自転車通勤用クロスバイク選びのポイント
10kmくらい、遠くても15kmくらいまでの距離ならクロスバイクでの通勤がおすすめです! でも、様々なクロスバイクが流通していてどんなクロスバイクを購入したら良いのか迷ってしまいますよね。
どれを買ったら安全快適に通勤ライドを楽しめるのかよくわからないという方のために私たちプロがお手伝い!! クロスバイクを通勤に使うならこんなコトに着目して選ぶといいかも!というおすすめのチェックポイントをご紹介させていただきます! おすすめのモデルのご紹介はページ後半で!
point 01
重量
重量は12kg以下がオススメ
一般的にクロスバイクの場合だと、11kg台でそこそこ軽量、10kg台でかなり軽量、10kgを切ると超軽量といったイメージになりますでしょうか。ここはせっかくスポーツタイプのクロスバイクで通勤するのだからスポーツ車らしい軽量なタイプを選びたいもの。
ただ、乗り心地が悪くなるようなエアボリュームが少ない細身のタイヤ、耐パンク性をうたっていないタイヤが装備されている場合、それにスポーク本数が少ないホイールなどは随分と軽量なバイクにうつります。走りの軽さや乗り心地のよさ、それに耐久性など、総合的に『軽さ』を判断することが肝心です。
いざ通勤し始めたら路面からの衝撃がシンドイとか、段差やグレーチングの溝に神経質にならざるを得ずつまらない…、ホイールが曲がって壊れた...となっては元も子もありません。
メーカー発表の重量だけに惑わされないように注意しましょう。
余談ですが・・・
軽量な自転車を購入するならカラダの減量をした方が安上がりとはよく言われたモノですが、何キロ痩せようと何キロ太ろうと?やっぱり走りが軽いバイクは乗っていて速いし楽しいし、とにかく気持ちがいい!!ものです。走りの軽いクロスバイクで朝の清々しい気分を存分に楽しみましょう。
point 02
フレーム素材
カーボン
カーボンはとても軽量で快適、軽快な車体になります。値が張るので当たり前ですが実に良い走りをしてくれます。走りの部分だけでいうと正直一番おすすめです。懸念事項としては、小さい面積に大きな力が加わることに対してアルミやスチールと比べると弱い点が挙げられます。
窮屈で雑然とした駐輪場に駐輪しておくと隣に駐めてある自転車の出し入れの際に激しくぶつけられて、自分の目が届かぬところで知らぬまに壊れてしまっている恐れがあります。カーボンクロスバイクで通勤をするなら、職場に持ち込んだり、ゆとりを持って駐められる場所がおすすめです。
アルミ
総合するとアルミが一番安心ではないでしょうか。アルミフレームも合金の具合や製造方法でピンからキリまでありますが、フレームチューブの要所要所で肉厚やパイプ形状に工夫が凝らされているタイプが良いでしょう。トリプルバテットとかハイドロフォーミングといった製法がそれです。そういったフレームのクロスバイクを選ぶと良いでしょう。軽量でよく進むバイクとしての基礎がしっかりしていると思って間違いありません。
アルミはスチールのように赤錆は発生しません。もちろん塗装の傷などから腐食はします。アルミの場合は一円玉と同じように粉っぽくくすんだようになりますがスチールの赤錆ほどは目立たないのであまり気になりません。汗や海水などが局所的に長年かかり続けでもしない限りスチールのようにどんどん進行することもまずないと言えます。
窮屈な駐輪場に限らず使用していれば外傷は避けられませんが、内部でのカーボン積層の剥がれを心配したりすることもありませんので、カーボンほど神経質になる必要はありません。
point 03
サスペンション
一般的な通勤路であれば必要なし
フロントサスペンションフォークが搭載されたクロスバイクも多く流通していますが、一般的な道路を走行する通勤であれば機能的に必要ないでしょう。そもそもサスペンションは、路面が荒れ過ぎていて走行中にタイヤが跳ねて浮いてしまいバイクのコントロールができなくなってしまうような状況で、タイヤをなるべく接地させておくために機能させるパーツです。
何キロにも及ぶ距離の砂利道を通過しなければ通勤できないという場合はサスペンションという選択もなくはないですが、サスペンションを検討するよりも先にルート変更の検討がおすすめです。
サスペンションはエントリークロスバイクが四、五台くらい買えてしまうとても高価なものから、エントリークロスバイクでサスペンションフォークを二、三本買えてしまうような安価なものまで様々販売されています。車体の価格から考えても、市販のクロスバイクに搭載されているサスペンションは残念ながらほぼ間違いなくキリのタイプになります。
3足千円の靴下と1足三千円の靴下とで、歩行と洗濯を繰り返した後にどちらの靴下がヘタっていないか…と同じで、毎日酷使するとなると正直ガタがくるのがとても早いです。
サスペンションは手入れが大変
毎日通勤で酷使することになるクロスバイクは、タイヤやブレーキシューが磨り減れば交換が必要になりますし、ワイヤー類も定期的に交換が必要になります。実はチェーンも数千キロの走行で交換すべきパーツだったりします。フロントフォークも同じように消耗していくものです。サスペンションの不具合はライドの快適性のみならず危険性に直結します。
サスペンションフォークは、定期的な分解点検メンテナンス作業が必要です。サスペンションのメンテナンスはコスト面だけでなく自転車を預けての作業になるので乗れない日にちが何週間か続き負担になります。なので通勤クロスバイクは、舗装路走行に不必要な機能をなるべく無くしシンプルな構造のモノにした方がよいでしょう。
サスペンションではなくリジッッドフォークであれば重量も抑えられます。しかもカーボン製のフォークはとても軽量です。
信号待ちから立ち漕ぎで漕ぎ出したり、ちょっとした坂をそのままの勢いで立ち漕ぎで登ろうとする際に、サスペンションがグニョングニョンと浮き沈みを繰り返し漕ぎの力が逃げてしまうのも舗装道路上では煩わしく感じます。
ちなみに、アウトドア的なファッションだったりMTB的な雰囲気が好きだったりする方にとってサスペンションは捨てがたいアイテムだったりすることもあるようです。事実、身近に『速さは要らない、通勤だろうと何だろうととにかくMTBな雰囲気を楽しみたい』という人もいます。
point 04
変速段数
リーズナブルなモデルならば前3段x後9段、ちょっといいクロスバイクなら前1段x後10段(11段)がいい!
リアのスプロケットの段数が多い方がよりきつい上り坂に対応できる軽いギアが装備されています。また、選択できるギアの数が多のでペダリングのリズムは狂いにくいです。3段変速シティサイクルのように、一段重くしたら重くなりすぎた、一段軽くしたら軽くなりすぎた、という現象が起きにくくなります。
気にしておきたいのは、スプロケットの段数が多い方がパーツのグレードが高く耐久性が高いという点、精度もよくなるのでレバー操作が気持ちいいという点、後々ドライブトレイン系パーツが消耗して交換が必要になった時に流通量が多いのでパーツが手に入りやすいという点、です。
チェーン脱落トラブルが発生しにくいフロント1段タイプで、リアは10段以上がシンプルで普段使いによいでしょう。ワンバイは今最も旬な組み合わせです。
豆知識
正しい漕ぎ方
ちょっと話はズレますが、漕いでいてあまり重いと感じないくらいのギアで、なるべく一定のリズムを維持しながらペダリングした方が、体の負担も自転車の負担も少なくてすみます。
クロスバイクで通勤している方の中には、信号が変わった瞬間から重そうなギアを思いっきり踏み込んで一気に加速してそのまま猛スピードで走行している方もいらっしゃいますが、その漕ぎ方はオススメしません。
足がパンパンになるのもそうですが、一部のギア歯だけが極端にすり減ってしまったり、チェーンがあっという間にダメになってしまったりと、一切いいことはありません。
局所的に負荷をかける漕ぎ方よりも、全体を満遍なく使った方がパーツが長持ちします。信号待ちで停止する際は前もって後ろギアを少し軽くしておき、信号が青に変わったらその軽いギアから漕ぎ出して徐々に重くしていくのがおすすめです。
point 05
タイヤ
おすすめの太さは32C、耐パンク性をうたっているタイプがよし
市販されているクロスバイクに装備されているタイヤの多くは28C、32C、35Cです。多少の振動は我慢してスピードをとにかく重視するなら28C、多少転がりが重くなって進みが悪くなっても振動の吸収性を重視したいなら35C、振動の吸収性も転がりの軽さもバランスをとりたいなら32C、といったイメージです。
まず32Cが標準でついていれば不満はないでしょう。タイヤが消耗した時の交換のタイミングで太さを変更してみるのも、走行感の違いを楽しめますのでおすすめです。
ちなみにタイヤ交換で持ち込まれるクロスバイクでは、標準で装備されていた28Cのタイヤを乗り心地の悪さやグリップ力の不安を理由に32Cに変更を希望される方、28Cでパンクが頻発したことをきっかけに32Cに変更される方はちらほらいらっしゃいます。一方で35Cタイヤに変更する方や、28Cに変更する方はあまりいらっしゃらないようです。
気になっているクロスバイクの仕様が耐パンク性を高めたタイプなのかどうかもチェックしておくとよいでしょう。パンクごときで遅刻してしまうわけにもいきませんし、パンクして遅刻しそうになってドキドキハラハラすると焦りから視野が狭くなり危険です。耐パンク性をうたっているタイヤは地味に助かる安心アイテムです。
パンク修理(タイヤ・チューブの取り外しと交換)方法はバイクプラス各店で講習会を開催していますので、そちらにご参加ください。
湿った白線、マンホール、グレーチングは滑りやすいポイントですので気をつけてください。
注意
タイヤを太くしたらフレーム、ブレーキ、フロント変速機などのクリアランスは大丈夫か? 交換しようと考えている太さ(細さ)のタイヤはそのクロスバイクのリム幅で安全上装着可能な範囲か? などに注意が必要です。
point 06
拡張性の高さ
いかにスマートにオプションパーツを取り付けできるかに拘りたい
通勤となるとライトやボトルケージの他にスタンド、キャリア、泥除け、サイクルコンピューターなどのアクセサリー類の別途装備が欲しくなります。ほとんどの市販のクロスバイクはそういったモノを後付けすることが可能ですが、せっかくならなるべくスマートに取付したいもの。
こういう設計がされていると嬉しいですね。
サイクルコンピューターのセンサーを内蔵できるフレーム
マウントがあらかじめ設計されているフレームならサイクルコンピューターをカッコよくスマートに取り付けることができます。
ジップタイを巻きつけてセンサーをフレームに固定する一般的な方法から比べるとかなりお洒落にまとまると思いませんか? とてもオススメです。
センサーは専用品の購入が必要ですが、Ant+やBluetoothで接続できるサイクルコンピューターやスマートフォンが使用できます。
サイドスタンドを取付できるマウントのあるフレーム
専用スタンド取付マウントが装備されているフレームなら、フレームを無理やり挟み込んだりすることなくスタンドをスマートに取付できます。取付後の見た目がかなりシンプルですっきりします。
カーボンフレームにはスタンドのように局部的にフレームに外圧がかかる挟み込んで固定するようなタイプを取付るのは各メーカーからNGとされていますので注意してください。
ハンドル周りにライトやサイクルコンピューターなどをスッキリと取り付けできるステム
Bontrager社ステムの多くに採用されているblendrシステムならライトやサイクルコンピュータでごちゃごちゃになるハンドル周りをスッキリまとめることができます。
GarminのGPSサイクルコンピューターやアクションカメラGoproのマウントもあるので様々な用途でクロスバイクやロードバイク、マウンテンバイクを楽しんでいる方にもとても人気です。
自転車通勤におすすめのクロスバイク
毎日のように使用する自転車通勤用クロスバイクはやっぱりシンプルでいながらスタンドや泥除け、キャリアなどの拡張性に優れたモデルで、尚且つ耐久性やメンテナンス性に優れたこちらのクロスバイクがおすすめ!