Emonda SL6 Disc試乗インプレション|ただ軽いだけじゃない、エモンダ史上屈指の安定感で下りもへっちゃら♪
大手コンポーネントブランドから相次いでディスクブレーキが登場して注目集まるディスクロード、最近街中でも見かける事が多くなりました。
トレックからも続々対応モデルが登場していますが、車体の軽さ、そしてスイスイ登れる進みの良さが評判のEmonda(エモンダ)シリーズにおいてもディスク対応モデルがラインナップされています。
今回インプレッションを行うEmondaSLシリーズはOCLV500カーボンを使用し、登りでの圧倒的な「軽さ」や乗り心地に加えて走行中や下りでのブレーキキングにおいての安定感もプラスされた注目モデルとなっています。
実際に秩父山中を登ったり下ったりしながら注目モデルのエモンダSL6Discで試乗を行いました。
正丸峠や秩父グリーンラインでヒルクライムやダウンヒルを試走中♪
ディスクロードという事で気になる点としてはもちろんブレーキ制動力となるのですが、実はそれだけではありません。まず乗って踏み出すとリムブレーキモデルと明らかに車体の進みが違う事に気づかされます。
ディスクブレーキ化された事で車軸は12mmスルーアクスルを前後採用する。
発進直後の進みが車体が軽いのでスイっと出るのですが、従来のクイックリリースレバー軸モデルと比較すると力強く踏み込んだ分のトルクがしっかり変換されていく感覚です。
軽快さも感じつつグイっ、グイっと加速していくのがとても新鮮です。
車軸部分が太くなった事で動力伝達性や剛性が向上
ちなみに登りでは踏み込んでぐいぐい進む乗り方でも良いのですが、ややケイデンスを軽めのギアをクルクル回しながらシフトアップするとよりスムースにスピードアップしていきますね。
同じエモンダSLシリーズであってもリムブレーキモデルとディスクブレーキモデルでフレーム設計が変化するせいかペダルを踏み込んだ時の進み方にもずいぶん違いがあるのが奥が深いところです。
タイヤは28C幅がアッセンブルされている。
タイヤサイズはリムブレーキの25Cに対して、ディスクブレーキ化されタイヤクリアランスに余裕あるからかエモンダSL6ディスクでは28Cタイヤが装着されています。
ダウンヒルでのコーナリングやブレーキングは一貫して安定している。
また、一旦坂を下り始めるとハンドル周りの安定感がリムブレーキモデルと明らかに異なることにもビックリさせられました。理由としては前述のスルーアクスル化が大きいのですが、28Cタイヤならではのグリップ力とブレーキをかけた時の制動感は秩父のワインディングが連続する下り坂で非常に頼もしく感じられます。
ブラケット部分も手が小さくても持ちやすい形状となっている。
余裕がないと止まる事に必死になってしまい、周囲の状況の把握が遅れしまう事でさらにブレーキやハンドル操作に余裕がなくなるという事もあったりします。
そして握り続ける事で腕がパンパンになってしまって握力がキープできないという事もありえますが、油圧の場合は慣れた人でも初めての方であっても確実に思ったタイミングで制動がかけられるのは大きな利点だと思います。
特に下りに苦手意識のある方には非常に安心して走る事ができますね。
通常のリムブレーキSTIと変わらないような形状
油圧ディスクのブレーキ・シフトレバー(STI)も数年前のモデルに比べてブラケット形状がより進化して手の小さい方でも持ちやすくなった事も大きなポイントです。私自身もグローブサイズはほぼSと手が大きな方ではありませんが、リムブレーキタイプのモデルとの差を大きく感じない程小型化されていることに驚かされました。
ブレーキレバー内側のシフトレバーも大型化されているので上ハンドル、下ハンドルどちらを握ってもミスシフトしずらい印象です。
登りも下りのこなすオールラウンダーです♪
光の当たり方へ変化する色合いに注目♪
トレックといえばトレック・セガフレードといったはっきりした赤というイメージがありますが、このレイジレッドは例えるならマツダの「ソウルレッド」のような深いメタリックがスポーティーさと高級感を醸し出していて、ちょっとオトナなトレック!?感が出ているように感じるのは自分だけでしょうか?
艶っぽいメタリックレッドで仕上げられた塗装
カーボンホイールなどリムブレーキと異なり下りでの加熱による問題が解消した事で今までよりもカスタマイズの選択肢として取り入れたいアイテムです。
正丸峠にて。エモンダだからこそ登りもスイスイ走れました!
今回試乗して改めて思ったのは同じグレードであってもブレーキそのものだけでなくフレームやホイールなどアッセンブルが変わる事でこんなに力強くグイグイ走るキャラクターに変貌するんだなとびっくりしました。登りだけでなく下りやコーナリング性能もより強化されたエモンダSL6ディスク、イベントレースやロングライドでも大活躍すること間違いなしです。

フルカーボンならではの軽さと乗り心地が魅力のエモンダSL♪
2021年モデル フルモデルチェンジを果たしてさらにカッコよくなったエモンダSL/エモンダSLRの特集
2021年モデル TREK Emonda SL6 DISC
2020年モデル TREK Emonda SL(トレック エモンダSL)特集
と、その前にやはり気になるのは車体重量。ということで試乗前に実際に量ってみました。ちなみに今回試乗したサイズ52のペダルレス重量が8.21kg。
ホイール等をカスタマイズすればカンタンに7キロ台前半のライトウェイトモデルへと仕上げることも可能です。
なおエモンダSL6ディスクの車体の詳細は下記でもご案内していますので合わせてご確認ください。
スルーアクスル化され安定感と動力伝達性がプラス
ディスクブレーキ化された事でブレーキそのものだけでなく、車輪規格やそれに合わせたフレーム設計など変更点が多岐にわたります。ホイール周りの変化としてはハブ軸部分がスルーアクスルを採用した事で太くなりました。

タイヤサイズは28Cを標準採用

エモンダ随一!下りのコーナリングの安定感

アルテグラDiscブレーキの操作感も良し
そして下りでの安定感に寄与するディスクブレーキの存在はやはり非常に大きいです。 カーブの連続する下り坂でのスピードコントロールは油圧という事もあり必死にレバーを握りこまなくても思い通りにバイクの速度をコントロールできるメリットは大きいです。

操作感が光るエモンダSLシリーズ、より安定感に振ったドマーネSLシリーズ
さて、エモンダシリーズの中でも安定感の高さを感じたエモンダSL6Discですが、そうなると同じくディスクブレーキモデルがラインナップされているドマーネシリーズとどっちにすれば良いのか迷ってしまいますよね。 個人的な感覚でもありますが、平地だけでなく登りや下りにおいての操作感はエモンダの方が機敏さを感じます。元々軽やかな運動性能が身上という事もあるのでバイクコントロールを積極的に楽しむならうってつけのモデルだと思います。 また、スピードが上がって来るにつれて段差などのゴツっとした衝撃をうまくいなしてくれるのはドマーネ。巧みな振動吸収性や低重心、かつアップライトポジションによる落ち着いた操舵感に関してはドマーネの利点と言えるでしょう。そしてエモンダSL6Discはこんな方にもおすすめ
また、エモンダSL6ディスクの場合、より大柄な方や体重のある方にもおすすめできそうです。 軽量フレームの場合フレームのたわみやしなりなど、体重がかかる事でやや走りが不安定になるモデルもありますが、スルーアクスル化された車軸の太さやフレームの安定感に長けたエモンダSL6Discなら軽量バイクならではの軽やかさと安定感のどちらもしっかりと堪能できると思います。
マツダレッドのような艶やかな赤がカッコいい!
エモンダSL6ディスクの展開色はこのレイジレッド/オニキスカーボンの1色展開なのですが、外で改めて見ると光の当たり方で変化ラメ具合はなかなかのもの。カタログだと控え目な印象にも見えるのですが実際はこのような感じできらびやかな色合いです。

より軽く、より快適にカスタマイズするのも良し
より走りをシャキッと軽く♪ホイールのアップグレード
今回試乗してみたのですが、もしいろいろカスタマイズするなら個人的にこんな事をしてみたいなというのも合わせて書いてみます。 ホイールに関しては元々装着されているボントレガー「パラダイム・ディスク」は堅実な設計ですがやや重量もあるので車体の軽さを活かすべくより軽量化されたホイールにアップグレードするとこのエモンダSL6ディスクは大化けしそうですね。より乗り心地良く快適に♪ハンドル周りを替えてみる
下りの安定感と引き換えに少々振動が腕に残る印象もあったのでロングライドで使うならドマーネ向けに設計されたPro IsoCoreハンドルバーがなかなか相性良さそうな感じがします。 このハンドルバーしなりが少なく剛性感をキープしつつ積極的振動減衰を行ってくれるので、ダウンヒルライドもより楽しめそうです。 軽量化を徹底するならステムをカーボン化するのもありですね♪
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