六角レンチの選び方6つのポイントとおすすめ六角レンチのご紹介
六角レンチとは?
六角穴付きボルトをまわす工具
六角レンチは六角棒レンチ。ヘキサゴンレンチ・ヘックスレンチと呼ぶこともあります。六角レンチとは、先端が六角形になっている工具です。このような六角穴付きボルトや六角穴付き止めねじを締め付けたり緩めたりするのに使用します。せっかくなので、あまり知られていない六角穴付きボルトのメリットもご紹介します。六角穴付きボルトのメリット
六角穴付きボルトの頭は、プラスマイナスのネジやスパナでまわす角ばったネジとは違い、角ばった部分がなく服や皮膚などが引っかかりにくい丸みを帯びた安全な形状なのが特徴です。また、押し込む方向にかなり力を加えながら回さなければならないプラスマイナスネジとは違い、回転方向に力を加えるだけで良い(厳密にはベクトル方向にも力は入れますが)頭を傷めにくいネジでもあり、様々な場所に採用されています。 自転車にも六角穴付きボルトはかなり使用されており一番使う工具でもありますので、自分の自転車の調整やパーツ交換などをやってみたいと思ったら真っ先に揃えましょう。自転車によく使われている六角レンチのサイズ
自転車では主に2mm〜10mmの六角レンチを使用します。 ステム、ハンドル、サドル、ブレーキや変速機の固定には5mmまたは4mm、ペダルやクランクなど太めのボルトには8mmや6mmが比較的多く使われています。その他イモネジなどの小さめのネジには1.5mm、2mm、3mm、2.5mmが使われています。10mm以上のものだとハブのフリーボディ固定部分やクランクなどで使われています。六角レンチ選び方 6つのポイント
①どうせ買うなら最初から一流品
たまにしか使わないから安いものでいいという考え方もありますが、せっかく買った高価な自転車をいじる工具なので、すぐに先端が変形してしまったりネジ穴を変形させてしまったりするような低品質のモノは避け、精度・耐久性・使いやすさで信頼できる工具を使って、なるべくネジやパーツを傷めないように作業したいですね。②最初に揃えるならL字型のセット
六角レンチには、L字型のタイプやドライバー型のタイプ、T字型、Y字型、ラチェットレンチで使用するソケットタイプなど、様々なタイプが販売されていますが、最初に揃えるならL字型のセットがコスパ的にも最もおすすめです。 セットで購入するのであれば10mmまでの太さのセットで、2.5mmや1.5mmも含まれる9本セットのタイプを購入しておけばまず不足はないでしょう。L字型六角レンチを選ぶ際のポイント等について詳しくご紹介していきます。③サイズごとに色が違うのがおすすめ
PB SWISS ツールのレインボーシリーズが特に有名ですが、サイズによって一本一本カラーが違うタイプが最近の流行りです。ホルダーにまとめておくと可愛らしい雰囲気になるのでデザイン的に選ばれることも多いですが、間違って違うサイズを手に取ってしまったりすることを防ぐことができるのでとても便利です。 一流メーカーは、その塗装部分の剥がれにくさにも工夫をこらしています。④表面処理の違いに注目
材質としてはクロムバナジウム鋼やクロムモリブデン鋼を熱処理したものが一般的で、黒染め(表面を強制的に酸化させて錆びにくくする処理)や表面硬度を高めるため硬質クロムメッキなどが施されているものが多いです。黒くザラザラしたものが黒染め、銀色に輝いているものがメッキと思ってまず問題ないでしょう。 メッキ処理が施されたモノも黒染めのモノも両方長年使ったことがありますので、参考まで両方の個人的な感想を書きます。品質のよい工具メーカーの製品であれば難しいことは考えず見た目の好みで全然いいと思います。大きく二種類の表面処理がありそれぞれメリットデメリットがある程度で問題ありません(笑メッキタイプの六角レンチ
黒染めタイプの六角レンチ
⑤長さこそが最も重要なポイント
L型六角レンチには様々な長さが流通しています。L字の普段握る側『長い柄の方の長さ』は使い勝手にとても影響しますので、六角レンチ選びでいい加減に選んではいけない重要なポイントです。 バイクプラスでは、頻繁に使う5mmや4mmで握りやすく力を入れやすい長さで邪魔になりにくい短さというサイズ感を重視し、8mmや10mmといった強いトルクが必要なサイズでは長いものを使うようにしています。 セット販売のモノの多くはショートなタイプとロングなタイプ、ボールポイント付きのタイプとそうでないタイプの複数種類販売されています。 それぞれ使ってきた感想としては、ショートタイプは収納の場所を取らないコンパクトさこそありますが、トルクが必要になってくる5mm以上のサイズになってくると小さくて力を入れにくい印象があります。規定トルクまでトルクをかけるのに多くの力が必要になる計算になります。 ロングタイプは8mmや10mmといった太いサイズでは力を入れやすくて重宝するのですが、6mm以下のサイズだと長すぎて細かな部分での作業に不向きで使いにくい印象があります。頻繁に使う4mmと5mmのロングタイプは取り回しに小回りがきかないというか煩わしくて個人的にはあまり好きではありません。トルクを掛けすぎる可能性もあります。 個人的に趣味でも仕事でも様々なタイプの六角レンチを買い漁って使用してきて30年、頻繁に使う5mmや4mmでは12〜10cm程度の長さが持ちやすく使いやすく、8mmで16〜17cm程度、10mmで18〜19mm程度以上の長さがトルクを掛けやすくて使いやすいと感じています。⑥ボールポイントの性能の違いにも注目
長い方はこのようなボールポイントになっているタイプがおすすめです。 ボールポイントは、ボルト軸に対し工具を真っ直ぐに当てなくてもネジをくるくると回すことができるので緩んでいるネジを素早く回すのに適しています。ボールポイントを使う場合は両手で持って回転させると作業スピードがアップします。 25°、30°、38°など、どれだけ工具を寝かしてもネジを回すことができるのかメーカーによって設計に違いがありますので、工具選びのポイントの一つになります。おすすめ六角レンチ
イチオシの六角レンチ
色々と使ってきた結果、個人的にイチオシなのがこちらのVESSEL(ベッセル)の六角レンチセット!
ベッセル(VESSEL) レインボールL型レンチ 9本組 No.8909BP
その理由はこちら。
- 黒染めである
- 4mmと5mmの長さがとにかくちょうど良い!
- 8mmと10mmが長くて力を入れやすい
- ボールポイントの傾き角が大きい
- 一本一本異なるカラーに塗装されて見やすい
- ただの六角形ではない!ネジ穴を変形させにくい特殊な先端形状(ウルトラヘックス)
- 着磁と脱磁ができるマグネタイザーが付属している
こちらの六角レンチもおすすめ
その他のおすすめ六角レンチもあわせてご紹介します。一流メーカーの六角レンチは高価といっても数千円から高くても1万円くらいで手に入りますので、最初に工具を買うときにしっかりといいモノを選ぶことをおすすめします。リーズナブルだけどすごいメーカー
ボンダス
世界で初めてボールポイント六角を開発したアメリカのメーカー。NASAからの依頼で作られた特殊なレンチはなんと国際宇宙ステーションで使われたことがある!BONDHUS(ボンダス) ボールポイント付六角レンチセット9本組 ミリタイプ BLX9M
ボンダス 六角レンチセット ボールポイント・L-レンチ ゴールドガード BLX9MG なし
日本ブランドの六角レンチ
エイト
国産で六角レンチと言えばエイト!!ということで、バイクプラススタッフの間でもユーザーが多いブランドです。EIGHT スーパーボールポイント7本組 増し締め用パイプ付き セミロングタイプ TMS-7DP
KTC
1950年創業の国内の総合工具メーカーKTC。カラー部分は樹脂製でやや太く握りやすい。自転車関連にも近年力を入れていてペダルレンチはとても優秀。その他の人気六角レンチ
WERA
1936年創業のドイツのドライバー専門メーカー。丸棒をL字に曲げ先端を六角に削り出したこのタイプは細いサイズでもしなり難いのが特徴。Wera(ヴェラ) 950SPKL/9SMN マルチカラーヘックスキーセット 073593
PB SWISS
1878年創業のスイスの老舗工具メーカー。ドライバーを中心に1200種類もの工具を作る。当店スタッフには最も人気。ロングタイプ。PBピービー ボール付ロングレインボーレンチセットパックナシ 212LH-10RB