「ネジが切れた・ネジを舐めた」の違いと「舐めたネジ」をなんとか外す方法
所沢店相田です。みなさんご存知ですか? 恋に夢中になっている様をからかって表現する「惚れた腫れた」になんとなく似ていたりもするアレ。そう、「切れた舐めた」と表現するネジ。「切れた」と「舐めた」の違いってご存知ですか?今回はそんな惚れた腫れたのお話と恋わずらいから立ち直る方法...じゃなかった、ネジが「切れた」とネジを「舐めた」の違いと、「舐めたネジの外し方」をご紹介します。
ネジが切れたとネジを舐めたの違い
ネジを舐めた
私たちが通常「舐めた」と表現するのは、ネジを締めたり緩めたりしている時に工具がズルッとスリップしてしまい、ネジの工具嵌め合い部分の形状が崩れ、工具がネジに引っ掛からなくなり回せなくなってしまった状態のことを言います。
ネジが切れた
対して「切れた」と表現するタイプは、工具はしっかりとネジに食い込んではいるもののネジ自体がスリップしてしまい緩みも締まりもしない、メスネジ側やオスネジ側のねじ山がズル剥けになってしまった状態や、オスネジ自体が破断してネジの一部がパーツ側に残ってしまっている状態のことを言います。今回はそんな「舐めた」バージョンのネジの外し方の1つをご紹介します。
舐めたネジを取り外す方法の1つ
ちなみになんですが、ネジとパーツが固く結ばれた二人のように錆などでがっちりと固着してしまっている場合は今回ご紹介する方法では非常に困難です。その場合はまた別の秘密兵器を使ったりもしますが、そういうのもおいおいご紹介できれば。しっかし、外せないネジをサクッと外せるとホント気持ちいいんですね。どんなに頑張っても外せない場合や破壊しないと外せない場合はものすごく悔しいんですが・・・?ではいきましょう!!
こんなズルズルに舐めたネジでも諦めるのはまだ早い!
いきなりアフターの外したネジからのご紹介になりますが、見てください左側のネジ、ほぼ丸です。持ち込まれた時も工具が全くかからない状態でした。舐めてしまう原因は、工具を真っ直ぐに奥まで差していないことや、工具の精度の悪さや工具の材質の柔らかさなどが原因だったりすることがほとんどです。
普通に外せないネジには秘密兵器が必要!!
ネジとパーツが固着しているととっても難易度が上がるので、何はともあれまずはワコーズさんのラスペネを浸透させて時間を置きます。
固着が酷そうな場合はこちらのフリーズリリースという瞬間冷却&潤滑スプレーもおすすめです。
マイナス43℃の瞬間冷却が固着を剥がす助けになる潤滑スプレーですが、かたーく結ばれた二人の間には冷たい視線も冷たい風もどこ吹く風。。。
しばらく放置した後に登場するのがこちらの秘密兵器!!
こちらANEXのネジとりインパクトという便利工具。
欲を言えば、六角ネジのM5を中心に何種類か先端形状の違うものがあったり、太さもM4、M6、M8くらいのサイズがあると自転車メカニックとしてはさらに使い勝手が良さそうなんですが。
この工具のクサビ状と表現するのが正しいか分かりませんが、鋭利な刃物のようになっている箇所が複数あるこちらの工具をハンマーで力一杯ネジの頭に打ち込みます。
カーン、カーン、カーンと力一杯叩いていくと刃形状の部分がネジの頭にめり込んでいきます。
しっかりとめり込んだのを確認したらインパクトドライバーにセットして、こちらもまた力一杯叩きます。
①潤滑する、②インパクトを加える、という工程は固着したネジを緩める作業の基本中の基本!
インパクトドライバーは、固着を剥がすために叩いて衝撃を加えるという作業に加え、叩いた瞬間に先端が回転するようにできているんです。要するに、衝撃を加えながら尚且つ回すことができる優れものなんです。
ANEXのネジとりインパクトは超〜便利!!
で、作業の方はというと...何度叩いても残念ながらネジは回りません。錆び付いている様子はないので簡単に外れるとは思ったんですが(笑
まだ外れない場合はさらなる秘密兵器を使用すべし!
電動ドライバ〜❗️
真面目な話、この時大事なのがネジに対して真っ直ぐ力一杯押し込むことと、クサビ(ビット)をもっともっとしっかりと打ち込んで置くこと。
で、冒頭にご紹介した写真の通り、工具がかかりもしなかったズルズルに舐めたネジも無事に取れるわけなんです。
今回はしっかりとグリスが塗布されており、ねじ山も錆びていなければ固着もしていなかったのでこの程度の作業で無事外せましたー!!
最後に
破損したネジを外す場合は、場所や難易度、実際にかかった時間によって工賃が大きく変わります。でも、なんとかしたいのであれば、ダメもとでご相談ください♪
ただ、あらゆる知恵と工具をもってしても、私たちもうまく外せないこともありますのでその場合はご容赦ください。
加えて、(養生をして注意して作業に当たりますが)作業中に自転車に傷が入ってしまう可能性もありますし、電動工具で誤って破損させてしまう可能性もあります。
仮にそのようなケースが発生してしまった場合には弁償などは承れませんので、そういうある種の一か八か?の作業であることをご理解いただいた上でご相談いただければと思います。
ただ、あらゆる知恵と工具をもってしても、私たちもうまく外せないこともありますのでその場合はご容赦ください。 加えて、(養生をして注意して作業に当たりますが)作業中に自転車に傷が入ってしまう可能性もありますし、電動工具で誤って破損させてしまう可能性もあります。 仮にそのようなケースが発生してしまった場合には弁償などは承れませんので、そういうある種の一か八か?の作業であることをご理解いただいた上でご相談いただければと思います。