新仕様のCheckpoint+で念願の北海道へ!美幌峠ヒルクライムと屈斜路湖畔グラベル20kmを駆ける
こんにちは。バイクプラスの西村です。
異音事件から始まり、ワランティによるフレーム載せ替え。で、どうせ全バラにして組み直すなら……と、ついでにドロッパーポストのRockShox Reverb AXS XPLRをブチ込み、さらにSRAM e-Shift化まで一気に敢行。
ここ数回のブログでさんざん泥沼カスタムの様子をご紹介してきた私のCheckpoint+ですが、ようやく、本当にようやく思い描いていた理想の姿に辿り着きました。
フレームは新築ピカピカになり、変速はTQのメインバッテリーから直接給電するSRAM e-Shiftへ。ドロッパーポストを含めてハンドル周りの操作系もスッキリ整理され、遠出のたびに「アレとコレと……」と複数のバッテリー残量を気にするあの面倒くさい儀式からも、ついに解放されたわけです。
「よし、これで完璧な相棒になったぞ。」
と、一人でニヤニヤ満足していたまさにそのタイミングで、絶妙に北海道へ行く予定が舞い込んできました。
自転車乗りなら分かっていただけると思いますが、いくら「完成した!」と思っても、近所の舗装路をちょろっと転がしたくらいじゃその真価は分かりません。
ひたすら長い直線を走り、汗だくで峠を登り、砂利だらけの荒れた林道に突っ込んで、いろんな路面に揉まれてみる。そうして初めて「あぁ、このカスタムは正解だったな」とか「ここはもうちょっと……」という本音が見えてくるものです。
というわけで今回は、この生まれたてホヤホヤの新仕様Checkpoint+を北海道へ送り込み、何十年もずっと焦がれていた美幌峠と、約20kmの極上(?)グラベルを含む屈斜路湖一周ルートでガッツリテストしてきました。
今回は家族旅行(という大前提)
最初にお断りしておきますが、今回の北海道はガチの自転車旅ではありません。
世間一般で言うところの「マイルドな家族旅行」です。
釧路湿原をのんびり歩き、カナディアンカヌーで釧路川をゆらゆら下り、阿寒湖やアイヌコタンで文化に触れる。北海道の雄大な自然と美味いメシを家族で満喫する、というのが大正義であり絶対のミッションでした。
当然、「朝から晩まで好きなだけ自転車で走ってきていいよ!」なんて天国のような旅であるはずがありません。当たり前です、家族旅行ですから。
ところが、ここで奇跡が起きます。家族が「どうしても行きたい場所がある」と言い出したのです。
それが、網走監獄。
どうやら大人気漫画『ゴールデンカムイ』の聖地巡礼らしく、「北海道に行くなら絶対に外せない!」と、鼻息荒く楽しみにしている様子。
一方の私はというと……。
大変申し訳ないのですが、網走監獄にはそこまで食指が動きません(超ラッキー)。
ならばお互い妥協せず、一番ハッピーになれるルートを選ぼうじゃないかということで、その日は綺麗さっぱり別行動に決定しました。
家族は聖地・網走監獄へ。
私はCheckpoint+で屈斜路湖へ。
誰も我慢しない、家庭円満かつ非常に平和な一日の完成です(笑)。
この降って湧いた自由時間を使って走ることにしたのが、宿からそのままスタートできる屈斜路湖一周ルートでした。
ただ舗装路をなぞるだけなら、わざわざCheckpoint+をバラバラにして大きな段ボールに詰め込んで北海道まで佐川さんに運んでもらった意味がありません。せっかくのe-Gravelなんだから、土の上を走らないと嘘でしょう。
そこで事前に目を付けていたのが、ルートの途中に組み込める約20kmの未舗装路『屈斜路湖畔林道』でした。
舗装路のクルージングと極上のグラベルを一度に楽しめて、しかもぐるっと回ってスタート地点に戻ってこられる。今の私のバイクにとって、これ以上ないお誂え向きのルートです。
北海道との付き合いは高校3年生の夏から
私が初めて北海道を自転車で走ったのは、高校3年生の夏でした。かれこれ34年前の話です(遠い目)。
重いサイドバッグにテントと寝袋を詰め込んで、丸々1か月近くかけて北海道を野宿しながら回るキャンプツーリングでした。
言うまでもなく、当時はGPSもスマホもありません。ネットで「おすすめグラベルルート」なんて検索できるはずもない時代です。
ボロボロの『ツーリングマップル(紙の地図)』を広げて次の目的地をアタリ付けし、日が暮れる前に野営できそうな場所を勘で見つけ、毎日ただひたすらペダルを漕ぐ。高校生の私にとって、北海道は文字通り未知の「巨大な冒険の島」でした。
その旅の途中、川湯温泉を拠点に数日間滞在して、屈斜路湖や摩周湖、阿寒湖の周辺を走り回ったんです。あの広大な北海道の中でも、この道東エリアの圧倒的な美しさは、30年以上経った今でも脳裏に焼き付いて離れません。
でも、人間の記憶というのは不思議なもので。
あれだけ走り回ったのに、超絶景スポットである「美幌峠」だけはなぜかスルーしていたんです。
屈斜路湖畔のすぐ目と鼻の先まで来ていたのに、なぜ当時の自分がそこをルートから外したのか、今となっては全く思い出せません。
何十年もずっと気になっていた美幌峠
高校時代の夏を過ぎて大人になってからも、北海道ライドとの縁が切れたわけではありませんでした。
バイクプラスをはじめてから、お客様をご案内するサイクリングツアーを何度か企画したことがあります。
サロマ湖、ワッカ原生花園、能取湖……。
航空会社の担当者の方と一緒に現地へ足を運び、「どこを走れば北海道の壮大さを一番肌で感じてもらえるか」を真剣にロケハンしました。
もちろん、その時も美幌峠は有力候補に挙がっていました。
ただ、ビジネスとしてのツアーとなると、景色が良いだけではGOサインは出せません。ツアーで使いたい宿との距離、絶品のご当地メシ、お客様が無理なく笑顔で走りきれるルートの斜度やプロファイル……。
それらを天秤にかけた結果、最終的に選んだのはサロマ湖・能取湖を中心としたルートでした。美幌峠はまたしても「次回の楽しみに」と見送られることに。
高校3年生の夏にスルーし、仕事のツアー企画でも一歩届かず。
そうして気付けば、美幌峠は何十年もの間、私の頭の片隅に残り続ける「いつか絶対にリベンジしなきゃいけない場所」になっていました。
ヒグマ情報なんて調べなきゃよかった
さて、楽しいグラベル計画ですが、北海道の林道を走るとなれば絶対に避けて通れない問題があります。そう、ヒグマです。
本州のツキノワグマとはワケが違います。グラベルロードで森に入る以上、「まあ大丈夫っしょ」と無対策で突っ込むのはただの無謀です。
そこで出発前、軽い気持ちで弟子屈町のヒグマ目撃情報をWebでチェックしてみました。
……うん、見なきゃよかった(笑)。
そこには直近の目撃情報がこれでもかと掲載されており、しかもタイムリーに私が走ろうとしている屈斜路湖周辺の林道ばかり。
「いやいや、冗談抜きで普通に出まくってるじゃん……。」
画面をスクロールするたびに緊張感が高まり、自宅にいながら血の気が引いていくのが分かります。「これ、わざわざ自転車送ってまで走る必要あるか? 中止にした方が賢明なんじゃ……」と本気でヒヨりかけました。
もちろん現地でクマ鈴とクマ撃退スプレーは調達するつもりでしたが、リアルなデータを見てしまった以上、それは「形だけのポーズ」ではなく「生き残るための必須装備」へと格上げされました。
今回のライドで大活躍したFIDLOCKはこちら
今回の北海道ライドでは、万が一のクマ撃退スプレーをFIDLOCKのマグネットマウントでトップチューブへ装着しました。
ガタガタの林道でもビクともしない固定力と、いざという時に力任せに引き抜けるギミックは、精神衛生上この上ない味方になってくれました。
現実問題として、もしバッタリ遭遇してヒグマが本気で追ってきたら、自転車のスピードじゃ逃げ切れません。戦っても勝率はゼロです。
だから今回の装備は「戦うため」ではなく、「私はここにいますよ」とアピールして出会い頭の事故を防ぐため。何より遭遇しないことが大原則です。
結果として、この旅で最も高回転で仕事を強いられたのは、最新のe-Shiftでも高級カーボンホイールでもなく、地元で購入した1,000円ちょっとのクマ鈴でした(笑)。
日没前、思い立って美幌峠へ
念願の美幌峠を走ったのは、実は家族と別行動をした日ではありません。
昼間に釧路湿原を家族でガッツリ歩き回り、宿へ戻る車の中でのことです。ふと時計を見ると、宿に着いても日没までまだ小一時間ほど残されていることに気づきました。
スマホでサクッと距離と斜度を確認します。……今からダッシュで出れば、ギリギリ暗くなる前に峠を往復して戻ってこれる。
「これ、今行くしかないんじゃないか?」
高校3年生の夏から34年間、ずっと頭の片隅で温め続けていたあの美幌峠が、突然スケジュールに割り込んできました。
普通なら「あー疲れた」と温泉に直行してビールをプシュッとやる時間です。しかし、空を見上げると重い雲の切れ間から、夕方のドラマチックな光が差し込んでいました。
自転車乗りがこの光を見て動かないわけがありません。急いでCheckpoint+を箱から引っ張り出し組み立てて、美幌峠へ向かってペダルを踏み出しました。
美幌峠の登りは、インナーローで白目を剥くような激坂ではありません。綺麗に舗装された広い道を、一定の勾配で淡々と登っていくサーキットのような峠です。
Checkpoint+の適度なアシストのおかげで、自分の脚でしっかりスポーツとして登っている満足感を味わいつつ、周囲の雄大な景色や冷えてきた夕方の空気を感じる精神的ゆとりが残る。この塩梅が絶妙に気持ちいい。
そして、ついに峠の頂上へ。
視界が開けた瞬間、目の前いっぱいに巨大な屈斜路湖のパノラマが広がりました。
圧倒的なスケールのカルデラ湖。ドカンと浮かぶ中島。その背後に幾重にも重なる道東の山々。
沈みゆく夕日の光が湖面を染め上げ、刻一刻と空のグラデーションが変わっていく。何十年もの間、雑誌やネットの画面越しに見ていた景色がそこにありました。
でも、実際に自分の脚で登りきり、その場に立って見る景色は、写真のそれとは完全に別物でした。写真には色や形は写せても、あの肌を刺す冷たい風や、どこまでも広がる空間の匂いまでは写せません。34年越しに、ようやくここに立てたんだなという感慨がこみ上げます。
長年の懸念事項をようやく一つクリアでき、大満足……と言いたいところですが、余韻に浸っている時間は1分もありません。何しろ急速に辺りが暗くなってきているからです。ここからのダウンヒルでライトを点灯し、大急ぎで宿へと滑り込みました。
家族は網走監獄へ。私は屈斜路湖を一周。
そして迎えた、運命の別行動日。
家族一行を網走監獄へと快く(?)送り出し、私はCheckpoint+で本命の屈斜路湖一周ライドへと出撃しました。
ルートの主役は、もちろん事前に調べておいた約20kmの未舗装路『屈斜路湖畔林道』です。
ただ綺麗に舗装された湖畔の道路をなぞるだけなら、ロードバイクで十分。わざわざフレームを載せ替えてまでこのe-Gravelバイクを仕上げ、北海道まで発送した私の執念が泣きます。やっぱりグラベルバイクは、土を踏んで、泥に塗れてナンボです。
屈斜路湖西側のディープなエリアを約20kmのダートで撃ち抜き、東側の舗装路で空気を味わいながら気持ちよく繋ぐ。これぞCheckpoint+のための完全無欠のステージです。
屈斜路湖畔林道は静かすぎる
アスファルトの道路を折れ、屈斜路湖畔林道に入った瞬間、空気の密度がガラリと変わりました。一瞬にして鬱蒼とした深い森に包まれ、木漏れ日の中へと吸い込まれていきます。
鬱蒼とした森をしばらく走っていると、突然視界が開けて右手に巨大な屈斜路湖がドーンと現れる。で、またすぐに木々に遮られ、忘れた頃にさっきとは違う角度から湖面が顔を出す。このコントラストが延々と繰り返されます。
さっきの美幌峠のように「上から見下ろす大パノラマ」も最高ですが、水面と同じ目線で、原生林の間から湖を覗き見しながら走るこの感覚は、まさに北海道のグラベルでしか味わえない贅沢そのもの。
いつも見えているわけじゃないからこそ、木々の切れ間からパッと青い湖面が広がった瞬間の感動が際立ちます。
本来なら、この神秘的な静けさを心ゆくまでじっくりと堪能したいところです。
ええ、本来なら、ね。
底にはそんなロマンチックな余裕はこれっぽっちもありません(笑)。
車の走る音なんて当然しない。他のサイクリストの気配も皆無。TQモーターは静かなので全然電気仕かけモーターの興醒めする音は聞こえません。聞こえてくるのは、自分のバイクの50Cタイヤがバチバチと砂利を踏む音と、ハンドルバーからけたたましく鳴り響くクマ鈴の音だけ。
この「あまりにも静かすぎる環境」が、出発前に見たあのリアルなヒグマ目撃データと脳内でリンクして、恐怖心を煽ってくるんです。
「このブラインドカーブを曲がった先に巨大な黒い影がいたらどうする?」
「さっきから左の藪の奥が妙にガサガサ言ってないか?」
「気のせいか? いや、本当にクマ出そうなんだけど……」
せっかくの絶景そっちのけで、視線はずっと左側の怪しい藪の奥へ釘付けでした。
……と、その時です。
ガササッ!!!
左数メートルの藪の奥から、何かが猛烈な勢いで飛び出してきました。
思わず裏返った声で「うわっ!」と叫び、全身の毛穴がブワッと開くのを感じました。一瞬、本気で「あ、俺の人生ここで詰んだわ」と覚悟しました。
冷や汗ダラダラで目を凝らすと、そこにいたのは……ヒグマではなく、1匹のキタキツネ。
いやもう、心臓に悪すぎるので本当に勘弁してください(笑)。
しかもこのキツネ、野生のプライドが迷子になっているのか、こちらを全く怖がらずにちょっと離れた場所でちょこんと座り、こちらをじーっと観察しています。
「いやいや、そんな無垢な目で見つめられてもこっちはビビり散らかして心停止寸前だぜ……。」
異様な緊張感の中、おっさんとキツネが北海道の林道のど真ん中でしばし見つめ合うという、謎のシュールな時間が流れました。
これぞ北海道!という貴重な出会いではあるのですが、飛び出してきた最初の0.5秒だけは本気で「巨大なアイツ」かと思いました。間違いなく、今回の旅で私の心拍数がMAXに達したのは、美幌峠の登り坂ではなくこのキツネの瞬間です。
キツネと別れたあとの後半戦は、さっきまでの比じゃないくらい必死にマシンのハンドルを揺らしてクマ鈴をチリンチリン鳴らし、首がもげるんじゃないかってくらい左右をキョロキョロ警戒しながら走りました。
今回のライドで一番筋肉痛になったのは、間違いなく脚ではなく「首」ですね(笑)。
……と、ここまでなら「あー怖かった、キツネでよかった」という笑い話で済んだんです。
実は旅を終えて埼玉に戻り、まさにこのブログを書いている最中に、答え合わせのつもりで再び現地の最新ヒグマ目撃情報を開いてみたんです。そしたら、とんでもない情報が更新されていました。
なんと、私があの屈斜路湖畔林道をハァハァ言いながら走っていたまさにその当日、同じような時間帯に同じ斜面のすぐ上で、ヒグマの目撃情報がバッチリ掲載されていたのです。
安全な所沢店2階の仕事場で、ディスプレイを見ながら本気で声が出ました。「うわ、マジか……」と。
すぐ上です。ほんの目と鼻の先、斜面をちょっと登った上の舗装路のところで、アイツは確実に私のクマ鈴の音を聞いていた(あるいはCheckpoint+の走る姿を見下ろしていた)わけです。本当にニアミスどころの騒ぎではありませんでした。あとで調べてまさか余計にビビるハメになるとは……。
そんなビビりまくりの緊迫した状況下でも、新しくなったCheckpoint+の走りはひたすら秀逸でした。路面は綺麗に締まった快走路ばかりじゃなく、容赦なくぬかるんだマッドセクションや、豪快な水たまり、強風でへし折れた小枝が散乱する荒れたエリアが次々に襲いかかってきますが、何食わぬ顔で突破してくれます。
50Cタイヤは北海道のために選んだわけじゃない。でも北海道にぴったりだった。
この荒れた林道を20kmほど走り抜けて心の底から実感したのは、「50Cという太さを選んだ自分、マジでグッジョブ」ということです。
愛用している『SCHWALBE G-ONE RX PRO 50C』は、鋭い砂利の浮いたハードパックでも、フロントが取られそうなぬかるみでも、終始圧倒的なマージンと安心感を乗手に提供してくれました。
単にノブが路面を掴むというレベルの話じゃありません。
この極太のボリュームのおかげで、空気圧をかなり落としてもタイヤ全体がしなやかに路面を包み込むように転がり、ガタガタとした不快な微振動を綺麗にいなして進んでくれるんです。道中、「もうちょっとドライ向け高速タイヤにしとけばよかったな……」なんて後悔は1ミリも湧きませんでした。
ただ、メカニックとしての邪念(?)というか、新しい欲求はフツフツと湧いてきました。「ここにCushCore(タイヤインサート)を入れたら、さらに楽しいだろうな」と。
今回はインサートなしの純粋なチューブレス仕様でしたが、それでも十分すぎるほど快適でした。でも、もしクッシュコアを入れてさらに空気圧をギリギリまで下げられたら? リム打ちの恐怖から完全に解放されて、あのガタガタのコーナーをもっとハイスピードで駆け抜けられたら?
ビビりながら走っていたはずなのに、頭の中ではすでに「次回のカスタム」の妄想が始まっていました。これだから自転車イジりはやめられません。
50Cタイヤを選んだ理由はこちら
舗装路での転がりの軽さと、グラベルでの走破性をどう両立させているのか? 私がCheckpoint+にこの50Cタイヤを奢った理由と詳細なロジックは、こちらの過去記事で熱く語っています。
▶ アシストに頼らず、減速も拒む。|Checkpoint+ SL 5 × Aeolus RSL 37V × 50Cタイヤという選択
北海道で実感したe-Shift化のメリット
そしてもう一つ、今回の旅のMVPを挙げるなら、間違いなく「SRAM e-Shift化」です。
変速がスパスパと決まるレスポンスの良さは言わずもがなですが、今回何より感動したのは、性能そのものよりも「旅支度とリスク管理が究極にラクになった」という点でした。
これまでは、コンポーネントやドロッパーポストごとに、あの小ぶりな外付けバッテリーを個別に管理していました。少し遠出しようとするたびに、「充電器はどこにやったっけ?」「全部満充電にしたっけ?」「念のために予備バッテリーを持っていくべきか……」と、地味に脳のメモリを消費していたんです。
それが今や、e-Shift化によってTQ HPR60の巨大なメインバッテリーから直接、シフトとライトの電力が供給されます。ドロッパーポスト(RockShox Reverb AXS XPLR)こそ単体の外付けバッテリーですが、最悪動かなくなってもなんとかなるグラベルロードなら、走れなくなるような致命傷にはなりません(MTBのRail 9.7とはワケが違います)。
要するに、バイク本体の電源プラグを1本挿して充電しておけば、それで変速もアシストも、全ての準備が完了するわけです。
「バッテリーを忘れた!」「充電器を忘れた!」という旅先でのポカが構造的にあり得ないという、この絶対的な安心感。これだけで遠征ライドのハードルは驚くほど下がり、気持ちよく旅立てるようになります。控えめに言って最高です。
さらに、操作性の向上も林道ダートで大きな味方になってくれました。
私が愛用しているワイヤレスシフター(Pod Controller)は、ハンドルをどう握っていようと指のわずかなスイッチ操作だけで電撃的な変速が可能です。ヒグマに怯え、浮き砂利や水たまりのトラップに神経を尖らせながら走るような状況でも、ハンドル保持力を落とさずにシフトチェンジができるギミックは、安全面という意味でも非常に大きな恩恵でした。
ずっと行きたかった美幌峠を終えて、また新しい楽しみができた
高校3年生の夏、ただ若さと勢いだけで北海道を駆け抜けたあの日から、気付けば34年という歳月が流れていました。
乗っている自転車も、旅のスタイルも、ガチの野宿から快適なホテル泊へと変わり、自分の立場もすっかりおじさんになりました(笑)。
それでも、かすかな記憶の糸をたどるようにして再びこの地に立ち、ペダルを回した瞬間、あの頃と全く変わらない「自転車で北海道を走るあの特別な高揚感」が胸の中にスコーンと戻ってきました。
長年ずっと心に引っかかっていた美幌峠のリベンジを果たし、私のエゴの塊のような仕様に生まれ変わったCheckpoint+は、舗装路の登りでもディープなグラベルでも、期待を遥かに超える極上のパフォーマンスで応えてくれました。
まあ、屈斜路湖畔の林道ではヒグマの恐怖に終始怯えまくって、周囲の大自然をエレガントに愛でる余裕なんてこれっぽっちもなかったんですけどね(笑)。
でもだからこそ、「絶対にまたここへ戻ってこなきゃな」と思っています。
今度はクッシュコアをきっちり仕込んでタイヤの戦闘力をさらに高めたCheckpoint+で、もう一度あの美しい林道へ乗り込みたい。その時はもう少しだけ肝が据わって、森の静けさや湖の美しさを穏やかな気持ちで楽しめるようになっているでしょうか。
……あ、もちろんその時も、最強のクマ鈴とクマ撃退スプレーだけは、絶対に忘れないようにします。
この記事で紹介したアイテム
気になった商品は、そのまま詳細ページでスペックや価格を確認できます。

FIDLOCK TWIST ボトル 590 + バイクベース(フィドロック ツイスト 磁気ボトル 590ml)
商品ページを見る
FIDLOCK TWIST UNI CONNECTOR + bike base(フィドロック ツイスト ユニ コネクター+バイクベース)汎用マグネットマウント
商品ページを見る
MUC-OFF x Fidlock TWISTボトル 590+BIKEBASE(マックオフ×フィドロック ツイスト 磁気ボトル 590ml&バイクベース)
商品ページを見る
Bell XR Spherical Mips ヘルメット|ロード・グラベル・MTB対応オールロードモデル
商品ページを見る関連カテゴリ・シリーズ
近いジャンルの商品や、同系統のモデルをまとめて見たいときはこちら。


この記事が参考になったら、ぜひコメントをどうぞ!