ついにShimanoもフルワイヤレスの時代へ!Di2「XTR」「Deore XT」「Deore」を徹底比較

2025年6月25日by 所沢バイクプラス

ShimanoもついにフルワイヤレスのDi2を投入してきました。プロチームやエンスージアストの間では待望の機能だった「完全ワイヤレス」の電動変速が、ついにシマノクオリティで実現されたのです。XTR、XT、そしてDeoreの3つのグレードで登場し、予算や用途に応じて選べる構成も魅力。この記事では、それぞれの違いと共通点、そして選ぶ際のポイントを詳しく解説します。


新世代Di2の革新ポイント

これまでのDi2といえば「有線接続」が基本。MTBでの使用においては取り回しの難しさや破損リスクが課題でした。そんな中、Shimanoは長年の開発を経て、ついにリアディレイラーをハブとするワイヤレス構造を完成させました。シフターからの信号はBluetoothとANT+で送られ、ケーブルレスかつ高速に変速を実現。しかも、各グレードに合わせて耐久性・剛性・重量バランスが設計されている点も見逃せません。

さらに注目すべきは、E-MTBとの連携を見据えたFree Shift(ペダリング不要の変速)やAuto Shift(自動変速)。これにより、初心者でもスムーズなギア選択が可能になり、ベテランライダーにはより戦略的な走行が求められるようになります。まさに「人に寄り添う電子制御」として進化したのが、新世代Di2の最大の魅力です。

※Free ShiftおよびAuto Shift機能は、ShimanoのE-MTB用ドライブユニット(EP801など)との組み合わせ時のみ動作します。通常のMTBでは使用できませんのでご注意ください。


XTR M9200:Shimanoが誇る最高峰

XTR M9200シリーズは、ShimanoがMTB用コンポーネントにおける頂点として送り出すモデルです。Di2史上初の完全フルワイヤレス化を果たし、まさにプロフェッショナルライダーのために生まれた構成となっています。リアディレイラーには通信機能とバッテリーが内蔵され、シフターとの通信はBluetoothとANT+で接続。ハンドル周りは驚くほどスッキリとし、バイク全体の整備性と軽量性が格段に向上します。

また、このXTR M9200は剛性・耐久性・重量のバランスを極限まで突き詰めた構造。カーボンコンポジットや高精度アルミパーツが用いられ、衝撃に強く、しかも軽い。リアディレイラーにはオートマチック・インパクトリカバリーを搭載しており、転倒などで一時的にズレても自動で正しい位置へ復帰します。チェーンスタビライザーもデュアルスプリングで、チェーン暴れを大幅に抑制します。

変速性能に関しても、まさに“瞬間的”。高負荷がかかっている状態でもスムーズにギアを送り、レースの中でも一切の妥協を感じさせません。Rapid ES シフターに対応しており、MTBらしい操作性とレスポンスの良さを両立。XTR M9200は「限界を押し上げたい」と願うすべてのMTBライダーにとっての、究極の答えといえるでしょう。

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Deore XT M8200:真のオールラウンドモデル

Deore XT M8200は、新世代Di2の中核を担う存在として、レース・トレイル・グラベルライドといった幅広い用途をターゲットに設計されています。XTRに迫るワイヤレスDi2性能を、より手に届きやすい価格帯で実現。リアディレイラーを通信のハブとする設計はXTRと同様で、Rapid ES シフターにも対応し、車種やライドスタイルを問わずフィットします。

Deore XT M8200では、10-51Tに加え、新たに「9-45T」スプロケットが登場。このコンパクトドライブトレイン仕様では、歯数の小さいチェーンリングやミディアムケージのリアディレイラーと組み合わせることで、500%のギアレンジを維持しつつも、軽量で応答性に優れた仕様が実現します。また、9-45Tカセットによりフロントチェーンリングを小径化(28T〜30T)することも可能になり、加速性や脚への負担軽減、ロードクリアランスの確保とチェーン暴れの抑制といった面でもメリットがあります。

耐久性においてもDeore XTは優秀で、XTRほどの軽量素材ではないものの、十分に信頼できる中剛性構造と耐衝撃性を備えています。Free Shift・Auto Shiftにも対応し、e-MTBにも流用可能。E-TUBEアプリによるカスタマイズ性も高く、シフターの動作モードやマルチシフト設定など、ライダーの好みに合わせて調整できます。

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Deore M6200:手の届くDi2

Deore M6200は、ShimanoのDi2ラインアップの中でも最も手軽に導入できるグレードとして登場しました。従来のメカニカル12速からのステップアップを想定した設計で、リアディレイラーとRapid ES シフターのみを交換すれば、Di2の恩恵を気軽に体験できるアップグレードキットが用意されています。

基本的な構成はDeore XTやXTRと同様に、リアディレイラーが電源と通信のハブを担う構成。通信はワイヤレスで行われ、ケーブルレスのすっきりとしたコックピットを実現します。変速そのものは驚くほどスムーズで、特にシフトレバーのクリック感は上位モデルとほぼ変わらない完成度。メンテナンスフリーな構造とSHADOW ESテクノロジーにより、タフな使用にも耐える設計です。

最大の特徴はやはり価格。約9万円ちょいでアップグレードキットが入手できるため、「いきなりXTRやDeore XTは…」という方にも最適。しかも、M6100シリーズの既存のクランクやカセットを活かしつつ変速系だけアップデートできる点が大きな魅力です。

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技術的な注目機能解説

  • SHIMANO SHADOW ES テクノロジー: 障害物との干渉を回避し、耐衝撃性に優れた構造。プーリー部も堅牢設計。
  • オートマチック・インパクトリカバリー: ディレイラーが衝撃でズレても自動復帰。
  • Free Shift / Auto Shift: ペダルを踏まずに変速できる機能、自動変速機能。e-MTBとの組み合わせで真価を発揮。
  • E-TUBEアプリ: 変速スピード、マルチシフト、スイッチ割当など自在にカスタム可能。

スペック比較表

シリーズ 変速方式 ケージ構造 対応カセット 主な特徴 重量
(SW・RD・BT・CS)
XTR M9200 フルワイヤレス Di2 軽量・高剛性 10-51T / 9-45T 最軽量・プロ志向・高耐久・衝撃復帰機能 SGS:883.5g / GS:839.5g
Deore XT M8200 フルワイヤレス Di2 中重量・中剛性 10-51T / 9-45T バランス型・衝撃復帰機能 SGS:1035.5g / GS:995.5g
Deore M6200 フルワイヤレス Di2 スチール系・堅牢設計 10-51T 導入向け・価格重視・衝撃復帰機能

アップグレードキットで体験を広げよう

今のバイクをDi2にしたいという声に応え、Shimanoは各グレードでアップグレードキットを用意しています。特にDeore M6200用キット(RD-M6250+SW-M6250)は税込み90,000円強と手頃で、M6100系パーツと互換性もあり導入しやすい構成です。

Deore XTやXTR用も、E-TUBE構成部品を組み合わせることで柔軟なアップグレードが可能。Di2導入のためにバイクを買い換える必要はありません。
自分のライディングスタイルに合わせた導入がしやすく、既存パーツの資産を活かしながら変速性能を大幅にアップグレードできるのは、非常に大きな魅力です。


どれを選ぶ?ライダー別おすすめ

  • ① XC・エンデューロレースに挑む方:
    XTR M9200:精度・軽さ・耐久性のすべてを兼ね備えたトップグレード。
  • ② グラベル・XC・週末ライドを広く楽しみたい方:
    Deore XT M8200:性能と価格のバランスが秀逸。9-45Tカセットでクロスレシオ&軽量化も。
  • ③ これからMTBを始める or e-MTBユーザー:
    Deore M6200:価格も魅力的で、e-MTBとの相性も良い。
  • ④ 既存12速バイクからの電動化を考えている方:
    Deore M6200 アップグレードキット:最小限のコストでDi2を手に入れられる賢い選択肢。

まとめ:Di2でMTBはもっと自由になる

XTR、Deore XT、Deoreの3ライン構成によって、ついにShimanoのDi2はすべてのMTBライダーにとって現実的な選択肢となりました。フルワイヤレス構造が配線の煩わしさから解放し、整備性・美しさ・操作性すべてがワンランクアップ。

もし今、変速にストレスを感じていたり、バイクのアップグレードを検討しているなら、Di2は間違いなく試す価値があります。まずは一度、店頭でその滑らかさと静かさを体感してみてください!