せっかくマウンテンバイクライドを楽しもうとしているのに、車体に標準で付属しているフラットペダルと普通のスニーカーやトレッキングシューズで出掛けるのでは、ライドを100%楽しめません。相性が最悪だと滑りやすく危険でもあります。こちらではダートを思いっきり楽しむためのフラットペダルとシューズの相性の重要性とフラットペダル選びのポイント、おすすめペダルをご紹介します。
おすすめフラットペダル
全て見るフラットペダルとシューズの相性がライディングを左右する!
初心者マウンテンバイカーのほとんどが重視していないけれども、サドルの高さやブレーキレバーのセッティングと同じくらい重要なこと。それが、バイクと身体のもう1つの接点である足の裏(シューズ)とフラットペダルとの相性です。
きっと、標準でついてくるペダルに、普段履いているスニーカーやランニングシューズ、トレッキングシューズ等をあわせればOKと思っている方も大勢いらっしゃることでしょう。でも、それで楽しめるのはせいぜいオンロードのポタリング程度まで。なぜなら、フラットペダルとシューズの相性で、オフロードでのバイクのコントロール性と安全性が大きく違ってくるからです。
滑って踏み外してしまうようなペダルとシューズではマウンテンバイクは楽しめないんです!
フラペとシューズの相性が大事
プロライダーにも存在するフラットペダル派
下り系やトライアル系のプロライダーの中にはビンディングペダルではなくフラットペダルを使用している選手も多くいます。そういった憧れの選手たちが開発に参加しているフラットペダルもあるくらいです。兎にも角にも、ダートでのバイクコントロールを機材ストレスなく楽しみたいのであれば、フラットペダルとシューズの相性はかなりこだわるべきアイテムです。
フラペとシューズの相性が大事
ソールの食い付きがとても重要です!
フラットペダルとシューズの相性を重視しなければならない理由として真っ先にあげられるのが、ペダルとシューズを介して駆動力を伝達する接点だからということ。しかしそれよりも重要なのが、サドルから腰を浮かし体全体をショックアブソーバーのように機能させながら、両足で否応なしに迫ってくる振動や衝撃に耐えなければならないということ。またそれに加え、足をバイクに押し付けて、ブレーキング時やコーナリング時のバイクの挙動やトラクションをコントロールしなければならないことです。
腰をサドルから浮かせたまんまバイクをコントロールしたいのに、ペダルから足が脱落してしまってはもはや手しかバイクと接していないことになり大変危険。片足をペダルから離すことはライディングスタイルによっては頻繁に行ったりする場合もありますが、両足を外すことはありません、その時点でアンコントローラブル、落車寸前です。当然すぐにサドルに腰掛けることにはなりますが、ペダルから足が離れた状態でサドルに腰掛けて走行すると、お尻と腰で衝撃や振動を吸収しなければなりません。これ、骨格上なかなか至難の技です。すぐにペダルに足を戻しスタンディングの姿勢に入らないと、サドルから体が跳ねあげられて吹っ飛ぶのがオチです。
フラットペダルとシューズの相性が抜群だと、どんな悪路でもバイクが一体化して足から離れる気がしないくらい安定して踏んで(立って)いられます。ペダリング時だけでなく、ブレーキング時、コーナリング時、ちょっとだけジャンプするような時にも安心してバイクコントロールに集中できます。ペダル選びとシューズ選びを軽視してはならんのです。
フラペとシューズの相性が大事
相性が悪いとホント最悪です...
ペダルとシューズの相性が最悪だと、しっかりペダリングしなければならないような上り坂で足がペダルの上で滑ってしまいます。するとペダルを踏む位置が安定しなくなります。少しずれるだけで力のかかり方は変わってしまいますし、ペダルを踏み外し滑ってしまうのが怖くなり全身が緊張状態になり、全然バイクをコントロールできなくなります。
下りで腰を浮かせて必死にバイクをコントロールしている時に、急にペダルの上で足が滑って踏み外したりしたら、ホント恐怖です。全然乗れている気がしないから残念です。
最悪な相性のものは、玄関先でちょっと乗るだけでわかります。なので、いますぐライドに出かける予定ならばすぐに別のシューズでもう一度試し乗りをしてみた方が良いでしょう。完成車に標準装備されているピンがないプラスチック系のペダルは、ソールがとっても柔らかくて平らなシューズならなんとか林道サイクリング程度なら楽しむことができます。ゴツゴツした硬めのソールがついたトレッキングシューズのようなタイプですととても滑りやすく、ペダリング時に足の位置が安定しそうにないのでかなり不安です。
フラペとシューズの相性が大事
足を滑らすようなペダルは楽しくない!
パークライドやトレイルライドに初挑戦するのであれば、ピンがしっかりしたフラットペダルに付け替えることで随分と改善されます。まずはペダルだけでも本格仕様のタイプに交換しておくようにしましょう。
また、登山道的なトレイルに行くからと言ってトレッキングシューズで行くのはあまりおすすめはしません。その靴で歩く頻度よりも、ペダルに足を乗っけている時間の方が多いからです。トレッキングシューズの役割はタイヤにさせましょう。フラットペダル用のMTBシューズもボントレガーやクランクブラザーズ(私も愛用しています)、GIROなどから発売されていますので、そちらがおすすめです。
いざライドに出かけたときに、相性の悪さを目の当たりにするとそれだけでテンションが下がりまったくライドを楽しめません。マウンテンバイクライディングをフラットペダルで楽しみたいのであれば、標準で装備されているような心許ないペダルではなく、別売りの格段にマシなフラットペダル、それに専用のシューズも購入するのがおすすめです。
どんなフラットペダルがいいのか?
別売りのフラットペダルを購入するにしても一体どんなペダルを購入すれば良いのか?こちらでは特に注目すべき点をご紹介します。
どんなフラットペダルがいいのか?
まずはピンの長さに注目
ペダル表面に金属製のピンをねじ込んであるフラットペダルが絶対条件です。金属製でも一体で形作られているようなタイプはピンが心許ないし、滑りやすい塗装で覆われているので、あまりおすすめしません。また、ピンの長さを調整できるタイプもありますし、モデルによってピンの本数やついている場所も違ったりしますので、そこら辺も吟味しつつ選ぶと良いでしょう。トレイルやダウンヒルパークでのライドを思いっきり楽しみたいのであれば、長めのピンが食いつきがよく安心です。
ただ、踏み外してピンがスネに刺さったりして痛い思いをすることもありますので、地肌剥き出しは避けたり、プロテクターの着用をおすすめします。軽量で体の動きにフィットするペダリング重視のタイプから、かなり安心感のある保護性能を重視したタイプのものまで色々あります。お気軽にご相談ください。
ピンの他にフラットペダル選びで重要なことに、ペダル軸から踏み面までの距離、踏み面の大きさ、踏み面の湾曲具合があります。
どんなフラットペダルがいいのか?
ペダル軸中心から踏み面までの距離もかなり大事
踏み面の面積が同じなら、ペダル軸から踏み面の距離が近い方がダイレクトに立てるので、コントロール性が高いと言えます。軸から踏み面が遠いと、竹馬や下駄で立っているようなイメージになり、安定感が劣ります。
リアホイールリフトは踏み面が軸に近い薄いペダルの方がやりやすいですし、急ブレーキで前方から靴底が見えるくらい踏ん張る動作も軸に近い方が安定します。トレイルやパークでのライドをお考えであれば、最初から踏み面がペダル軸に近いペダルを選びましょう。
どんなフラットペダルがいいのか?
踏み面の細かな違いは難しく考えず見た目の好みで選んでOK
フラットペダルは文字通り踏み面がフラットなタイプが多いですが、ピン以外にもシューズが滑りにくいようにする加工が施されているタイプや、写真のペダルのように中心の軸部分より前後のケージ部分の方が高くなっているタイプもあります。シューズがとても食いつきやすいので、好んで使う方も多いです。
シューズがペダルに食いつき、足とバイクが一体になっているような感覚を味わえた時は、自分が上手にバイクに乗れている気分になりライドがとても楽しくなるに違いありません。
余談ですが、スポーツ自転車の経験が浅くペダル軸を母指球でペダリングするという感覚がピンとこない方や、ペダル軸の前側を踏むやペダル軸を土踏まず下に置くなどの感覚がまだピンとこない方の場合は、薄いペダルだけれどもあえてペダル軸部分が若干盛り上がっているタイプのクランクブラザーズのスタンプ1ペダルがおすすめです。軽くカラーバリエーションも豊富でファーストフラットペダルとしてとても人気です。
どんなフラットペダルがいいのか?
踏み面の大きさに注目
踏み面の広さもバイクコントロールに影響します。足が大きい場合は広めのペダルが良いでしょう。ただ、最近のマウンテンバイクはBBが低めに設計されているのが多いので、ペダルが大きくなればなっただけ、車体を倒し込んだ時に路面に引っ掛ける確率は上がります。ハイエンドフラットペダルは地面に擦りにくいように前方下側を斜めにカットしたデザインを採用しているものがほとんどですが、踏み面が大きい分、シングルトラックではトレイルサイドに出ている木の根や岩などにヒットしやすくもなりますので、一概に広いものが良いとは言い切れません。
私は足が大きめなんですが、ツーリング的な用途でマウンテンバイクを使うのであれば広め、整備されたパークでのライドが中心ならばまあ広めでもいいかな、トレイルでのライドが中心ならば大きくない普通の、という感覚で私はイメージしています。クランクブラザーズのスタンプシリーズは2サイズ展開があるので踏み面の大きなペダルをお探しの方にはおすすめです。
フラットペダルの良いところ
狙いによって足の位置を変えられるのもフラットペダルの良いところ
左写真のようにペダル軸を母指球で踏むのがペダリングの基本ですが、トレイルライドではペダル軸を踏むという感覚よりもどちらかというとペダル軸の前面を母指球の後ろ側で踏むくらいの位置関係の方が、ペダリングパワーを瞬時に出しやすかったり、ペダルに立ちやすかったり、後輪を意図的にすくい上げやすかったりします。
写真右のようにコーナリング中や急減速したい時など、タイヤにしっかりとトラクションを掛けたい場合は、足裏の真ん中(土踏まずあたり)にペダル軸が位置するように乗るのもおすすめです。その方が、つま先を上げ踵を落とすというトラクションを高める動作に安定感がうまれるます。(ただ踵を落とすだけなら爪先でペダルを踏んだ方がやりやすいですが前後の動作のスムーズさやばたつくバイクをしっかりと踏んで押さえることを考えるとおすすめしません)ぜひやってみてください。
ビンディングペダルと違い、バイクコントロールの狙いによって踏む場所を変えることができるのが、フラットペダルの良いところです。