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  • ONYXハブ|静かで高効率なハブの特徴と魅力

    2024年11月15日by 所沢バイクプラス

    高負荷に耐えられ即応性が求められるBMXモトクロスの駆動部品として、選手達が絶大な信頼を寄せるのがONYX Racing Productsのハブ。

    オリンピックやワールドカップ出場選手のほとんどが愛用しているのだとか。

    ロードMTBグラベルeMTBなど、様々なバイクに年々愛用者が増えています。私も数年前からトレイルバイクとeMTBで使っています。

    ONYXはスプラグクラッチと呼ばれる駆動力伝達構造を採用しており、フリー時にラチェット音がない静寂性が1番分かりやすい良さです。

    早朝にグラベルやトレイルをマイペースに走っていると鳥や虫の鳴き声や羽音、木の葉が風に揺れる音が聞こえて来るので、ラチェット音がジージーカチカチ聞こえてくるより、環境への没入感があり、気分よくライドを楽しむことができます。

    どれだけ無音か...まずは動画をご覧ください。

    無音に惹かれ使い始めた私ですが、実際に使いこんでいくと、静寂性はこのハブの良さのほんの一つに過ぎないことがよく分かりました。

    今回は、今大注目のONYXハブに採用されているスプラグクラッチ式と、一般的なハブに採用されているラチェット式の違い、スプラグ式のメリットデメリット、ONYXハブを選んだ方が良い理由などを分かりやすくご紹介します。

    私のイチオシのハブ、手組みホイールを検討中の方のハブ選びの参考になれば嬉しいです。

    駆動開始時遊びほぼゼロ、空転時無音で抵抗ほぼゼロのスプラグクラッチ採用ONYXハブ

    Onyxハブ スプラグクラッチの仕組みと特徴

    • 構造:

      繭型の部品「スプラグ」が駆動方向でロックし、ペダルを止めると解除する仕組み。

    • 特徴:

      駆動効率の高さ、瞬時の駆動伝達、静音性が魅力。

    • 動作:

      摩擦ではなく、スプラグの形状と圧力で駆動力を伝えるため、スムーズかつ正確。



      ラチェット式との違い

      1. 駆動伝達の遊びが皆無

        ラチェット式は空転角(遊び)があるが、スプラグクラッチはゼロ。例えば18ノッチのラチェットだとギア比1:1で20°もの伝達ロスが。もっと軽いギアの場合はペダルがスコッと抜けたような大幅な空転が発生。(ラチェットノッチ数の違いによるロスのお話はこちらのブログで
        スプラグクラッチならどのギア比でもロスは限りなくゼロ。スプラグクラッチは瞬時にトルクをホイールに伝達してくれる。踏み込み時の抜けがなくバイクコントロールのバランスも維持しやすい。

      2. 空転時の音

        ラチェット式は「カチカチ音」や「ジージー音」が発生する。ノッチ数が多い高価なハブほど、けたたましい音の傾向あり。好きな人は好きだが嫌な人は嫌。
        スプラグクラッチは無音で静か。静寂という表現がピッタリ。周囲の音に気づくことができるし、迷惑がられない。

      3. 摩擦

        ラチェット式は空転時にも微妙な摩擦が発生しておりホイールの回転の抵抗となっているが、スプラグクラッチは摩擦ほぼゼロ。したがって非常に長く回転する。スプラグクラッチは惰性で走行できる時間が長い
        狭山湖からのくだりでの自然加速が、それまで使用していたボントレガーの108ノッチのラピッドドライブラチェット式ハブとは全然違い正直とても驚いた。


      スプラグクラッチのメリット

      1. 完全無音のフリーホイール

        とにかく静か。ライド中に周囲の人たち(釣り人、野鳥観察の方、お散歩をしている人など)のジャマをせずに走れる。
        ライダー的にはタイヤが転がる音と環境音しか耳に入ってこないため、フィールドへの没入感やフィールドとの一体感が圧倒的に素晴らしい。

      2. 駆動伝達の即応性

        ペダリングと駆動のズレ(タイムラグ)がなく、特にテクニカルなトレイルやスプリントに最適。
        リアホイールの駆動タイムラグがゼロになることで、クランクチェーンリングもフリーホイール構造のBosch Performance Line CX ミッドドライブモーター式eMTBにありがちな、アシスト駆動のタイミングの遅れがなくなり、より自然なペダリングフィールに近づく。

      3. 高い耐久性

        わずか数個の爪に高負荷がかかりトルク伝達を行うラチェット式とは異なり、摩耗が少なく、長期間にわたり性能を維持できる。メンテナンス頻度まで考慮するとコスパに優れているとも言える。

      4. メンテナンス性

        ハブの中ではそこそこ構造がシンプルでメンテナンス性は悪くない。
        スターラチェットやポール式ラチェットなどのハブと比べると、奥まった位置にフリーホイール構造が存在しており密閉性が高い。メンテナンス頻度も少なくすむ。メンテナンスはぜひ販売店に。

      5. 高い信頼性

        自転車ハブにスプラグクラッチを採用したのはONYXが初ですが、ドラム式洗濯機、電動インパクトレンチ、釣りのリール、自動車のトランスミッション、ヘリコプターのローター、エスカレーターやエレベーター、ベルトコンベアなど、 身の回りの様々な分野や機器に使われている安定の技術。絶対に逆回転をしてはいけないような高トルクの動力系に採用されている。

      6. カスタマイズ性

        ONYXハブは色や仕様が選べるため、自転車を個性的に仕上げられる。
        基本的に受注生産に近く、注文から数ヶ月待つことも。好きなカラーでオーダーすると待っている期間もワクワク楽しめます。


      スプラグクラッチのデメリット

      1. 価格が高い

        高品質な素材と高精度な製造技術が必要になるため、ハブ全体の価格が高くなる傾向がある。
        ラチェット式には安価なハブも多数存在するが、高品質で高性能なハブはONYXハブのように価格が高くなる傾向あり。
        高品質パーツを選ぶなら、どちらを選んでもコスト面での差はあまりないかもしれない。

      2. 重量

        スプラグクラッチシステムはシンプル構造ながら部品点数が多く、耐久性を持たせるための強度も必要。したがって、一般的にラチェット式ハブよりも重くなる傾向あり。
        軽量化を重視するロードバイクやレース用途では、重さが気になる場合があるかもしれないが、回転パーツの中心軸部分の重量なので走行性能にあまり大きな影響はないとも言える。

      3. 保守性

        フリーホイール構造の違いに関係なく、一般ユーザーがフリーハブの内部メンテナンスを行うのは難しく、トラブル時には専門店が必要。

      4. 音の好み

        無音が魅力だが、ラチェット音が好きなライダーには物足りない場合も。

      5. 選択肢の制限

        スプラグクラッチを採用しているハブは限られたブランドのみで、他のハブと比較すると選択肢が少ない。
        部品交換が必要な場合、専用パーツが必要となり、対応できるショップが限られる可能性がある。購入は修理メンテナンスに強い販売店で。

      ONYXハブを選ぶ理由

      1. スクラブクラッチ構造部分の面積に加え、カートリッジベアリング数も多いため回転軸としての剛性と耐久性が非常に高い。

      2. 軽量アルミ製フリーボディに、ペダリングやアシストの強いトルクによるカセット噛み込み防止のための、細くて丈夫なステンレススチール製針金が仕込まれている。素晴らしい!(詳細は次の動画を)

      3. クランクとチェーンリングがフリーホイール構造になっていて、空転角(遊び)がフロント側にも存在してしまう電動アシストや、踏んだ時に駆動までの抜ける感覚(タイムラグ)を許容しにくいライダー、テクニカルなトレイルや機敏な加速反応を手に入れたい方に最適。

      4. 踏み込んだ瞬間に駆動力が伝わる即応性が、ライディングの快適性と安全性を向上。

      5. 無音設計による静寂性が、ロードやオフロード問わずさまざまなシチュエーションで魅力的。

      6. 高性能のハブを使いたい欲求はあるが、オラオラ系に聞こえかねないラチェット音がどうしても嫌で、ホイールのアップグレードを躊躇している方にピッタリ。



        結論

        スプラグクラッチ採用のONYXハブは、静音性や即応性を重視するライダーに最適です。

        特に、効率的なペダリングパワー伝達や、ホイールの回転を殺さない低ロス率、耐久性を考えると、投資価値が高いハブと言えます。

        重量増というデメリットもありますが、走りに悪影響が出にくい回転軸中心部の重量増なので、さほど神経質にならなくてもよく、非常に魅力的な選択肢です。

        手組みホイールを検討中の方に、ぜひ候補に入れてほしい一品です。

         


        この記事を書いた人

        BikePlusのスタッフ・専門家として、日頃の接客や実体験をもとに記事を執筆しています。

        西村 大助(Nishimura Daisuke)

        西村 大助(Nishimura Daisuke)

        バイクプラス共同創業者ショップ経験30年、MTB好き歴38年

        1980年代後半にMTBに熱中し、アルバイト時代に老舗アウトドアブランドの自転車売場を担当。この頃に自転車整備士資格を取得し、本格的に自転車業界でのキャリアを歩み始める。2000年には外資系アウトドア専門店で専任メカニックとして勤務。その後、国内大手アウトドアメーカーの直営店で自転車売場を担当し、自転車取り扱い店舗拡大のためのスタッフ育成や販売体制の基盤づくりに貢献。 2003年には米国バーネット・バイシクル・インスティチュートへ留学し、体系的な整備技術を修得。帰国後は専門誌での記事連載やメンテナンスDVD出演などを通じて情報発信にも携わる。2007年にバイクプラスを共同創業し、全7店舗の立ち上げに関わる。 現在はオンラインストア運営やブログを中心に活動し、「専門性は高く、でも初心者にとって敷居は低く」を信条に、自転車のあるライフスタイルを提案している。

        専門/得意分野

        • マウンテンバイク/ロードバイク/クロスバイク/eバイクの販売整備およびeMTBのカスタム
        • 米国メカニックスクールで学んだ体系的な整備技術
        • ショップ運営とスタッフ育成
        • サイクリング文化の普及活動
        • e-MTBでのトレイル/グラベルライド/キャンプ

        保有資格

        • 1997年 自転車組立整備士合格
        • 1997年 自転車安全整備士合格
        • 2003年 Barnett Bicycle Institute Master Mechanic 3.0 Certified

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