ディスクブレーキの異音を解消!音鳴りの原因12選と対策ガイド

2025年2月23日by 三郷バイクプラス

皆様こんにちは!三郷店最上です。

「キーキー」「シュシュ」といったディスクブレーキの音鳴りに悩まされたことはありませんか?これらの異音は、汚れや油分、部品の摩耗、取り付けミスなど、さまざまな原因で発生します。異音を放置するとストレスを感じるだけでなく、制動力の低下や部品の寿命短縮につながる可能性があります。

本記事では音鳴りの主な原因を12項目に分類し、それぞれの原因に対応した具体的な解決方法を徹底解説します。初めてメンテナンスに挑戦する方にも分かりやすいように手順を丁寧に説明していますので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事を読めば音鳴りの原因を特定し、自分で解消できる知識が得られます。快適なライドを取り戻し、ブレーキの性能を最大限引き出すための完全ガイドです!


汚れや油分の付着

ディスクローターやパッドに油分や汚れが付着すると、ブレーキをかけた際に摩擦が不均一になり、「キーキー」や「スー」という高音の異音が発生します。この問題は、特に雨天走行後や洗車時に頻繁に発生します。さらに、チェーンルブや清掃用スプレーが飛び散ることも原因になります。

汚れや油分の付着は、制動力の低下を引き起こすだけでなく、ローターやパッドの寿命を短くする可能性があります。そのため、早期に適切な対策を行うことが重要です。

解決方法

  • ディスクローターの清掃

    ディスクローターは摩擦面が大きく、汚れや油分が付きやすい箇所です。以下の手順で清掃を行いましょう。

    1. 自転車専用のブレーキクリーナーまたはイソプロピルアルコールを使用し、ローター全体にスプレーを吹きかけます。
    2. 清潔な布またはペーパータオルで、ローターの表面を拭き取ります。ローターの穴の部分も丁寧に清掃してください。
    3. 必要に応じて、繰り返しクリーナーを使用し、汚れを完全に除去します。
      ディスクローターの掃除前と掃除後
  • パッドの汚れ対策

    パッドに油分が付着すると、音鳴りの原因になるだけでなく制動力が著しく低下します。以下の対策を試みてください:

    • 軽度の汚れの場合、パッドを取り外してアルコールで表面を拭き取りましょう。
      ブレーキパッドの掃除前と掃除後
    • 汚れがひどい場合、ガスバーナーやライターで軽く加熱し、表面の油分を焼き飛ばします。ただし、焼きすぎるとパッドが損傷するので注意が必要です。
      ディスクブレーキパッドを火であぶっている画像
    • 加熱処理でも改善しない場合は、新品のパッドに交換するのが最善です。
  • 予防策

    汚れや油分の付着を防ぐために、次のポイントを意識しましょう:

    • 洗車時はディスクローターに直接水や洗剤をかけないようにする。
    • チェーンルブを塗布する際は、ローターやパッドに飛び散らないように注意する。
    • 雨天走行後は必ず乾燥させ、自転車専用クリーナーで汚れを落とします。

汚れや油分の問題は簡単なクリーニングで解消できることが多いですが、パッドやローターに深刻な汚染がある場合は交換が必要です。


キャリパーのセンターずれ

ディスクブレーキのキャリパーが正確にセンターに配置されていない場合、ローターとパッドの一方だけが接触することになり、異音が発生します。この問題は、ホイールの取り外し・取り付けを繰り返した際や転倒後に特に発生しやすいです。

センターがずれていると、制動力が不均一になるだけでなく、パッドやローターの片側だけが過剰に摩耗することもあります。そのため、定期的な調整が必要です。

解決方法

  1. ホイールの固定が正しいか確認します。

    キャリパーの位置を調整する前に、まずホイールが正しくフレームやフォークに固定されていることを確認してください。特にスルーアクスルやクイックリリースが緩んでいると、キャリパー調整が無駄になることがあります。

    • スルーアクスルタイプの場合:アクスルをフレームにしっかり締め込みます。
    • クイックリリースタイプの場合:真っすぐ立たせた状態の車体を上から押さえつけてレバーを確実に閉じ、ホイールがフレームに正しく収まっていることを確認します。
  2. キャリパーの固定ボルトを緩め、ブレーキレバーを握った状態で再調整します。

    キャリパーがローターに対して均等になるように調整します。以下の手順で進めてください:

    1. キャリパーを固定しているボルト(通常2本)を少し緩めます。
    2. ブレーキレバーを握り、ローターをパッドで挟み込む状態を作ります。
    3. この状態でキャリパーが自然にセンターに整列します。
  3. ボルトを締め直し、ホイールを回して干渉音がないか確認します。

    最後にキャリパーのボルトを均等なトルクで締め直します。この際、ブレーキレバーを握った状態を維持するのがポイントです。

    • 締め付け時にはトルクレンチを使用するのがおすすめです(一般的には6〜8Nm)。
    • ホイールを回して、ローターとパッドの間に均等な隙間があることを確認します。
    • 干渉音が聞こえる場合、再度調整を行ってください。
      ディスクブレーキキャリパーの調整前と調整後の画像

キャリパーのセンター調整は、一度正しく行えば長期間問題が発生しにくくなります。適切に調整されたディスクブレーキは、静かで安定した制動力を発揮します。


ローターの歪み

ディスクローターは強い衝撃や転倒によって簡単に歪むことがあります。また、高温の状態で急激に冷却されると、熱膨張の影響で微妙に歪むこともあります。歪んだローターは回転時にパッドと不規則に接触し、「シュシュシュ」や「キーキー」という異音を発生させます。

この歪みが原因で制動力が低下するだけでなく、パッドの不均一な摩耗やローターの寿命短縮にもつながります。

解決方法

  • 歪みの箇所を特定します(ホイールを回転させて確認)。

    ローターの歪みを特定するために、次の手順を行います:

    1. ホイールをゆっくり回転させ、ローターがパッドに接触する箇所を目視で確認します。
    2. キャリパー内でローターが左右に振れている場合、その動きが一番大きい箇所が歪みの位置です。
    3. 可能であれば紙やテープで印をつけ、修正すべき場所を明確にします。
  • ローターストレートツールを使用し、少しずつ修正します。

    ローターの歪みを修正する際には、専用のローターストレートツールを使用します。次の手順に従って慎重に進めてください:

    1. ストレートツールを歪みが発生している箇所に挟みます。
    2. ツールを使ってゆっくりと力を加え、ローターを元の位置に戻します。
    3. 一度に大きく力を加えると逆にローターが破損する恐れがあるため、少しずつ調整を行います。
    4. 修正後、ホイールを再度回転させて音や振れが解消されたか確認します。
      ディスクブレーキローターの歪みを修正している画像
  • 歪みが大きい場合は新品のローターに交換します。

    以下の場合には、ローターの交換が必要です:

    • 歪みが大きすぎて修正ができない場合。
    • ローターにひび割れや深い傷がある場合。
    • ローターの厚みがメーカーの推奨値を下回っている場合。

    新品のローターに交換する際は、パッドとの互換性を必ず確認しましょう。また、交換後にはレバーを軽く握りながらホイールを強制的に回転させる、安全な場所でブレーキを軽くかけながら走行するなど慣らし運転を実施して、パッドとローターを馴染ませてください。

ローターの歪みは慎重に対応すれば解消できるケースが多いですが、作業が難しい場合はバイクプラスへお持ち込みください。定期的なチェックでローターの状態を確認し、問題が大きくなる前に対処することをおすすめします。


パッドの摩耗または焼き付き

ブレーキパッドは摩耗部品の一つであり、使用を続けると徐々に薄くなります。パッドが薄くなりすぎると、ローターとパッドの接触面が不均一になり、「ギーギー」や「キーキー」という異音が発生します。また、高温状態で頻繁にブレーキをかけると、パッドが「焼き付き」を起こし、硬化して性能が低下することがあります。

これらの状態では制動力が低下し、安全性にも影響を及ぼします。そのため、パッドの状態を定期的に確認し、適切な対策を行うことが重要です。

解決方法

  • パッドの厚みが0.5mm以下の場合は交換します。

    パッドの厚みは、メーカーが推奨する限界値を超えて使用すると異音だけでなく、ブレーキシステム全体にダメージを与える可能性があります。

    1. ホイールを外し、パッドが取り付けられているキャリパーを確認します。
    2. パッドの厚みを目視またはノギスで測定します。
    3. 0.5mm以下の場合は、新品のパッドに交換します。交換時にはパッドとローターの互換性を確認してください。
      ディスクブレーキパッドの摩耗したパッドと新品のパッド
  • 表面をサンドペーパーで整え、摩擦面を滑らかにします。

    パッドの表面が滑らかすぎる、または硬化している場合には、以下の手順で表面を整えることができます:

    1. パッドをキャリパーから取り外します。
    2. #100〜#200程度のサンドペーパーを使用し、パッドの表面を軽く削ります。
    3. 削る際は均一な力で、全体を均等に整えるようにします。
    4. パッドの端を軽く斜めに削り、角を取る「面取り」を行います。これにより、ローターとの接触がスムーズになります。
  • 必要に応じて新品のパッドを取り付けましょう。

    パッドが焼き付いて硬化している場合や、摩耗が進んでいる場合は、新品への交換が最適です。以下のポイントを確認してください:

    • メーカー純正のパッドを選ぶことで、ローターとの相性や性能を確保できます。
    • 交換後には必ず慣らし運転を行い、パッドとローターを馴染ませてください。
    • 交換後の初期段階で制動力が不安定な場合は、再確認を行い、調整が必要か確認します。

パッドの摩耗や焼き付きは、日々のメンテナンスと定期的な点検で予防可能です。特に長距離ライドや下り坂の多いルートを走行する際には、事前の確認を忘れないようにしましょう。


慣らし運転不足

新品のパッドやローターは、出荷時に表面が完全には均一になっていないため、最初の使用時には制動力が不安定になりやすいです。この状態で急激な制動を繰り返すと、異音や振動が発生することがあります。適切な慣らし運転を行うことで、パッドとローターの接触面を均一にし、安定した制動力を得ることができます。

慣らし運転を行わずに使用をすると、ローターやパッドに不均一な摩耗が発生し、最終的には交換が必要になる場合もあります。そのため、新品パーツの導入後には必ず慣らし運転を行いましょう。

解決方法

  1. 時速20〜30kmで軽くブレーキをかけながら減速する動作を10〜15回繰り返します。

    この動作によってパッドとローターの摩擦面が徐々に馴染みます。以下の手順を守ることで効果的な慣らしが可能です。

    • フラットで交通量の少ない場所を選び、安全に作業を行います。
    • ブレーキを完全にロックしないように、軽い制動力で減速を繰り返します。
    • ローターが均一に加熱されるよう、できるだけ直線的な走行を心がけます。
  2. 次に強めのブレーキを握り、完全停止を10〜15回行います。

    軽いブレーキングが終わった後、強い制動力をかけて摩擦面をしっかり馴染ませます。

    • 再度、フラットで安全な場所で作業を行います。
    • ブレーキを強く握り、完全停止まで減速します。ただし、パッドが焼き付かないように連続して行うのではなく、間隔を空けて作業を行ってください。
    • 停止時のローターの温度が高すぎないよう注意します。
  3. 摩擦面が均一になり、制動力が向上します。

    慣らし運転後には、ブレーキの音鳴りが軽減し、制動力が安定していることを確認できます。

    • パッドとローターの接触面が均一になり、効率的なブレーキングが可能になります。
    • 音鳴りが解消されない場合は、ローターやパッドに別の問題がある可能性があるため、点検を行います。

慣らし運転は、新品パーツを導入した際に必須の工程です。正しく行うことで、異音を防ぐだけでなく、パーツの寿命を延ばす効果も期待できます。


パッドとローターの相性

ディスクブレーキのパッドとローターは、材質や仕様の違いにより相性が影響します。特に、レジンパッドとメタルパッドは摩擦係数や熱耐性が異なるため、ローターとの組み合わせ次第で異音が発生することがあります。

解決方法

  • 互換性を確認する。

    パッドとローターが同一メーカーのものであることを確認します。同一メーカーの組み合わせは、摩擦面の設計が最適化されており、異音が発生しにくいです。

  • 使用環境に適した材質を選ぶ。

    以下を参考に、使用目的に合った材質を選びましょう。

    • レジンパッド(樹脂製):静音性に優れ、街乗りやロードバイクに最適。
    • メタルパッド(金属製):制動力が高く、ダウンヒルや雨天走行に適しているが、音が鳴りやすい。
  • 問題が解消しない場合は交換を検討。

    音鳴りが解消しない場合は、ローターやパッドのどちらかを交換し、適合する組み合わせを試します。


固定ボルトやパーツの緩み

ローターやキャリパーの固定ボルトが緩んでいる場合、振動によって「カチカチ」や「ガタガタ」という音が発生します。特に長期間使用している場合は定期的にトルク確認が必要です。

解決方法

  • ローター固定ボルトを確認する。

    ローターを取り付けているボルトをトルクレンチで締め直します。一般的なトルク値はメーカー推奨の4〜6Nmです。

  • キャリパー固定ボルトを確認する。

    キャリパーがフレームまたはフォークにしっかり固定されているかを確認し、緩んでいる場合は締め直します。


温度変化による膨張・収縮

長時間の下り坂や急制動の繰り返しによって、ローターが高温になり膨張することで異音が発生します。冷却後、収縮したローターが歪む場合もあります。

解決方法

  • 連続した急制動を避ける。

    長い下り坂では、連続してブレーキをかけ続けず、短い間隔でブレーキをかける「断続的な制動」を心がけます。

  • 高温時の冷却を行う。

    停止時に水を使ってローターを冷却しないよう注意します(急激な冷却で歪む恐れがあります)。自然に冷却されるまで時間をおくのが理想的です。


不適切な取り付け方法

キャリパーのアダプターやローターの直径が、フレームやフォークに適合していない場合、ローターとパッドのサイズ違いなどでも異音が発生します。取り付け時のパーツ選定が重要です。

解決方法

  • 正しいアダプターを使用する。

    フレームとフォークに適合するアダプターを使用し、キャリパーの位置を正確に調整します。

  • ローターの直径を確認する。

    ローターがフレームの許容サイズ(例:160mm、180mm)に適していることを確認します。

  • ローターとパッドのサイズを確認する。

    ローターとパッドの面がお互い適応するサイズのものが使われているか確認する。


異物の挟み込み

小石や砂、泥などがローターとパッドの間に挟まると、「ガリガリ」や「ジャリジャリ」という音が発生します。雨天走行後やオフロード走行時に多発します。

解決方法

  • 異物を取り除く。

    ホイールを外し、パッドとローターの間に挟まった異物を取り除きます。空気を使ったブロワーや柔らかいブラシを使用すると効果的です。

  • 汚れを清掃する。

    自転車専用のブレーキクリーナーを使用して汚れを清掃し、ローターとパッドが完全にきれいな状態であることを確認します。


使用環境(湿気や温度)

雨天や湿気の多い環境では、ローターが滑りやすくなり音が鳴ることがあります。特に湿度の高い日は「キーキー」という音が発生しやすいです。

解決方法

  • 雨天後に乾燥させる。

    雨天後はローターとパッドを乾燥させるために、クリーニングと軽いブレーキングを行い、表面を完全に乾かします。

  • ディスクブレーキクリーナーを使用する。

    湿気が原因で音鳴りが発生する場合は、自転車専用のブレーキクリーナーを使用することで改善することがあります。


ブレーキの仕様による問題

特定のブレーキブランドやモデルに固有の音鳴り問題が発生することがあります。一部のメタルパッドは高い制動力を持つ代わりに音鳴りが出やすい傾向があります。

解決方法

  • メーカー推奨の部品を使用する。

    メーカー推奨のローターやパッドを使用し、互換性を確認します。

  • 問題が解消しない場合はサポートに問い合わせる。

    異音が解消しない場合、メーカーのカスタマーサポートに問い合わせて対応策を確認してください。


まとめ

ディスクブレーキの音鳴りは、汚れや油分の付着、部品の摩耗、取り付けミスなど、さまざまな原因で発生します。本記事では、それらの原因を12項目に分類し、それぞれに対応した具体的な解決方法を解説しました。

異音は放置すると制動力の低下や部品の寿命短縮につながり、最悪の場合は安全性にも影響を及ぼします。しかし、原因を正しく特定し、適切に対応することで、多くの場合は簡単に解消できます。

特に以下のポイントに注意してください。

  • 定期的にディスクローターやパッドの状態を確認する。
  • 異音が発生した際は早めに原因を特定し、解決を試みる。
  • 新品のパッドやローターを装着した場合は必ず慣らし運転を行う。

それでも音鳴りが解消しない場合や作業に不安がある場合は、バイクプラスにご相談ください。状態の確認をすることで解決に向けたアプローチができます。

日々の点検とメンテナンスを習慣化すれば、ディスクブレーキの性能を最大限に引き出し、安全で快適なサイクリングを楽しむことができます。

この記事を参考に異音を解消して、ライドをさらに楽しいものにしてください!