寒い時期も快適に!秋冬長袖サイクリングウェア着こなし術

2024年11月2日by 西村大助
近鉄旧東青山駅のホームにて

皆様こんにちは!テツ店長こと多摩店の河井です。

暑すぎた夏も終わり、ようやく涼しくなってきた今日この頃。

これから一気に冬に向かいますが、寒いから自転車に乗らないというのはホントもったいない(>_<)

防寒対策さえすれば、じつは暑い時期よりむしろ気持ち良く走れるのに…

そこで今回は!

冬でもサイクリングを快適に楽しもう!

満開の曽我梅林をサイクリング

というテーマで寒い時期に対応した、秋冬用長袖サイクルウェアの使い方ご紹介してゆきましょう。

そもそも自転車用ウェアに求められる機能とは?

まず自転車専用ウェアが存在する意義ってなんだろう?という命題から考えてみましょう。

その求められる最大の機能は、ひとことで言うと「体温を一定に保つこと」になります。

要すれば、夏暑ければ涼しく、冬寒ければ温かくということですね!

 サイクルウェアに求められる機能って?

いわゆる春夏用の半袖ジャージは、基本暑い時期に対応することを目的につくられているので、通気性の良い生地で空気を通して体を冷やし、いちはやく汗を吸い上げて乾燥させる機能が求められています。

生地は薄目で通気性を重視して細かい穴を設けています。これはジャージ表面に直接空気を当てて内部に熱がこもるのをふせぐ空冷効果と、かいた汗を外に吸い出して気化熱を奪う冷却効果が期待できます。

こちらは基本涼しく乗るための機能に特化しているので、寒くなってくると余計に寒く感じるというパラドックスに陥るワケです…

 季節(気温)に合わせたジャージ選び

そこで登場するのが秋冬用長袖ジャージ!前提として寒い時期に着るウェアなので、まずは防寒性を備えていなければなりません。

とはいえ寒い時期と言っても気温に幅(0℃~20℃くらい)があるので、すべてに対応するには1枚ではちょっとキビしい…

ここはやはり秋冬用、真冬用2種類のジャージは欲しいところです(関東地方程度の気温なら)

そこでまずは寒い季節に必要な2種類のジャージをそれぞれ見てゆきましょう。

秋から冬のはじめにかけては【10℃~20℃くらい】

まずは紹介するのはサーマルジャージと呼ばれる、保温性の高い長袖ジャージ。

着用しているのは、『Rapha Core Thermal Long Sleeve(ラファ コア サーマル ロングスリーブ)サイクリング ジャージ

Thermal(サーマル)とは『温かい』といった意味ですが、これは目が詰まった生地で冷気の侵入を防ぎ、裏面の起毛した生地で空気の層を作って保温性を高めているウェア全般で使われています。

厚みのあるポリエステル製生地は通気性もあるので、体から放出される汗と熱は外に逃がしつつ、適度に外気を遮断してくれるのでジャージ内部を適温に保ってくれるというワケです。

Rapha Brevet Long Sleeveメンズジャージ

ここでもうひとつおすすめなのが、素材違いのサーマルジャージ!!

Rapha Brevet Long Sleeve(ラファ ブルべ ロングスリーブ)メンズジャージ

こちらは生地素材に『メリノウール』を使用しています。

昨今人気のメリノウールは、繊維が細く伸縮性に富んだ『メリノ種』の羊毛を使ったものの呼称です。

天然素材とはいえ、繊維が細く肌触りが良いこと、本来ウールの持つ保温性に加えて、吸湿発熱性があるのでで汗冷えしにくく、消臭性まで兼ね備えるスーパー繊維ということで、にわかに注目の集まっている素材です。

じっさい袖を通してみると、ほどよい厚みがあって保温性も持ち合わせながら、柔らかく肌触りの良い着心地とあって、これは一日着ていたいと思わせる心地良さを備えていました♪♪

かく言うテツ店長、冬場は毎日メリノウールのアンダーウェアを使用するほどの信者で、これを冬のサイクリングで使用するのは間違いなくおすすめです❤

真冬の寒さを乗り切るには【0℃~10℃くらい】

Rapha Core Winter Cycling Jacket(ラファ コア ウィンター サイクリング ジャケット)サイドから度

一見、先に登場したサーマルジャージと違いが無いように見えて分かりずらいのですが、こちらは生地の防寒性がもう一段アップされた仕様となっています。

Rapha Core Winter(ラファ コア ウインター)サイクリングジャケット

どこが大きく違うのかというと、前面パネルと袖部分の生地に防風用フィルムがラミネートしてあり、冷気が内側まで浸透しないよう強化されてます。

結局、寒く感じるというのは、体から発する熱 < 外部から侵入する冷気、の場合に起こるものなので、ここでは前面の防風フィルムによって冷気を遮断することで、ジャケット内部の保温を図っているのです。

このタイプは一般的に『ソフトシェルジャケット』と呼ばれることもあるので、おぼえておくと良いでしょう。

Rapha Core Winter Cycling Jacket(ラファ コア ウィンター サイクリング ジャケット)背面

ちょっと画像だとわかりづらいですが、背中と袖で色が違うのが分かると思います。

これが素材の違いで、艶のある袖部分は防風フィルムをラミネートした素材、背中部分は防風フィルムを省いて通気性を備えた素材を用いています。

全身防風仕様だと内部に熱がこもってしまうので、前面は風(冷気)を受け止め、背面は体から発する熱(汗)を排出する仕様となっています。

基本サイクリング中は体から熱を排出し続けているので、冷気さえ遮断できれば体が冷えるということは無く、走っている限りはそうそう寒く感じることはありません。

ちなみにジャケットとジャージの違いですが、ジャケットは『上着』の意味で、ジャージとはそもそもは素材のことを言っていたものが、今では伸縮性のあるスポーツウェア全般で用いられているので、厳密な分類は無さそうです。

秋冬用サイクルウェアでは、ジャージ=保温/通気ジャケット=保温/通気/防風といった区分で考えておけば間違いないかと思います。

レイヤリング(重ね着)で温度調整

自転車に乗るうえでウェア選びがむずかしいのは、サイクリングという運動中に着るものだからなんですよね。

朝と昼とでは10℃以上気温差があるのも当たり前ですし、サイクリング中には上り坂もあれば下り坂もある!

自転車を漕いでいるだけで軽く汗をかきますが、上りで運動量がふえればもっと汗をかくし、こんど下りに入ると一気に体温を奪われるという、体をちょうど良い温度に保つのがけっこう難しい(>_<)

のぞましいのは、冷気で体が冷やされるのと、運動で体温が上昇するのが均衡した状態をつねに維持したいのですが…

そうなると、想定される気温に応じたウェアのチョイスや、状況に応じて着たり脱いだりすることで、積極的に温度変化に対応させる必要がでてくるワケですね!

ということで、次はレイヤード(重ね着)の基本について解説してゆきましょう。

インナーレイヤー

長袖アンダーウェア

いわゆる『アンダーウェア』というヤツで、各社から数多くの種類が出ていますが、自転車用に求められる機能として、まずは透湿速乾性の高いことが必須となります。

中でもポリエステルポリプロピレンといった素材は透湿速乾性が抜群に高いので、運動量が多く発汗量も多い方にはこちらを!

もう少しのんびり走る派の方には、さきほども出てきたメリノウールの長袖アンダーウェアも暖かく着心地が良いのでおすすめです。

またどちらも生地の厚みに種類があって、L.W(ライトウェイト)M.W(ミドルウェイト)といった表記がされているので、使用する温度帯に合わせて使い分けると良いでしょう。

ただしアンダーウェアは暑くても脱ぐ訳にはいかないので、選ぶ際は暑くなりすぎないように、心持ち薄めを選ぶ事をおすすめします!

補足ですが、みなさんご存じの『ヒートテック』は透湿速乾性に欠けるため、スポーツ用アンダーウェアとしては向いていません。一部発熱素材で透湿速乾性を兼ね備えたものも存在するので、購入の際はよく確認するようにしましょう。

ミドルレイヤー

 

詳細はさきほど紹介しましたが、その日の温度帯によってサーマルジャージソフトシェルジャケットを選びます。 

選ぶ際は、着用中に暑くならないか?を基準にしてください。その日の最高気温を目安にすると良いでしょう。

着ているウェアが暑いと不快なことこの上なく、そのうえ体にダメージも与えます。さらにこちらも途中で脱ぐわけにはいかないので慎重に選んでください。

場合によっては半袖ジャージ+アームウォーマーの方が温度調整しやすく最適なこともありますので、柔軟に対応するようにしてください。

 アウターレイヤー

ウインドブレーカー

防寒性をアップする最後の砦がアウターレイヤーです。

ここで着用するのが、いわゆる『ウインドブレーカー』と呼ばれるもので、サイクリング用のものは、ほとんどが薄いナイロン生地で作られています。

せっかくだったら、もっとしっかりした生地のモノの方が暖かいんじゃないの?…とも考えられますが、そうはいかない大きな問題が…

サイクルジャージの背面ポケット

暑くなって脱いだらただの邪魔者!!

ということで、ウインドブレーカーには携帯性が求められるワケで、脱いだらジャージの背面ポケットに仕舞えるサイズ感が必須なのですね。

ちなみにコンパクトで防寒性の高いものとしては、レインウェアとしても使用できる防水コーティングされたジャケットが優秀なのでおすすめです!

【上の画像で着ているのは】mont-bell U.L サイクルレインジャケット】

通常のナイロンと比べて、防水コーティングされている分だけ防風性が高く、冷気もより防いでくれるので暖かく感じます。

雨でも風でも体を守ってくれるので、1枚持っておいて損はありませんよ♥

まとめ

東急8500系の運転台でゴキゲンなテツ店長

インナー/ミドル/アウターの3層で構成される秋冬用のウェア、この3つの組み合わせをしっかり揃えることで、寒い時期のサイクリングも快適に乗り切ることができるでしょう!

気温に合わせたウェアがコーディネートができれば、冬のサイクリングは俄然楽しいものになってきます!

汗だらだらにもならないし、防寒と運動のバランスさえとれていれば、ずーっと気持ち良くペダルを回し続けることができるのも気持ち良い…

個人的には冬晴れのサイクリングロードを無心に走るの好きで、冷たくて澄んだ空気が体に入ってゆく瞬間に幸せを感じるんですよね❤

それではみなさん、長袖サイクルウェアを上手にレイヤリングして冬のサイクリング存分に楽しんでください!

チャオ♪♪