ロードバイクで雨の日に走ったあとのお手入れ&メンテナンス

2017年6月2日by 戸田バイクプラス
雨のなかを好んで走るワケではないけれど、夕立やゲリラ豪雨など、サイクリング中に雨が降ってきてしまうこともあるはず。通勤や通学でスポーツバイクを使用している方はなおさらそんなシチュエーションに遭遇する可能性が高いです。 雨の日に走ると、雨と一緒に土砂が巻き上げられてフレームやパーツが汚れます。さらには、濡れたまま放置すると金属部分が錆びてしまいます。チェーンやギアまわりの汚れやサビは走行性能の低下やパーツの寿命を早めるなどいいことはありません。そうならないためにも雨の日の走行後のメンテナンスは大切です。 ということで雨天走行後にやって起きていお手入れ内容についてご紹介します。

雨天走行直後に必ずしたいお手入れ&メンテナンス

雨ライド後のお手入れ&メンテナンス①

水気をふき取る

水気をふきとる 乗車直後にまずは水気をふき取ることです。ウエスや着古したTシャツなど吸収が良くて、ワイヤーやギアの歯などパーツに絡まらない素材のものがベストです。フレーム、ホイール、パーツなどできるだけふき取っていきましょう。 細かい部分ですが、わりとサビやすいのが、ネジの頭部分。工具を差し込む場所の錆びが進行すると、うまく工具が入らなくなり、いざ外そうとしたときにネジをなめてしまうこともあり得ます。わりと錆びやすいなと感じるのが、ステムやヘッド周り、シートポスト固定ネジ、ブレーキまわりなど。できるだけ水がたまらないようにします。
リムの黒い汚れについて: 雨天走行すると真っ黒に汚れるリム。完全に乾いてから拭き取ろうとするとなかなかのシツコさですが、帰宅直後濡れているうちに拭き取ると意外とあっさり綺麗になります。濡れているうちに拭き取ってしまえばタイヤのゴムを傷めやすいパーツクリーナーを使う必要もなくとても経済的です。

雨ライド後のお手入れ&メンテナンス②

ブレーキまわりをチェックする

雨の日は、道路の砂塵が水と一緒に巻き上げられて、ブレーキシューやホイールのリム部分に付着します。砂などがブレーキシューとリムの間にあると、その分お互いが余分に削れていってしまいます。なので雨天走行をする場合のほうが、パーツの摩耗が早くなります。また、アルミリムを削ることで、ブレーキシューの方に削りかすが埋もれてしまい、そのままの状態で走ってしまうとブレーキをかけたときに何かが削れるような異音がする可能性もあります。ブレーキシューの汚れをふき取り、砂や金属カスなど取り除けるものは取り除きましょう。
ブレーキの掃除
ブレーキシューに入り込んだ異物
ホイールのリム部分も同じく拭き取ります。この部分は油分や砂、誇りなどが付着するとブレーキ時の制動力の低下や、シューの摩耗、音鳴りなどのトラブルを引き起こします。ハブ部分やスポークなども同様に吹きあげます。 水分が乾いてしまうと、砂や泥がフレームに付着した状態になります。そのまま強く拭くと砂が研磨剤のような働きをして塗装を傷めてしまう原因にもなります。一度水で砂汚れを流すか、柔らかい布やブラシでこびりついた汚れを落としてしまうのがよいでしょう。

雨ライド後のお手入れ&メンテナンス③

チェーンなど各部に注油をし直す

雨でも走るなら落ちにくいウェットルブがおすすめ チェーンに注油を行う雨の日も走るという方にオススメなのはウェットタイプのチェーンオイルです。写真で手に使用しているのがフィニッシュラインのウェットルブ。粘度がたかく雨などでも落ちにくいのが特徴です。チェーンのサビつき対策にはこまめな注油でチェーンオイルを切らさない状態で乗ることが最大のポイントともいえます。 ただしチェーンが濡れている状態で注油しようとすると、オイルがはじかれてしまって浸透しないので、パーツクリーナーを使って水分と汚れを落としてからがよいです。表面の水分はふき取れてもチェーンのリンク内部までは難しいです。そもそも雨の中を走れば、チェーンの油に汚れが付着したり、車体も汚れるので洗浄をおすすめします。 チェーン周りの掃除と注油の仕方についてはコチラのブログへ! 自転車のチェーン周りの掃除と注油の方法 バイクプラス各店にて講習会も開催しています。 ギア周りクリーニング講習会
お急ぎならば水置換タイプのオイル 水置換タイプのオイル 急ぎの場合やそれほど汚れがきつくない場合には、水置換タイプのチェーンオイルがおすすめ。金属と水との間に入り込む性質があるので安心です。汚れがひどくない場合は、水置換タイプを使うと時間短縮にもまります。
チェーンやギアの歯部分の錆びつきは、走行性能に大きく影響してきます。雨の日のあとはメンテナンスを行いましょう。

ロードバイクのフレーム内部の水抜き方法

ゲリラ豪雨など大雨に降られてしまった場合や、長時間雨の中を走ってしまった場合には、フレーム内部に水が入り込んでしまうことがあります。横置き状態で放置すると、車体のなかで一番地面に近いボトムブラケット部分に水が溜まり、フレーム内部に装着されているBBパーツが錆びてしまうこともあります。 シートポストを抜いてフレーム内部の水を出す 水を抜くときの方法はいくつかありますが、一つはシートポストを抜いて、車体を逆さに置いて水を出す方法。水が抜けたときのために下にマットやウエスを敷いてくださいね。シートポストを抜くときは、サドルの高さなどを予め測ってメモしておきましょう。もしくは抜く前にシートポストに印をつけておけば、サドルの高さが分からなくなって次に乗ったときに違和感が…というのを避けられます。 BB下のガイド部分のボルトを外す方法もあり シートポストを抜く際には工具が必要なのと、元に戻す際にもネジの締めすぎは禁物です。シートポストを抜くのは面倒くさいという場合はBB下をチェックしてみましょう。シフトワイヤーのガイドパーツが付いている場合は、このパーツを固定しているネジを抜けばその穴から水が流れ出ていきます。 もっとも、車種によってはBB下にワイヤーが出てくるための穴がしっかり開いていることもあるので、その場合は通常の横置きで自然と抜けていきます。 ホイールのリム部分に水が入っている場合、細かな水分に関しては自然と乾きます。食器を洗ったあとに水切りカゴに入れておけば次第に乾くように、車輪を回したりするうちに抜けていくためです。ただし、どしゃぶりの中走行するとホイールを振るとチャプチャプ音がすることがあります。走行すれば水は抜けていきますが、音がするほどの場合ならば一度タイヤ・チューブを外して水抜きをしたほうが早いです。

雨でもロードバイクに乗っている方は定期的に点検を

雨の日でも通勤通学したり、ブルベやロングライドで雨でも構わず乗っているという方は、1年に1回など定期的にパーツを外してのチェックをおすすめします。グリスがたっぷり塗られていて、水が入りにくくなっているベアリング部分も、雨天走行が多ければ多いほど、水でグリスが流されてしまうことも。気づかぬうちにBBやヘッド、ハブなど回転系のパーツの消耗を早めているかもしれません。 ハンドルをきったときにヘッドパーツがゴリゴリしていないか、ホイールの回転は渋くないか、ペダルを踏み込んだときに異音がしないか、異常がないか定期的な確認がおすすめです。 右が錆びて破損したベアリングパーツ フレームがカーボンでも、BBやヘッドパーツなどは金属なのでその部分がサビついてしまうこともあります。車種によっては、フォークエンド部分やリアエンド部分は金属であったりするので、その部分が錆びてしまうこともあります。 アルミのフレームは金属なので、錆びます。たとえばこちらの写真はボトムブラケット部分のフレームとパーツが錆びついてしまった状態です。
錆びたパーツ&フレーム
錆び錆びのBBパーツ
錆びが接着剤の役割をして外すことができなくなっていました。無理に外そうとするとフレームの方のネジ山を削ってしまい、修理不可能な状態になります。 雨の日の走行を頻繁にしている方、また屋根のない場所で雨ざらし保管している方は特に、サビが進行してパーツが分解してしまったり、外れなくなったりする前に外せるうちに交換をおすすめします。 バイクプラスでご購入いただいた自転車ならば点検は生涯無料で行っています。 定期的にぜひご利用ください。 →バイクプラスのクイック車検