Shimano CUES(シマノ キューズ)いち早く手に入れたスタッフによるレビュー

2024年3月18日by 多摩バイクプラス

多摩センターの大西です。今回は昨年私の愛車に取り付けたシマノの最新コンポーネント『CUES(キューズ)』をじっくりと使い込みましたのでご紹介したいと思います。

CUES(キューズ)とは?

CUESコンポーネント2023年に発売になったシマノの『CUES(キューズ)』はE-BIKE、マウンテンバイク、クロスバイク向けに開発された新しいコンポーネントシリーズです。街中を軽やかに駆け抜けたり、トレイルライドやロングツーリングに熱中したり、E-BIKEのパワーを十分に楽しんだりと様々な走行体験を更にレベルアップする為に開発されました。

CUESの特徴は「LINKGLIDEテクノロジー」を採用している点で、ギアの堅牢性や耐久性が高く、衝撃を抑えたスムーズなシフティングが特徴です。

CUESの名称は「Create Unique ExperienceS」の略で、U-8000、U-6000、U-4000の3グレードがあり、9速から11速までのシリーズが用意されています。


耐久性と変速性能が大幅に向上!LINKGLIDEテクノロジー

シマノ リンクグライドテクノロジーCUES製品の特長としてLINKGLIDEテクノロジーがあります。LINKGLIDE用に設計されたカセットスプロケットの歯板は従来の製品よりも大幅に厚みを持たせて堅牢な作りになり、独特の形の溝を設計しています。これによって高トルク時の耐摩耗性を高め、従来の製品よりも3倍も寿命が伸びたというデータがあります。カセットスプロケットの耐久性の向上によりチェーンが歯飛びを起こすまでの寿命も大幅に伸びています。

みなさんの中で重いギアばかり使っている方はいませんか?カセットの外側の重いギアは歯数が少ないのでそれだけチェーンを運ぶ出番が増えます。同じギアの、しかも歯数の少ないギアを使い続ける事によってカセットやチェーンの消耗が早く進行してしまいます。LINKGLIDEテクノロジーのカセットとチェーンを使用することで製品寿命が伸び、カセットやチェーン交換等のメンテナンスの手間が軽減され、長い時間サイクリングライフを楽しむことができるようになるのです​​。

LINKGLIDEカセットとチェーンLINKGLIDEテクノロジーのもうひとつの特徴としてスムーズなシフティングがあります。 カセットスプロケットの歯の形状も見直され、チェーンが歯を捉えやすく、かつ離れやすいように。また変速ポイントも次のギアへスムーズに落としたり、持ち上げられるようにLINKGLIDE専用設計になっています。

更にリアディレイラーの設計も見直され、スプリングテンションの強化、チェーンスタビライザーの採用により、変速時のチェーンが跳ねるショックを限りなく抑える事ができます。各ギア間のスムーズなシフティングによりストレスが軽減されてます。

CUES(キューズ)のシリーズ紹介

CUESのコンポーネントは9速から11速までの展開があり、11速には2種類のグレードがあります。特徴を簡単に下の表にまとめてみました。

シリーズ リア シフター ブレーキ ホース クランクの種類 チェーン
U8000 11速 I-SPEC2バンド 2ピストン
4ピストン
BH90SBM ホローテック2
2ピースクランク

 LINKGLIDE
HG11スピード

U6000
11SPEED
11速 I-SPEC2
バンド
2ピストン
4ピストン
BH59 ホローテック2
2ピースクランク
 LINKGLIDE
HG11スピード
U6000
10SPEED
10速 バンド 2ピストン
4ピストン
BH59 ホローテック2
2ピースクランク
 LINKGLIDE
HG11スピード
U4000 9速 バンド 2ピストン BH59 2ピースクランク
スクエアテーパー
 LINKGLIDE
HG11スピード

一部を除いたクランクとチェーンは9/10/11速全対応となっています。CUESのラインナップから新たにノンドライブ側にシャフトが付いた2ピースタイプのクランクが登場しています。変速機やクランク、シフターの中には共通して使用できるパーツもあるのでカスタムしやすいのも特徴です。

CUESのラインナップは非常に豊富なので細かい仕様はシマノのサイトでチェックして下さい。【外部リンク】SHIMANO CUES【🔗】

CUESインプレッション

CUESをE-BIKEに取り付けて走行インプレッション昨年11月にE-BIKEのFX+のコンポーネントをCUESに載せ替えてこれまで約3000㎞走行しました。 基本通勤使用で峠越えや雨の日も走行しました。E-BIKEのFX+については私の過去のブログ↓をご覧ください。

それではどんなパーツを取り付けたか、使用感をお伝えします。

取付パーツの紹介

1)BL-U8000

BL-U8000ブレーキレバーブレーキレバーは高圧ホースBH90対応のBL-U8000を取り付けました。ハンドルバー近くに沿うようにデザインされたブレーキホースのルーティングは従来モデルよりもブレーキレバーやホースが前に突き出ないようになっており、近年スタンダードになりつつあるワイヤー内蔵型フレームとの相性も非常に良いです。ハンドルのストレージシステムを使ったライトやサイクルコンピューターとの相性も抜群です。

私個人としてはハンドルバーバッグを上手く下側に収納出来たのが嬉しいポイントです。

2)BR-U8000
BR-U8000ブレーキキャリパー

ブレーキキャリパーは同シリーズのBR-U8000の2ピストンタイプを使用しました。車体のブレーキ台座はフラットマウント、BR-U8000の取付台座はポストマウントタイプなので「フラットマウント⇒ポストマウント」に変換するアダプターを使用しました。見た目がごっつい!

リアは残念ながらマウントアダプターを使用するとフレームが干渉してしまうので断念、、、

3)FC-U4000-1
FC-U4000-1クランクセット

CUESのクランクは、ホローテックⅡタイプ、2ピースクランクタイプ、スクエアテーパータイプの3種類あります。私が選んだのはスクエアテーパークランクのFC-U4000のフロントシングルタイプです。取付コストを抑えられるスクエアテーパータイプでフロントシングル仕様が出たのは非常に嬉しい所です。

主に通勤で乗っているので歯数は42T、チェーンガード付きを選択しました。

4)SL-U8000-11IR
SL-U8000-11IR

シフターは11速仕様のSL-U8000でブレーキレバーと一体にして取付ができるI-SPECⅡシフターにしました。ハンドルバー周りがスッキリするので気に入っています。ギアが今何段目かがわかるインジケーター付きにすれば良かったかも・・・と思っています(笑)

5)RD-U8000

RD-U8000リアディレイラーは同じく11速仕様のRD-U8000。シールドベアリングで13Tの歯数のプーリーでチェーンを滑らかに送り出す事ができます。最大50Tのロースプロケットが取り付けられるのでフロントシングル仕様でも平地から激坂まで対応できます。チェーンの跳ね上げや暴れを抑制するスタビライザー機能が付いているのでオフロード走行も安心です。

雪の日に落車して傷が付いているのはご愛敬・・・変速機自体が外に張り出さないような設計になっているので、転倒しても変速に影響が出にくくなっています。

6)CS-LG400

CUESのカセットスプロケットカセットはU6000グレードの11速モデル CS-LG400の11-45Tにしました。フロントチェーンリングの歯数が42Tなので1対1以下のギア比が作り出せます。本当はU8000グレードのLG700が欲しかった(カッコいい&軽い)ですが納期と予算の関係でこちらになりました。

7)CN-LG500

シマノのチェーンCN-LG500そしてチェーンはリンクグライド向けに設計されたLG500チェーン、この一種類だけで9、10、11速用とカバーします。値段も安くて耐久性も高い!

またパッケージにはHG11速の記載があり、11速のロード、MTB用チェーンとしても使えるようになっています。

    変速の滑らかさが際立つLINKGLIDEシステム

    CUESのインプレッション、変速編CUESのコンポーネントに変えてみて一番印象に残った部分は変速の滑らかさです。特にトップ側に向かう変速が滑らかです。

    通常トップ側に変速する動きはチェーンが小さいギアに落ちていくという動きになります。変速の際にはチェーンが浮いている瞬間があり、次の歯に移行する段階でチェーンが詰まったり跳ねたりような動きをするので衝撃が発生します。

    CUESのコンポーネントは独特の歯の形状で詰まり感が少なく、チェーンが浮き上がる瞬間を極力抑えながら斜めにスライドしていくので変速が非常にスムーズです。

    SL-U8000シフターの感触シフトレバーのタッチはクリック感がしっかりとあり、確実に切り替わっていく印象です。感触はスラムのシフトレバーのタッチに近いかもしれません。CUESはディレイラーの動きに合わせてわざとクリック感を大きくしたのではないかと思われます。

    以前使用していたSLXのシフトレバーの方がタッチが軽く、変速機が速く動く印象がありましたが、重いギアに向かうチェーンの動きが滑らかな方はどちらかと聞かれるとCUESに軍配が上がります。

    トルクをかけた状態やE-BIKEでアシストがかかっている状態での変速はCUESの変速の滑らかさがより際立ちます。

    CS-LG400のギアの歯

    コチラは実際にE-BIKEで3000㎞走行したカセットスプロケットです。普段17T辺りの ギアを中心に使用していますが、歯の消耗や欠けはほとんど見られません。

    そしてこれは超絶おススメしませんが、ギア周りのクリーニングを行ってチェーンオイルは差さずにカラッカラの状態で約100㎞走行しましたが変速に違和感はほとんど感じられませんでした。

    CUESのブレーキ性能

    ブレーキ性能はCUESのハイエンドモデル、BR-U8000なので制動力は申し分無いです。BH90の高圧ホース採用で重量のあるE-BIKEで急斜面を下る際にも安心して走行できました。3フィンガーレバーなのでどの指でもブレーキをかけやすく、コントロールしやすいのが個人的に気に入っています。レバーのリーチを工具不要のダイヤルで簡単に調整できるのも良いです。オフロード走行をメインとする場合は4ピストンのブレーキを付けると良いでしょう。

    約3000㎞乗ってみての感想ですが変速、ブレーキ共に非常に満足しています。変速の際の衝撃が伝わってこないのはストレスフリーで快適です♪現状チェーンやカセットの消耗の気配が見えないので交換はいつになるのやら・・・それはまた次回のブログで紹介できればなと思います。

    CUES搭載の車体は?

    TREK 2024 Marlin 5のブラックカラー

    トレックのラインナップでもCUESを搭載したモデルがあります。

    CUESの9速モデル、U4000シリーズが搭載されています。トレイルライドはもちろん、マウンテンバイクをハードに普段使いする方におススメです。 現在はこの1モデルのみですが今後CUESを搭載した完成車は増えそうですね。

    CUESのカスタムについてお気軽にご相談下さい♪

    CUESは様々な用途に合わせてカスタムできます。いかがでしたでしょうか、シマノの新型コンポーネントCUESは幅広い自転車のスタイルに対応した汎用性と耐久性の高いコンポーネントなのが特徴です。

    • 通勤通学の日常使い
    • マウンテンバイクでのトレイルライド
    • グラベルバイクのロングツーリング
    • E-BIKEのパーツ消耗を抑える
    • クロスやマウンテンをフロントシングル化

    上記に当てはまる方におススメです♪CUESは互換性を持たせたパーツの種類が多いのでカスタムの際はスタッフまでお気軽にご相談下さい!

    ※尚この記事はメーカーより機材提供を受けていません、自腹です(笑)


    バイクプラス多摩センター店外観写真

    バイクプラス多摩センター店

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