ついにGRXもフルワイヤレス化!新型Di2「RD-RX827」と専用パーツを徹底解説
Shimanoのフルワイヤレスの波がGRXにも!!ひと足先に発表されたMTBコンポーネントのXTR、XT、DEOREに続き、グラベルコンポーネントのGRXもフルワイヤレスのDi2として登場しました!既存のレバー(ST-RX825)を使用するため、リアディレイラーのRD-RX827とシングル用ブレーキレバーのBL-RX825が新登場しています。
新型ディレイラーRD-RX827の能力

フルワイヤレス化したことでいくつか機能がアップデートしています。その一つが堅牢性の向上。走行中に岩場などにリアディレイラーがぶつかった場合に、後方にズレてまた元の位置に戻るというもの。特に電動の場合にはこうしたトラブルで壊れてしまうケースが多いものですが、ぶつかることを前提としたシステムは安心材料です。
またUDH含む一般的なハンガーに取り付け可能な設計なので多くの車体に対応しますが、ダイレクトマウントディレイラーハンガーには対応しません。
バッテリーに関してはフルワイヤレスなのでもちろんディレイラーに内蔵。取り外しのできるバッテリー(BT-DN320)をディレイラー内部に収納し、バッテリーホルダーでカバーされています。衝撃で外れてしまう心配もなく思いっきりサイクリングを楽しめます。走行条件によって異なりますが、気になる航続距離はシマノによると700km〜1000kmとなっています。
シンプルイズベストの左レバー BL-RX825-L

シフティング機能を持つST-RX825がすでにリリースされていますが、こちらはシンプルにブレーキレバーのみの機能。グラベル仕様のフロントシングルに特化した左レバーです。フロントシングルの場合、セミワイヤレスでは強制的にST-RX825を左右セットで手に入れる必要がありましたが、これがあればリーズナブルに解決!!
マイクロスプライン対応のワイドギアレンジCS-M8200

フロントシングルなだけあって、最もワイドなギアレンジのカセットスプロケットです。リアディレイラーが10-51Tのみの対応なため一択です。潔い!!
注意事項としてはホイールに取り付ける際のフリーボディがマイクロスプラインということ。すでに12速を使用していても、11-30Tや11-34Tなどトップ側が11T以上のカセットスプロケットを使っている場合には、ホイールもしくはフリーボディを交換する必要があります。
たとえばDT SWISSのハブではフリーボディのみの交換が可能です。現行(2025/7月時点)のボントレガーアイオロスRSL、PROホイールなどご利用の方は、別売のマイクロスプラインフリーボディ(¥17,160-~)に交換し対応させることが出来ます。
コンパクトなバッテリーBT-DN320と充電器EC-CN100
こちらは先に発表されたMTBコンポーネントと共通のモデルです。同じくそれぞれ専用のバッテリー(BT-DN320)と充電器(EC-DN100)がリリースされています。およそ2~3時間でフル充電となります。取り外しができることによって気軽に充電もできますし、予備バッテリーを用意すれば果てしなくサイクリングできます!
インストールするには??
気になるのはインストール方法。すでに12速のDi2を使用している方ならば、ワイヤレスのレバーに互換性があるため、フロントシングルにした上で実質リアディレイラーとカセットスプロケット(マイクロスプライン対応のホイール)、バッテリーに充電器を用意してしまえば完成です。
パーツ | モデル名 | 重量(平均) |
---|---|---|
右レバー | ST-RX825 | 208g |
左レバー | BL-RX825 | 180g |
クランク | FC-RX820-1 | 644g~ |
リアディレイラー | RD-RX827-SGS | 449g |
カセットスプロケット | CS-M8200(10-51T) | 463g |
チェーン | CN-M8100(138L) | 252g |
フロントブレーキ | BR-RX820-F | 146g |
リアブレーキ | BR-RX820-R | 136g |
ローター | RT-CL800(160mm) | 114g |
バッテリー | BT-DN320 | 26.5g |
充電器 | EC-CN100 | ---- |
全て交換する場合には上記のラインナップが必要で、およそ26.4万円ほど(工賃別)。繰り返しになりますが、リアホイール(ハブ)はマイクロスプライン対応であることが前提条件なのでご注意を!
互換性などについて
すでにリリースされているMTBコンポーネントのフルワイヤレスのリアディレイラーへは互換性があります。9-45Tのカセットスプロケットを使用したい場合にはRD-M9250-GSやRD-M8250-GSで対応できます。ちなみに取り付けの際の工具も専用になるため、店舗では早々に用意しました(笑)。
ブレーキキャリパーについては、使用されるオイルが異なるため互換性がありません。今回の新型GRXのレバーに新型のXTRやXTのブレーキキャリパーという組み合わせでは使えないということになります。
前途したフリーボディに関してはホイールによっては交換できますが、交換できない場合にはホイールそのものを新しく用意する必要があります。
まとめ
満を持して登場したフルワイヤレスはワクワクしますよね。当然のことながらハンドル周りはスッキリとし、配線に頭を悩ますことの無いシステムはメカニックフレンドリーでもあります。グラベル走行以外にも、ロードバイクのように速度域に幅のない使用用途であれば、トラブルの少ないフロントシングルはもってこいです。
ホイールに関してはこれを機会に新調するのもアリでしょう。機能やデザインにこだわるもよし、ハブやリムを選んで組み上げていくのもよしです。ホイール組みもお任せください!オンリーワンの愛車を作りましょう!!
組み合わせなど不明な点があればいつでもご相談ください!