ダートを楽しむなら必須!

ダートを楽しみたいなら迷わずチューブレス化すべし!と思うチューブレス化のメリットと、必要なグッズをご紹介。また、ちょうどスタッフがチューブレス化するというので写真たっぷりめで手順も詳細にご紹介することにしました! ご自分で作業してみたい方はぜひじっくりとご覧ください。
Stan's No Tubesを見る
全て見るチューブレス化のメリット
すでにご存知の方も多いかとは思いますが、チューブレス化のメリットについて簡単にまとめてみます。
(1)車輪の軽量化
チューブを使用しないため車輪の軽量化が可能です。マウテンバイクなどの太いタイヤの場合はとくに効果的。
(2)耐パンク性能のアップ
小さな穴であればシーラントが素早く穴を塞いで空気の漏れを防いでくれます。チューブがない分リム打ちパンクがほぼ発生しないのでチューブを使用していた時よりもさらに低圧で使用できるようになります。
(3)タイヤ性能のアップ
チューブを使用しないためタイヤ変形時のエネルギーロスが軽減。チューブドタイヤと同じ空気圧で比較した場合は転がり抵抗が低い(路面抵抗が軽減)、そのおかげで乗り心地もグリップも向上。路面状況をダイレクトにキャッチできるから感覚もつかみやすく操作性に優れます。走る場所やライダーの体格に合わせて圧を低くすれば、地面に吸い付くような、それでいてしなやかな感じが味わえます。
チューブレス化に必要な物
今回のチューブレス化で使用したアイテム一覧を紹介します。

①チューブレスレディタイヤ
Bontrager XR2 Team Issue TLR MTB TIRE 29 x 3.00を使用。
②チューブレス用バルブ
Stan's No TubesのバルブとKCNCのバルブナットを使用。カラーバリエーションもあるパーツなので、カスタムを楽しめます。
③チューブレスレディ用リムテープ
Stan's No Tubes の幅27mmのリムテープを使用。ホイールによってリム幅はまちまちですし、Bontragerのロード用ホイールなどはチューブレス専用のリムストラップがあったりするので、ご自身のホイールに合わせて用意します。
④チューブレスレディ対応リム
Stan's No Tubes HUGO RIM 52 29erを使用。
⑤バルブコアツール
今回はParktoolを使用。
⑥チューブレスレディ用シーラント液
Bontragerのモノを使用。
⑦アイウェア(目の保護)
万が一シーラント剤が飛び散っても目に入らないように!シーラントはラテックス配合、穴をふさぐ微細な粒子が入っています。目に入ったり吸い込んだりしたら危険。
⑧メカニックグローブ(手の保護)
Muc-offのモノを使用。

チューブレスレディと言えば
Stan's NO TUBES(スタンズノーチューブ)
チューブレスレディの元祖といえばStan's No Tubes!! ということでもちろんタイヤ以外は基本Stan'sを使用。一見シングルウォールに見えて心配になるくらいのロープロファイル設計がただ好きなだけなんですが、実はこのリムがなかなか凄いんです。
BST(ビードソケットテクノロジー)という技術により、リムフランジ高をあまり必要としない造りになっており、リムがとても軽量に仕上がっています。元々使っているリムSun RingleのDUROC 50が1153g、それに対しこのHUGO 52は780gとでも軽量なので、なんと前後で746gも軽量!! 一般的なリムであるフックドエッジタイプに比べるとビード部分の気密性も高いのだとか。
また、ビードが引っかかるように内側にエッジが付いているリムフランジハイトが一般的な高さのリム(フックドエッジ)と比較するとこのリムはエッジがなく、タイヤがビード部分からすぐに丸く膨らむため、同じタイヤを使用して同じ空気圧にするとエアボリュームが少し多くなるイメージです。また、タイヤのサイドウォールをリムフランジやフック部分が内側に押し込むように作用することがなく、乗り心地が向上するような気がして好印象です(実際体感できるモノなのかは分かりませんが)。
ちなみに、太いタイヤほどチューブレス化すると軽量化効果が大きくなります。Sun RingleのDUROC 50を使ったホイールはチューブレス化しないまま使っていたこともあり、リムの軽量化とチューブレス化で軽量化効果もマックスです!! 太いチューブはとにかく重いので、ホイールトータルで優に1kgは軽くなっているのではないかと。あ、タイヤはBontrager Chupacabra 29x3.0からの変更なので重量は全く変わっていません。
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全て見るチューブレスレディタイヤの取り付けとチューブレス化の流れ
さていよいよ、チューブレス化の手順を紹介。ざっくりした流れは次の通りです。
1.リムを掃除する、
2.チューブレス専用リムテープを貼る、
3.チューブレス用バルブをリムのバルブホールに取り付ける、
4.チューブレスレディタイヤをリムに取り付ける、
5.空気を多めに入れて両サイドのビードラインをしっかりと出す、
6.専用工具を使ってバルブからバルブコアを取り外す、
7.シーラント液を必要量注入する、
8.バルブコアをバルブに取り付ける、
9.適正空気圧まで空気を入れる、
10.シーラント液を車輪全体に馴染ませる、
11.念のため一晩は寝かしてエア漏れが起きていないか様子をみる
順に説明していきます。

チューブレス化の手順
1. リムを綺麗に掃除する
リムテープを貼り付ける場所とタイヤビードが装着される場所をアルコールで脱脂&汚れを取り除きます。グローブが必要と書いておきながらグローブをし忘れていますが(笑

チューブレス化の手順
2.チューブレスレディ専用リムテープを貼る
スポーク穴を塞ぐように幅のあったリムテープを貼ります。ロードバイクの場合は空気圧が高いのでリムテープは二重(場合によっては三重)に。シワにならないよう、隙間ができないよう注意をしながら1周しっかりと貼り付けます。
バルブ穴前後は二重に重ね、貼り終えた後でリムテープにバルブ用の穴を開けます。その際外周面から車輪中心に向かって開けるのがよいでしょう。親指でバルブホール強く押せば穴の輪郭が見えてきます。尖った物を刺すのでもよし、ハンダゴテがあれば熱して溶かすように開けるでもよし。
外周面からバルブ穴位置がわからない場合は内側から先にさしてその後外周部から広げればOKです。

バルブ穴を開ける
今回は千枚通しの先端をライターで熱し、突き刺す + 溶かす という両方の作用を狙ってやってみましたが、チューブレスバルブ根本のゴム部分より大きく裂けてしまったり、盛り上がったりしなければ特に問題はないと感じます。とにかく空気が漏れやすい原因となりそうな場所ができなければそれで構いません。できるだけ密閉!

チューブレス化の手順
3.チューブレス用バルブを取り付ける
先ほど開けたバルブホールにチューブレスバルブを差し込み、バルブに付属しているバルブナットで固定します。バルブ根本側に付いているゴムを密着させることで気密性を高めているためペンチなどの工具を使ってきつく締め込む必要はありません。指の力で閉められる範囲で十分です。

今回はクリスキングのグリーンのハブにあわせて、付属品ではなくKCNCのカラーバルブナットを使用しています。こんなスモールパーツを出しているなんてさすがKCNC!

4.チューブレスレディタイヤをホイールに装着する
ほとんどのタイヤで回転方向が指定されているので、このような表記の通りにタイヤの向きをセットします。ここ間違えて、最初からやり直しはかなりツライので要注意です。

ローテーション方向を確認したら、タイヤのロゴマークの中心にバルブが位置するようにセットします。見た目は大事。

このセミファットタイヤ用のリムの場合は、片側からタイヤをリムに嵌め込んでいく(一般的なタイヤの取り付け方法)のではなく、タイヤの中に車輪をセットし、それぞれのサイドからビードを嵌めるのが楽でした。

両方のビードがハマったらOK。もしハマりにくい場合はビード部分にフィッティングローションや石鹸水を塗布したりするとハマりやすいです。ゴムの摩擦が減るだけで随分と楽に嵌められますので、石鹸水は最初からつけておくのが正直もっとも適切な手順です(笑
最後の方はかなり力が必要。チューブレス用のタイヤレバーもあるので、はまらない場合は道具に頼りましょう。

5.空気を入れてビードラインを両サイドしっかり出す
今回は空気を入れてもビードラインがしっかりと出ない部分があったため、一度空気を抜いてマックオフのシリコンシャインを指に吹き付けて、リムフランジ内側とビードをさらっと指でなぞってみました。
シリコンシャインは本来は洗車後にフレームなどに塗布して光沢を出したり、サスペンションに潤滑目的で塗布したりする用途で使用する物ですが、ゴムやプラスチック製品を傷めないため代用できます。
もっとも、最初から石鹸水をビードとリムに塗っておけばビードが嵌まりにくいこともないと思いますが(笑
次からいよいよシーラントの注入です。

6.バルブからバルブコアを外す
バルブコアツールを使用してバルブコアを取り外します。

左がパークツールのバルブコアツール、右が外したバルブコアです。
バルブコアを外す道具ですが、チューブレスバルブ単体で販売されているものの多くに樹脂製の小さなバルブコアツールが付属されていたり、スタンズダートツールのボディについていたりします。

シーラント液をしっかりシェイク
内容物が沈殿しやすいので、必要量をシリンジ(シーラント注入用の注射)に移す直前にしっかりとシェイクします。カクテルつくるときみたいな手つきで、がっつりとシェイク!
タイヤの径と太さによってシーラント液の量は異なるので、ご自身のタイヤに合わせて確認が必要です。
シーラント液は今回はスタンズ製品ではなくボントレガー製品を使用しています。

7.シーラント液を注入する
今回はタイヤが十分太いこともあり車輪を作業台に寝かした状態で注入。ロードバイクなどの細めのタイヤの場合は、シリンジを取り外す際の逆流を防ぐために、寝かして入れるのではなく、バルブが4時か8時あたりの角度になるように車輪をどこかに立て掛けて注入するとよいでしょう。
取り外す際にブシュっと飛び散らないように、さらに用心深く作業する場合は、4時か8時の角度で注入した後、バルブ軸部分に残っているシーラントがタイヤ内に流れた頃を見計ってバルブが12時の位置になるように車輪を動かし、シリンジを外すのもオススメ。
シーラント液の小型容器はそのままバルブに注入できるようになっていますので、このような注射器はとくに必要ありません。

誤ってこぼす前にバルブコアを取り付ける
いずれにしても、注入が完了したらシリンジを速やかに外しすぐにバルブコアを取り付けましょう。

9.適正空気圧になるまで再度空気を入れる
タイヤのビードはリムのビードシートにしっかりとはまった状態だと思いますので、普通に空気は入ります。

10.空気を入れたらシーラント液がタイヤ全体に馴染むように車輪を回転させる
シーラント液が、ビードとリムの境界、バルブとリムの境界などのエア漏れが発生しやすい場所並びにタイヤ全体に行き渡るように、角度を変えながら車輪を回転させます。ハブ軸を両手で持ちながらスポークを親指で押して車輪を回転させれば、角度を変えるのも簡単です。
このような大きいホイールの場合は手で持ってやるのも重たくて大変なので、数百メートル乗って馴染ませるのもありです。
耳をタイヤに近づけ、エア漏れが起きていないか確認します。プスプスと音がしていたり、シーラントが漏れ出てきているのが目視でも確認できる場合もあります。エア漏れが起きている場合はその箇所にシーラントが集中して溜まるように低くして少し様子をみるとよいです。
ちなみに、チューブレス化はしていないけれどすでにチューブレスタイヤを履いているという方がチューブレス化をする場合には、新品タイヤに交換がおすすめです。やや大きめの穴が空いている可能性やタイヤが劣化して全体からエア漏れする可能性も考えられるためです。パンクはしていなくても、ゴム部分は痛んでいくもの。大丈夫と思っても、シーラント剤を入れると結構傷ついていることが分かります。

11.念のため一晩は寝かしてエア漏れがきていないかチェックすること
エア漏れをしていないか、前日の空気圧と比較したり、耳にホイールを近づけたり、シーラントがプチプチと泡となって継続的に吹き出ている箇所がないか再度を確認し、漏れているような箇所が新たに見つからなければ、すぐにライドしても急激なエア漏れトラブルはまず起こりません。
でも、しっかりとシーラント液を全体に馴染ませたら、なるべくすぐにはライドに出かけずに、ゆーーーーーっくりとしたエア漏れが起きていないかどうか...も、念のため確認しておきたいです。だから一晩寝かして翌朝チェックするのがより安心。
長くなりましたが以上、チューブレスレディをシーラントでチューブレス化する方法でした!
おまけ

タイヤとリムの相性によっては...
私は、ボントレガーのアイオロスXXX2をチューブレス化しました。タイヤは同じくボントレガーのロード用軽量タイヤR3 TLR(700×32C)です。これが相性がいいのか、タイヤも太いからなのか、リムテープの凹形状がくっきりあるからなのかわかりませんが、クリンチャータイヤと同じ感覚でタイヤを嵌めることができました。チューブレスって嵌め合いがかたいものが多いという印象でしたが拍子抜けです。ラッキー。
なかなかキツくて嵌められない場合は無茶をせず石鹸水を塗ってくださいね。

ライド前日にチューブレス化するのは避けよう
ホイール購入と同時にリムテープ(専用のプラスチックのようなもの)とバルブが付属してきたのでそれをそのまま使用しました。一応用意したチューブレス用のレバーも出番はなし。
ただ、私はライド前日にチューブレス化して50PSIくらいでエア漏れが発生して、落ち着くまで時間がかかりました。一晩たって抜けてたらどうしようとヒヤヒヤもの。ホイールとタイヤの相性、リムテープの気密性などいろんな要素があるので、全然エア漏れしないものもあれば、一晩様子を見たほうがいい場合やシーラント剤を追加してみたりということもあります。ライドの前日に急ピッチで作業する、ではなく、数日前にゆとりをもって臨みましょう。いい教訓になりました。
チューブレス化もぜひバイクプラス各店で!
手順を見てもちょっとよくわかんないよ~という方はぜひ当店で(笑)また、とくにロード用はホイールとの相性もありますが、タイヤの嵌め合いがかたいものもあります。自分でははまらない~という方もぜひご相談ください!
チューブレスレディが発売されてから久しいので、すでに多くのお客様から作業をご依頼いただいています。チューブレスユーザーの生の声をお聞きになりたい方や、チューブレス化でお悩みの方は各店スタッフにお気軽にお声掛けください。
チューブレスバルブやバルブナット、バルブキャップはスタンズ以外にもスパカズやKCNCから様々なカラーのものが発売されています。クリスキングなどのカラーハブも含めて、真っ黒な車輪のカスタマイズにオススメです。
