日本三大霊山の恐山ヒルクライム 極楽と地獄が背中合わせ
恐山という名前がおどろおどろしいですが、霊場らしい厳しさと極楽のような風景が隣合わせの風景が忘れられません! ということで下北半島ロングライドの寄り道編『恐山ヒルクライム』をご紹介します。
恐山ヒルクライムは煩悩との対話(笑
なまった体の三十路ライダーに、やすやすと恐山は近づく事を許さないのです。次々と現れる坂攻撃。うっ。。
登るにつれ薄らぐ意識の中過去の記憶が走馬灯みたく悶々と。
学生時代憧れたデュラやカンパをようやく手にした今、もはや全然昔みたく走れなくなってたり、激軽フレームを買ったら買ったで、それ以上に自分の体重が増えてたりして、自転車人生、常に矛盾の連続・・・。
嗚呼・・・合掌。
むつ市街より霊場へと続く恐山街道、その中腹に突然湧き出る『恐山冷水』。ヒバ林からこんこんと流れる清水は古くから参拝者の渇いた喉を潤す貴重な飲み水として大事にされてきたそう。
1杯飲めば10年若返り、2杯飲めば20年若返り、3杯飲めば死ぬまで若返ると称される冷水。たまらずごく、ごく、ごく。ごく!? ついでにボトルも満タン。で、今何歳だっけ?
湧き水で一気に若返ったところで気を取り直しヒルクライム再開。しばらく登ると現れる『結界門』。高野山、比叡山にならぶ日本三大霊山の一つ、862年に慈覚大師が開山したと言われています。
俗世と霊界の狭間の結界を越えればいよいよ恐山。
山道のピークを越え坂を下ると三途川が姿を現します。恐山の宇曽利湖から端を発する正津川にかかる小さな太鼓橋、でも橋のたもとからは硫黄の匂いが漂って只ならぬ感あります。
この橋、悪いことをした人の目には、橋に見えずまるで針の山のように映るのだとか。
・・・しまった、今日予備チューブ一本しか持ってないや(笑
針の山でパンクしても大丈夫!! チューブ交換交換講習会
三途の川の渡し賃などと言ったりしますが、亡くなった人はこの三途の川を舟で渡ります。その時に支払う駄賃が六文銭。ちなみにそれが無いと、隣の奪衣婆達に舟代の足しとして身ぐるみ剥がれることに。
絶対脱がせてやるぜ!というこの気合の入りよう。というか剥ぐ方がすでにはだけてるのがどうでも良いが凄く気になる。
・・・あっ、このジャージ買ったばっかなんで勘弁してください!
そんなこんなでたどり着いた恐山の菩提寺。元々は天台宗だったのがその後の再興の際曹洞宗のお寺となり現在に。開山料500円を支払っていよいよ中へ。朝早くやってので静かな雰囲気でしたが、7月末に開催される恐山大祭では全国からのたくさんの人でにぎわうそうです。
地蔵信仰の恐山。境内にある本尊安置地蔵堂には死者の魂が集まり、『人は亡くなればば恐山へいく』と呼ばれる所以でもあります。ちなみに恐山でよく見られる『風車』、小さくして亡くなった幼子の霊をなぐさめるために置いてあります。
菩提寺境内にはなんと温泉があります。今回は『薬師の湯』に入ることができました。霊場へ訪れた参拝者への『清めの湯』として用意されているそう。簡素な木造の湯小屋の中に入ると硫黄のにおいの漂う翡翠色の湯が!
敷地内にはその他『冷抜の湯』『古滝の湯』『花染の湯』の計4ヶ所の温泉が湧いています。硫黄臭とともにほんのりヒノキのさわやかな香りも漂ってなかなか気持ちが良いのです。
無間地獄、修羅王地獄、地の池地獄などたくさんの地獄が。中には硫黄ガスが噴き出て近づくとホントに危険な箇所もあったり。景色も硫黄の香りも死をイメージさせます。
ところどころ石が積み上げられています。亡くなった子供の魂が天国へ登るために石を少しずつ積み上げるのですが、目ざとく鬼がそれを見つけると壊してしまうのだとか。
これはひどい。。
浜へ降りていくと浄土の世界をイメージさせる光景が。がらっと印象が変わるのが不思議。
先ほどまでの世界が一変して穏やかな極楽浜周辺。時が止まったかのような不思議な世界が広がる。
硫黄臭たちこめる火山岩に覆われた『地獄』、端正な大尽山のふもとに広がる宇曽利湖『極楽浜』。出かけるまで怖いイメージがありました。1200年もの昔、一人の僧侶が夢で告げられた霊山を探し苦労してたどり着いた恐山。
あの世と俗世をつなぐみちのく最果ての地は、信心深くなくとも死後の世界ってこんな感じなのかもと妙に納得してしまうような、不思議な光景に触れることとなって非常に強く印象に残ったのです。
恐山ヒルクライムは関東からはやや遠いですが、ヒルクライムの達成感はひとしお。ぜひチャレンジしてみて下さい♪
下北半島ロングライド番外編『恐山ヒルクライム』
本州最北端、生と死の狭間の霊山

悶え、堪えしのぶ恐山街道ヒルクライム

お助けスポット『恐山冷水』

飲めば飲むほど若返る!

俗世と霊界を分け隔てる結界門

『三途川』にたどり着く

あの世へ続く太鼓橋

やる気みなぎる奪衣婆と懸衣翁

恐山菩提寺へ

お地蔵さんと風車

恐山の境内には『温泉』も


いざ!恐山『地獄巡り』へ
境内横に広がる荒涼とした火山岩がいわゆる恐山の『地獄』。その非日常の世界に足を踏み入れます。ちなみに足場が良くないのでロード用のビンディングだとつらいかと。歩き回ることが多い今回はツーリング用SPDタイプが大変重宝しました。地獄がいっぱい!

非日常な世界観

恐山は怖いだけじゃない!
荒々しい世界観の地獄ですが、宇曽利湖のほとりへと降りていくと違った表情を見せます。『恐山』はもともと宇曽利という言葉が時が経つにつれていつしかそう呼ばれるようになったとも。蝦夷にも近いことから湾や入り江を意味するアイヌ語が宇曽利の由来とされています。碧く色付く湖畔に立つと足元の白砂とのコントラストが日常を離れた世界を想起させますね。 『極楽浜』と名づけられたのもうなづける景色。湖畔に広がる浄土

美しい『極楽浜』

心やすらぐ恐山の『極楽』な風景


最後に
青森では下北半島ロングライドを始め、様々なサイクリングイベントが開催されています。よろしければこちらのサイトもご覧ください。 FUN TO RIDE 青森の風と共に
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