正しいヘルメットの被り方!

2024年4月1日by 所沢バイクプラス

ヘルメット着用が努力義務化されてからヘルメットを被っている方がとても増えましたね。

しかしながら、正しく被れていない方も多く見受けられます。中には後ろ前に被っている方も。

今回は『正しいヘルメットの被り方』と『間違ったヘルメットの被り方』を取り上げていこうと思います。

今までヘルメットを被っていた方は、正しく被れているかのおさらいを、これからヘルメットを被ろうと考えている方は今後のために、ぜひ参考になさってください!

ヘルメットの正しい被り方

それでは本題の正しいヘルメットのかぶり方をお伝えします!ヘルメットをただ被るだけでは性能を活かしきれません。手順を追って説明していきますので1つ1つを確認してみて下さい。

  1. ヘルメットに凹みや傷が無いか確認します
    ヘルメットは衝撃がかかると凹みや傷がつきます。一度衝撃がかかったヘルメットは衝撃吸収能力が低下し、安全に関わってきます。外傷がある場合には新しいヘルメットに買い替えましょう。
    ヘルメットにヒビがある
    "ヒビの入ったヘルメット"
    ヘルメットに凹みがある
    "中央に凹みがあるヘルメット"
  2. フィットアジャスターのダイヤルを緩めます
    ダイヤルが締まった状態だと被りにくいばかりか、ダイヤルの爪が破損してしまう恐れがあります。必ず緩めてからヘルメットを被りましょう。

    ヘルメットのフィットアジャスターのダイヤルを緩めている
    "ダイアルを反時計回りに回し緩める"

  3. ヘルメットの被りを正しい位置に調整します
    ヘルメット前側の縁を眉の少し上に合わせて位置調整をしましょう。ヘルメットの被り位置が正しくないと、保護すべき範囲が適切に覆われずヘルメットを被る意味が薄れてしまいます。また、穴の向きが想定された方向を向かないので通気性が悪くなってしまうこともあります。

    ヘルメットの被って、位置を調整している
    "眉上ぐらいにヘルメットの縁を調節"

  4. フィットアジャスターを適度に締め付けます
    適度に締め付けるのが重要です。緩すぎると頭を振った際や衝撃がかかった際にずれてしまい、ヘルメットを被る意味がありません。逆に締め付けすぎると血行が悪くなり、頭が痛くなったりします。朝イチは気合が入って締め過ぎになりがちなので、走行中にも微調整しやすいダイヤル式アジャスター付きのヘルメットがオススメです。
    髪を束ねる場合は、位置が高すぎると被れなくなりますし、低くてもフィットアジャスターと干渉してしまいます。一本にまとめた後ろ髪を帽体とフィットアジャスターの間から出すのがオススメです。
    フィットアジャスターのダイヤルを締めている
    "適度な締め付けになるようダイヤルを回し締める"

  5. 耳ひもに "たるみ" が出ないよう、スライダー(耳バックル)を調整
    耳ひもが耳にかからないようにスライダーの位置を調整します。耳の前後を通るストラップにたるみがあると、いざと言う時にヘルメットがズレやすくなるので、スライダーを耳たぶ付け根の真下付近にくる位置に合わせた時に前後のストラップがたるまないようにそれぞれを引き込みましょう。
    ストラップの厚みによっては調整しにくい部分ですが、一度決めればほぼ再調整は必要ないので、根気よく合わせましょう。しなやかな薄手のテープ紐をストラップに採用したヘルメットなら調整もしやすいですし、耳ひもの調整が不要(固定)なモデルもあります。
    耳ひものバックルを調整"耳にひもがかからないよう調整"

  6. 顎ひものバックルを固定し、顎ひもの長さを調整
    頭への位置決めはフィットアジャスターで行いますが、いざと言う時に脱げないようにするためにはストラップ(顎ひも)が欠かせません。大きな衝撃がかかるとフィットアジャスターの固定だけでは不十分で、顎ひもがヘルメットの脱落を防止します。
    顎ひもの長さは乗車姿勢をとった際に、食い込まず、苦しくない程度に締め込まれているのが適切な長さで、立った姿勢では首と顎ひもの間に指2本分ほどの隙間ができるように調整するとちょうど良くなることが多いです(首の太さや乗車姿勢によっても変わるのであくまでも目安)。顎ひもと顎の間に指を2本分いれている"指2本分の隙間を目安に顎ひもを調整"

  7. 帽体を掴んで前後左右に動かし、ヘルメットがずれないか確認
    ヘルメットがずれてしまう場合は、フィットアジャスター、ストラップ類の調整を再確認してください。
    髪が長い場合や、長い髪をゆるく束ねている状態ではヘルメットがズレやすくなりがちです。そのような時は、前髪を上げてヘルメットの一部におでこが直に触れるようにすると、ずれにくくなります。そうでなくても、視界不良になったりするので、前髪はヘルメットから出さない方が安全です。ヘルメットをつかんで前後左右に動かす"前後左右にヘルメットが動かないか確認"

被り方NG集

  • 被りが浅い
    被りが浅い場合は、衝撃が掛かった際にズレ外れる可能性が高くなり、危険です。また、おでこや鼻をぶつけるリスクが高くなってしまいます(鼻を守る効果は元々ないんですけど)。
  • ヘルメットの被りが浅い
    "ヘルメットの被りが浅い"

  • 被りが深い
    眉が隠れているような深い被り方は、視界が狭くなり、安全走行に支障をきたします。また、衝撃が掛かった際にズレる可能性が高くなります。
    ヘルメットの被りが深い
    "ヘルメットの被りが深すぎる"

  • 顎紐が緩い
    大きな衝撃がかかった際にヘルメットが外れてしまい、危険です。

    顎ひもと顎の間に拳が入っている
    "顎ひもが緩すぎる"

  • 大きく動く
    ヘルメットの固定が弱く、頭を振った際などにヘルメットがずれてしまい、危険です。
    頭を振った勢いでヘルメットがずれる
    "頭を振った勢いでヘルメットがずれる"

  • 前後逆
    不思議とフィット感は悪くないこともありますが、見た目は悪く、「分かってない感」丸出しになってしまうので絶対やめましょう。恥ずかしいだけならまだしも、メーカーが想定している衝撃の向きや性質が異るので、安全性も損なわれます。
    ヘルメットを前後逆に被っている

"安全性が著しく低下する為、危険です"

ヘルメットを選ぶ上で、フィット感は大切!

正しくヘルメットを被るにはヘルメットのフィット感も大切です。適切にフィットしていることで、頭に対する衝撃の加わり方やヘルメットの外れにくさにも違いが出てきます。新しいヘルメット購入する際には、正しいフィット感が得られるかもチェックしてください。それでは正しいフィット感が得られているかのポイントをご紹介します。

形状・サイズ

まず大切なのが帽体の形状です。最近では同じモデルでも『グローバルフィット』や『アジアンフィット』、グローバルフィットとアジアンフィットの中間の『ユニバーサルフィット(ワールドフィット)』があり、頭のサイズとは別に形状(特に前後の長さと横幅の比率)の違いがあります。同じサイズでも形状に違いがあるのでフィット感が全然異なりますので、頭の形がどのフィットに合うか確認が必要です。フィットが合わないからと言ってサイズで調整するのはあまり良い対応方法ではありません。意外と気にせず購入されている場合も多いので、意識した方がいいポイントです。

アジアンフィットとグローバルフィットのヘルメットが並んでいる

"縦横比の違いがフィット感の差を大きく分ける"

どのフィットが合うかを確認するには自身の頭囲を測ったうえで、ヘルメットを被るとすぐにわかります。いわゆる日本人的な頭の方がグローバルフィットを被ると前後方向には余裕があり、左右方向にはキツい、または入らないとった状況になりやすいので、そうした場合にはアジアンフィットが最適です。逆に欧米人的なの頭型の方がアジアンフィットを被ると前後方向にキツく、左右方向に余裕がある場合が多いです。

ヘルメットのアジャスターを最大限に緩めた状態で被り、帽体がどのように頭に当たるかで判断すると分かりやすいです。また帽体を掴んで、前後左右に揺らし、頭との隙間を確認する方法もあります。参考として以下の写真をご覧ください。欧米人風の頭の形状をしているスタッフがアジアンフィットのヘルメット被ると大きくガタツキが出ます。

ヘルメットと顔の中心線が一緒

"ヘルメットと顔の中心線がただ被るだけでは一緒ですが"

ヘルメットと顔の中心線がずれている

"ヘルメットを左右に押すと中心線が大きくずれます"

アジャスター

ヘルメットを被る上で、よりフィット感を高めるのにも重要なのが各部のアジャスト機構です。買った状態のまま使用されている方も多いかと思いますが、アジャスト機構を利用することで、より高いフィットを生むことができます。またグレードの高いヘルメットになれば、よりアジャスト機構が増え、更に優れたフィット感を得ることができます。フィット感が高いことで、安全かつ、ストレスの少ないライドを楽しむことができます。

注意が必要なのは、フィットアジャスターの位置調整です。後頭部に接する部分は、低い位置にあるほど深く被っている感覚になるため安心感がありますが、実際にはそれ自体に衝撃吸収力があるわけではないので安全性は変わりません。むしろ、低く合わせると、乗車時には背屈する首に押されてヘルメットが前へズレてしまうこともあるので、主観的な被り心地だけを基準にせず、正しい被りの深さを客観的に見てもらうのが安心です。

アジャスターの高さ変更が出来る(〇内の穴)

"〇内の穴でアジャスターの高さが変更可能"

アジャスターの高さが左右で違う

"アジャスターの位置の違い"

最終チェックは自転車の上で!

フィット感が正しく得られている状態で自転車に乗り、しっかり視界が確保できているか、ヘルメットがズレたり浮き上がったりしないかも確認しましょう。

被り方チェックリスト

□ヘルメットのへこみや外傷の確認

□フィットアジャスターのダイヤルを緩める

□ヘルメットの被り位置の調整

□フィットアジャスターのダイヤルを締める

□耳ひもの位置を調整

□バックルをはめて、顎ひもの長さを調整

□頭を前後左右に振り、ヘルメットがずれないか確認

ぜひ店頭で試着を!

ヘルメットをお求めの際は、試着を強くオススメします。自転車用ヘルメットは内部のつくりが千差万別なため、頭囲寸法に適合するサイズでも頭の形に合わないということが多々あります。ヘルメットの頭への当たり方が悪いと大きなストレスになりますし、そのストレスを避けるために正しくない被り方をすれば安全性が著しく低下する、という悪循環に陥ることになります。
様々なメーカー・モデルがある中から、最適な一つを見つけ出すのは果てしなく、難しくもあるので、迷ったらぜひ経験豊富な店頭スタッフにご相談ください♪