモデルの一部にまだ残っている程度となっています。27.5インチならではの楽しさは、メーカー各社のフレームジオメトリの熾烈な開発競争により劇的に進化し、29erでも味わえるようになりました。走破性に優れた29erに27.5の取り回しの楽しさが加わったことでもう文句なしで29er一択でいいのではないでしょうか?
当店が取り扱っているTREKでは、1つのモデルでより多くの体格の方が安全にライドできるようにという考えのもと、小さなフレームサイズには27.5インチ、そうではモデルには29インチを採用しています(スマートホイールサイズ)。
押さえておきたいスペック②
さよならフロントディレイラー ドライブトレインは1 x 12で!
エントリーモデルでは、フロントトリプルギアがまだ存在していますが、本格的なマウンテンバイクでは、リアのギア段数の増加やタイヤの大口径化に伴い、フロントシングルが標準になりつつあります。
せっかく新しくマウンテンバイクを購入するのであれば、3x8、3x9といったギアの組み合わせではなく、トレンドの1x12を購入するのがよいでしょう。
フロントに変速機がなくなったことでライド中のトラブルも激減!! 本当におすすめです。自転車と地面のクリアランスが大きく取れるので、丸太越えや段差越えもより一層やりやすくなりました。
押さえておきたいスペック③
Boost110、Boost148がマスト!
1x12のドライブトレインで行くのなら、ホイール剛性や強度が高いBoost規格、フロントはBoost110、リアはBoost148を採用したモデルを選びましょう。それらの規格が、より強度を求められるダウンヒルバイクを除いた本格マウンテンバイクシーンの定番です。
Boost110とBoost148は、車軸が太いだけでなく幅も広いのでヨレやねじれの少ないしっかりとした剛性と強度のホイール、フレーム、フォークに仕上がっています。
安心して下りを楽しめますし積極的にコーナーに突っ込んでいけるでしょう。
最後に
ご覧いただいた通りマウンテンバイクは、荒野や山岳地帯での高速走行、急坂の登降、落差の大きい段差越えなどがある、舗装路とかけ離れた路面でのサイクリングに特化した自転車です。
そんなマウンテンバイクにさらに興味が湧いてきた方はぜひ下記のリンクから、具体的な楽しみ方を紹介しているページや選び方のポイントを紹介しているページもご覧になってみてください。さらに下にスクロールするとロードバイクの特徴とクロスバイクの特徴のページもご覧になれます。