Domane SL Gen4をグラベル仕様にカスタムする完全ガイド
こんにちは!バイクプラス多摩センターの森田です。今回は普段私の乗っているDomane SL Gen4をグラベル仕様にするとどうなるのか?という事が気になり実際にカスタイズして遊んできました!
ちなみにベース車体のドマーネSL6 eTAPのインプレ記事も以前書かせて頂いたので、ご興味ある方はぜひこちらもどうぞ!ドマーネSLがどんなロードバイクなのかキャラクターがより理解できると思います。
マドンやエモンダと比較すると、ドマーネの場合最大38Cまでのタイヤが装着可能なクリアランスを持つのが特徴のひとつとなっています。なのでタイヤ幅を変更すればその乗り味やスタイルを大きく変化させる事が可能なんですよ。
ロードバイクならではのスピード感、そしてISOSPEED採用をする事で圧倒的な乗り心地の良さを持つドマーネSLシリーズ、オンロードだけでなく最近注目度のあがってきているグラベルライドもこんな感じでドマーネでも楽しめるんです。
という事で今回カスタムしたグラベルスペックを早速ご紹介しましょう!
はじめに
Domane SL Gen4は快適なロングライドを楽しむロードバイクとして設計されています。
その優れた振動吸収性とジオメトリーを活かして今回はグラベル仕様へとカスタムを行ないました。
ロングライドを想定してデザインされたドマーネシリーズはハンドル位置がマドンよりも高く、長距離ライドで上半身に余裕のあるリラックスしたポジションが取りやすいエンデュランスジオメトリーを採用しています。
なので未舗装路をハンドルポジションに余裕を持たせて楽しみたいというグラベルカスタムとはすこぶる相性は良いのです。
ちなみにグラベルバイクとは、舗装路だけでなく、未舗装路や林道、砂利道をも走れるように設計されたバイクの事。オンロードを走るのとは一味違う、自由なライドスタイルや楽しさがあり人気上昇中。愛好者も増えてきていますね。
Domane SL Gen4をグラベル仕様にカスタムして、快適なロングライドにとどまらずアドベンチャーライドも楽しめるようにしよう!というのが改めてですが、今回のコンセプトです。
実際にタイヤサイズの変更やハンドル、ホイール、ドライブトレインなど手を加えたので参考になれば嬉しいです。
Domane SL Gen4の特徴
トレックのエンデュランスロードバイクシリーズの最新モデル、Domane SL Gen4はこんな特徴があります。
特徴 | 詳細 |
---|---|
振動吸収性 | ISOスピードテクノロジーにより、長時間のライドでも疲労を軽減。 |
タイヤクリアランス | 最大38Cのタイヤまで装着可能で、グラベルタイヤの装着も可能 |
ダウンチューブストレージ | フレーム内に収納スペースを備え、ツールや予備チューブの携帯が便利。内蔵することで雨や泥などにさらされる事が無いのもグラベルライドでのメリット |
ドマーネならでは特徴を生かしこれらのロードとしての快適に走破できる気持ちの良さを活かしつつカスタムしたいですね。
グラベル仕様へのカスタムポイント
Domane SL Gen4をグラベルスペックにするために重要なポイントとなるカスタマイズ。舗装路と未舗装路の両方を快適に走るために今回はコンポーネントやホイール、タイヤ、ハンドルなどをガラッと入れ替えてみました。
1. タイヤの選択
未舗装路を走るにあたって外せないのがタイヤ。凹凸のあるトレッドがある事はもちろん、低圧運用に利点のあるチューブレスシステム、ドマーネの場合はタイヤサイズの限界を(38CがMAX)考慮する必要がありますが純正のタイヤよりも幅広なものをチョイスしたいところ。
ちなみに完成車デフォルトサイズは32C、マドンやエモンダよりも太いんですが未舗装路をがっつり走るにはやや不安が残ります。
そこで今回は35Cのセミスリックのグラベル用タイヤをチョイス、雰囲気が変化したのがわかるのではないでしょうか?(ホイールも交換しております)
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よりワイドなタイヤ : 幅広となり、エアボリュームが増える事で乗り心地UP。またそれによって空気圧調整の幅が広がる事が大きなメリット。空気圧を下げる事でコーナーでしっかりグリップを確保し、登坂時にしっかりトラクションをかける事が可能に。
- チューブレス化: グラベルタイヤの性能を引き出すためにチューブレス化はぜひ行っておきたいところ。タイヤの部分でも触れましたが低圧運用とチューブレスはかなり相性が良いです。リム打ちなどのパンクに強くしなやかで快適な乗り心地が楽しめます。なおアグレッシブに攻めるライドスタンスならばリム破損などのトラブルを避けるためにタイヤインサートの装着をおすすめします。
- グラベル専用トレッド: 楽しむ場所が比較的フラットなのか、ガレているかでおすすめとなるトレッドパターンは異なりますが、ドマーネSLの場合はフレーム、フォークとタイヤとのクリアランスが本格的なグラベルバイク程は確保されていません。元々ロードバイクスペックですのであまり凸凹していないセミスリック程度のパターンが個人的にはおすすめです。
ちなみに今回試してみた結果把握したタイヤサイズの注意点もお伝えしておきましょう。38Cまで装着可能とメーカーではうたっていますが、グラベルタイヤに限っていえば35-36Cあたりが実際のタイヤクリアランスとの兼ね合いをみるとリミットとなりそうです。
ツルツルしたスリックタイヤであれば38Cまで装着することは物理的には可能なのでしょうが、タイヤに対してフレーム、フォークの隙間をある程度確保しておかないと泥や枝などの障害物が詰まってしまうリスクはありそうです。35Cが装着されたこちらの写真を見て頂くと、そのイメージが伝わるのではないでしょうか。
2. ハンドルバーの変更
グラベルを楽しむ上でハンドルバー形状をフレアタイプのものに変更するのも良いでしょう。オンロードで下ハンドルを使用すれば通常より幅広になる事で上半身をリラックスさせた前傾姿勢をとる事ができます。
そして未舗装路など荒れた路面は走る際には下ハンドルに荷重をかけやすくなります。そうすることで不用意にハンドルが取られづらくなり、バイクコントロールに余裕が生まれます。
3. ギアコンポーネントをフロントシングル化
今回のグラベルカスタムにあたって元々のフロントダブルの標準仕様からフロントシングルへコンポーネントをチェンジ。ベース車体がスラムライバルAXSなのでレバーやブレーキはそのまま生かしてカセット、クランク、チェーン、Rディレーラーを換装。配線のないワイヤレス仕様がこういうカスタマイズする時便利ですね。Fディレーラーは取っ払って軽量化に貢献してもらいましょう。
見た目だけでなく実際にグラベルを走る際、変速をよりシンプルに行う事ができるのがフロントシングル化のメリット。実際ガタガタした路面でFディレーラーの変速を行なうのは結構気を使いますし、結果としてチェーン脱落のリスクも軽減します。
細かいところでは、泥だらけになった時のギア周り掃除がしやすい。そして(好みの問題ですが)シンプルな見た目がカッコ良いかなと!
おすすめのパーツとアクセサリー
ということで今回はこんなパーツアクセサリーを使ってでDomane SL Gen4をグラベル仕様に変化させてみました
1. タイヤ
ドマーネならではオンロードの軽快さ、そしてグラベルもしっかり楽しめるバランス感でタイヤサイズは35Cをチョイス。
- MICHELIN(ミシュラン)POWER グラベル TLR 35C - タイヤ重量405gとこのカテゴリーの中では非常に軽い事がメリット。セミスリックのようなトレッドがありますがオンロードでも抵抗感が少なく、逆に未舗装路では滑ることなく安定したグリップを確保してくれるので個人的におすすめ。減りがやや早いのが悩ましいところ。(だいたい2000キロくらいでトレッドが減ってしまうので…)
2. ホイール
足回りは元々のアルミホイール、パラダイムコンプ25からボントレガーのグラベル用カーボンホイールにチェンジ!
- Bontrager Aeolus Pro 3V - エアロホイールにした事で平地の巡航性も向上、元々のパラダイムも内幅25Cという安定感が気に入っていたのですがこちらも同じく25C。空気圧を積極的に下げる事も容易なこと、またタイヤのトラクションを有効活用できるのも利点。内幅25Cとドマーネの相性はすこぶる良い感じがしますね。コチラはあいにく廃番となってしまってしまいましたが後継のOCLVNEXTカーボンを使用したAeolus Pro 37V TLRが登場。こちらもオススメしたいですね。
3. ハンドルバー
フレア形状のハンドルバーを選ぶことで、荒れた路面でも安定したコントロールが可能になります。
- Easton EC70 AX - 軽量で衝撃吸収性が高いカーボンハンドルバーを今回は使用。グラベルハンドルそのものが少なかったころからカーボンハンドルながらフレアタイプをラインナップしていたイーストン。極端なフレア形状でないので上ハンドル、下ハンドルをまんべんなく使用できるハンドルの握り心地がお気に入りです。
5. ペダル
未舗装路を走る事を考慮し、その際ビンディングシューズでも歩きやすい、いわゆるSPDタイプをチョイス。シマノが定番ですが、今回は私含め多摩店スタッフが愛用するクランクブラザーズを取付けました。
- Crankbrothers Candy 2 - ケージ部分がアルミ合金製なので安心感あるデザイン。クランクブラザース独自の4面キャッチで素早くビンディングの脱着ができるのがポイント。また泥詰まりにも強いのでアドベンチャーサイクリングにバッチリ!
6. バイクパッキングアクセサリー
ベース車体がロードバイクなのでオンロード6割、グラベル4割くらいを1日走り回るならといったイメージでバッグアクセサリーをまとめてみました。
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Bontrager Adventure Top Tube Bag - 補給食や携帯ツール、小さな鍵などを収納するのに便利なトップチューブバッグ。現行ドマーネシリーズなら付属のマジックテープではなくダイレクトにフレームにボルトオンできるので見た目もすっきり。写真のモデルは廃番となりましたが、装い新たにトレックアドベンチャートップチューブバッグとして再登場しています。
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Orucase Handlebar Bag -こちらも後継モデルが出て廃番となっていますがオルケースの2Lサイズのハンドルバーバッグ。トップチューブバッグよりもやや出し入れが手間となるので個人的にはサイクルベスト、輪行小物などを収める事が多いです。
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Ortlieb Saddlebag L -小雨降るこのような状況であれば完全防水の安オルトリーブは信頼感は絶大。最大4.1Lまで収納できるので、着替えなどを中心にパッキングする事が多いです。軽くてかさばるものをまとめるのがおすすめ。またサドルアタッチメントで装着するのでバッグが振動で揺れない、取り外しがスムースなのも良いですね。
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ASS SAVERS WIN WING 2 GRAVEL Special Edition -今回は小雨程度の天気だったため脱着のカンタンなアスセイバーのWin Wing 2 をセット。パーツもシンプルで輪行時もサクッと取り付けできるので気に入っています。
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Panaracer Tire Gaugeグラベルライド中のタイヤの空気圧の確認、調整もしっかり。パンクしていないかという基本的な部分はもちろん、オンロードよりもグラベルライドの方が空気圧を下げる必要もあるので低圧でのセッティングをしっかり行うと、車体コントロールも思いのほかしやすくなったり疲労の軽減にもつながります。目分量でも良いですが、こういったタイヤゲージがあると細かな調整がライド中行えるので持っておくと便利。
まとめ
という事で今回はDomane SL Gen4をグラベル仕様にカスタムしてみました。実際乗ってみると砂利道や林道のような一般的なロードバイクだと躊躇するような場面でも思い切りって走る事ができるのでワクワクしますね!
スピードに乗って快走したいというよりも、のんびり島旅、そして林道サイクリングなどオンロードから外れる雑食ライドを楽しむ私にとってはハマるカスタマイズでした。
未舗装路中心のロングライド、週末1泊2日程度のツーリング、後はタイヤ幅の余裕を活かした通勤や通学とも相性の良いカスタマイズだと思います。
日々のロードサイクリングがちょっとマンネリ化してきたドマーネユーザーの方にはぜひグラベルカスタマイズ試して頂きたいですね。ちょっと大げさですがタイヤの幅を広げると楽しみ方の幅も広がるんですよ!という事でぜひみなさんもチャレンジしてみてください!