TOPEAK E-BOOSTER DIGITALを徹底レビュー!使い方・実測データ・比較まとめ
こんにちは、バイクプラス所沢店の相田です!
所沢界隈は、多摩湖狭山湖や入間川エリアはもちろん、ちょっと足を伸ばして、飯能・秩父方面の本格ヒルクライムや、奥武蔵グリーンラインに出かける方が多いんですが、標高も距離もそこそこあるコースなので、パンクなどちょっとしたトラブルが起きたときの「対応力」が大事になってきます。
またマウンテンバイクで狭山湖周辺や、富士見パノラマ・フジテン・トレイルアドベンチャーなど、MTBフィールドでしっかりトレイルライドを楽しむ人も着実に増えていて、そんな方々からは「低圧での空気圧を細かくかつ正確に調整できたらいいなあ…」なんて声もチラホラ。
そんな「ロングライド派」や「グラベル・トレイル派」のニーズにがっちり応えてくれそうなのが、TOPEAKが2025年にリリースした新作携帯電動ポンプ「E-BOOSTER DIGITAL」。
「CO2ボンベを使うのはちょっと不安」「手動ポンプだと圧が足りない」「だけど荷物は増やしたくない」…そんな悩みに、ピタリとハマる一台だと感じたので、今回は実際に使用してみてのレビューをお届けします!
TOPEAK E-BOOSTER DIGITALとは?

TOPEAKが2025年にリリースしたE-BOOSTER DIGITALは、コンパクトでパワフル、そして正確な空気圧管理ができる電動式の携帯エアポンプです。ここ数年で携帯用の電動ポンプはさまざまなメーカーから出ていましたが、満を持してのトピークの参入。
やはり、長年フロアポンプや携帯ポンプで信頼を積み重ねてきたブランドだからこその安心感があります。±2psiという高精度なデジタル空気圧表示をきちんとスペックに明記してくるあたりが、さすが。電動ポンプって便利だけど“どこまで信用していいのか”ってところが気になるだけに、この精度の高さと明記は信頼できるポイントです。
基本仕様:
項目 | 内容 |
---|---|
サイズ | L59×W35×H86mm |
重量 | 約162g |
最大空気圧 | 120psi |
充填スピード | 80psiまで約50秒(700×25C) |
空気圧表示 | デジタル(±2psiの高精度) |
対応バルブ | 仏式・米式(スマートヘッド+延長ホース) |
バッテリー | USB-C充電(7.4V/600mA、約45分で満充電) |
付属品 | シリコンケース、収納バッグ、防水ジッパーバッグ |
空気入れの目安
タイヤサイズ | 空気圧 | 充填時間 | 充填可能回数 |
---|---|---|---|
ロードバイク・グラベルバイク・ツーリングバイク | |||
700 x 25C | 約100 PSI / 約6.9 BAR | 80 秒 | 3 回 |
700 x 25C | 約80 PSI / 約5.5 BAR | 50 秒 | 4 回 |
700 x 28C | 約80 PSI / 約5.5 BAR | 80 秒 | 3 回 |
700 x 40C | 約40 PSI / 約2.8 BAR | 50 秒 | 6 回 |
700 x 50C | 約30 PSI / 約2.1 BAR | 50 秒 | 6 回 |
MTB | |||
29 x 2.35 | 約30 PSI / 約2.1 BAR | 80 秒 | 4 回 |
29 x 2.40 | 約25 PSI / 約1.7 BAR | 80 秒 | 4 回 |
29 x 2.60 | 約20 PSI / 約1.4 BAR | 70 秒 | 4 回 |
※ 実際の充填時間は、バルブやタイヤの種類、その他の条件によって変動する場合があります。
おすすめの使用シーン
1. ライド前の空気圧チェックが爆速で完了
ライドの準備をしていると、意外と面倒なのが空気圧チェック。でもこのE-BOOSTER DIGITALがあれば、グローブをしたままでも簡単に操作できます。日頃の補充なら、空気の抜け具合にもよりますが~数十秒で完了。
空気圧の数値は大きなデジタル表示で読み取りやすく、操作もワンボタンで迷いません。
2. 細かな落石や枝が多い山間エリアでのパンク修理時に本領発揮
林道ライド中にサイドカット→チューブ交換。携帯ポンプだとかなりしんどいシーンです。ジャンケンで負けた人に空気を入れてもらいたいくらいです。
でも、E-BOOSTERならジャンケンの必要もありません!水分補給しながら少し会話しているうちに空気が入れられる。気圧もしっかり調整できているので復帰後の走行も問題なし。精神的にもかなりラクになります。
3. トレイルでは空気圧の調整が命!
ダートセクション前に空気圧を落とす、トレイルまでの長い登りではちょっと上げる、帰りは舗装路用に少し空気圧を上げる――そんな細かな調整も±2psiの精度があるデジタルゲージとオートストップ機能で安心。
バイクのグリップ感や振動吸収性を自分好みに調整できる快適さは、一度体験すると手放せなくなります。
使い方と基本操作
E-BOOSTER DIGITALの操作はとてもシンプル。初めてでも直感的に使えます。
基本操作
① 電源オン/オフ
電源ボタンを長押しで起動。数秒でデジタル表示が点滅し、現在の指定空気圧が表示されます。未使用時は約10秒で自動オフになる省エネ設計です。
② 空気圧の設定
表示単位は PSI/BAR/kg/cm² の3種類に対応しています。
- +ボタン長押しで単位切り替えモードに
- 希望の単位になるまで+を押す
- 3秒待って、表示が点滅から点灯に変わったら設定完了
空気圧の数値は+/-ボタンで設定。長押しで一気に変えられます。設定完了後、画面は自動的に「0」に戻りますが、次回電源オン時に設定空気圧が再表示されます。
設定した空気圧に達するとオートストップ機能が作動。入れすぎの心配もなく、特に細かい調整が求められるグラベルやMTBではとても便利です。
空気の入れ方
今回は仏式バルブのロードタイヤで空気補充してみました。バルブへの接続方法は2通りあります。
① 本体を直にバルブに接続
本体をバルブに直接押し当てる方法。仏式/米式の切り替えは、上部のレバーをスライドするだけで簡単です。
アダプターを付け替える必要がないのは、地味にありがたいポイント。
② ホースアダプターを使う方法
ホースを本体にねじ込んで接続します。米式バルブはそのまま、仏式バルブは先端にアダプターを追加装着します。ねじ込み式なので、装着時の安定感が高く、振動も少なめ。
直差しとホース、どちらが便利?
<直差しの特徴・注意点>
- ライド中の空気圧補充がスピーディー
- 仏式/米式の切り替えレバーでさまざまなバイクに即対応
- 空気を入れている間、バルブにしっかり押し当て続ける必要あり(親指で押さえやすいようくぼみ形状あり)
- ゼロから空気を入れる場合は時間がかかり、手への振動がかなり大きく感じる
<ホースの特徴・注意点>
- 固定力が高く、手を添えるだけでOK
- 振動が少なく、疲れにくい
- 収納時はホースの取り外しが必要
- バルブ先端が樹脂製のTPUチューブに使うなら熱対策でホースの使用がマスト
- チューブレスバルブの場合、バルブが回らないよう注意してねじ込む
結論:
ライド中の空気圧調整や日常の補充は直差しが便利!
パンク時やチューブ交換後などしっかり空気を入れたいときは、ホースを使ってラクに充填するのがおすすめ!
サイズ感・放熱性・音についての検証
📏 サイズ感

サイズはL59×W35×H86mmと、手のひらサイズでとてもコンパクト。重量も約162gと、携帯ポンプの中ではやや重めではあるものの、十分サドルバッグやトップチューブバッグに収まるサイズ感です。
携帯性の面でもストレスはありません。布製の袋に加えて、防水用のジッパーの袋がついてくるあたりがトピークさんらしいです。
🌡 放熱性
気になる放熱性ですが、付属のシリコンケースのおかげで、実際に700×25Cを2本ほど連続で空気を入れてみても、素手で持って温かい程度で、手で持てないほど熱くなることはありませんでした。(それでも、ポンプヘッドの接続部はそれなりに熱くなりますので注意が必要です)
Eブースターデジタルにはとくに連続使用時間に関する注意書きはありませんが、1回の使用ごとの冷却が安心な気がしました。とくに2~3分一気に使用した場合はけっこう熱くなりましたので、一度の使用は80秒くらいに抑えたほうがよさそう。シリコンケースから外して冷却するとよいです。
🔊 音について
電動ポンプなので、それなりの音が出ます。ただ、音は低めで電動ポンプのなかでは静かな印象を受けました。
電動ポンプって突然電源を入れられるとすごいビックリするものが多いんですけれど、スタッフからは「心地よい低重音」と好評です。
実測データまとめ(充填時間・電池持ちなど)
ここからは、E-BOOSTER DIGITALを実際に使ってみた際の、充填時間やバッテリーの持ちなどをまとめてご紹介します。
🔽 実際にかかった時間はこちら!
- ロードバイク(700x25c 仏式):0→80PSI まで約59秒
- ロードバイク(700×28C 仏式):0→80PSIまで約80秒
- クロスバイク(700x35c 米式):0→80PSIまで約172秒
- MTB(29×2.6 ):0→30PSIまで約140秒
すべてがフル充電からというではなく、何本か連続で入れての実測なのでご参考程度に。
メーカー公称値との比較
充填時間については、メーカーが公称している数値とほぼ同じ、もしくは少し長いかなという印象です。たとえば700×25C(80psi)ではスペック上「約50秒」とされていますが、実測では約59秒と少し長くかかっている反面、700×28C(80PSI)っでは約80秒とぴったり。大きくズレているわけではなく、使用環境によって左右される範囲内だと感じました。
また、今回は35Cの80PSI、29×2.6の30PSIなど公称目安にはない設定を試してみたのですが、高圧になるとやはり1PSI上がるのにかかる時間が長くなる傾向です。出先でのパンクであれば、節電を意識して、最大連続使用80秒を目安に乗りきるのがいいかもしれませんね。
充填可能回数もおおむねその通りかなという印象で、ロードタイヤなら3回が目安。こういった部分でしっかりスペックと実測が一致しているのは、製品の信頼性を裏付けるポイントです。
ただ、バッテリー残量の表示には注意が必要。バッテリーが少なくなると急激に減りが早くなり、5段階のうち3くらいになると一気に減る印象です。USB-Cでの充電で45分ほどで完了しますので、外出先でもモバイルバッテリーがあれば安心です。
E-BOOSTERとElxeed BL01を比較!
バイクプラスで以前レビューした日邦電機Elxeed BL01と、TOPEAK E-BOOSTER DIGITALを比較してみました!
項目 | TOPEAK E-BOOSTER DIGITAL | Elxeed-BL01 |
---|---|---|
ブランド信頼性 | ◎(有名ブランド) | ◯(国内マイクロモーターメーカー) |
最大空気圧 | 120psi | 120psi |
充填スピード | 約50秒(700×25C、80PSI) | 約60秒(700×25C、80PSI) |
ゲージ表示 | LEDスクリーンデジタルゲージ | デジタル液晶表示 |
表示単位 | psi、bar、kg/cm² | psi、bar |
バッテリー | 7.4V / 600mAh | リチウムポリマー充電池 500mAh×2(直列)7.4V/3.7Wh |
充電方法 | USB Type-C、充電時間:約45分 | USB Type-C、充電時間:約1時間 |
機能 | 空気圧プリセット、オートストップ機能、オートオン/オフ機能 | 空気圧プリセット、オートストップ機能、LEDライト搭載、冷却ファン内蔵 |
コンパクトさ | 〇(L59×W35×H86mm) | ◎(L93×W38×H47mm) |
重量 | 162g | 108g(本体のみ) |
音感 | 低めの音 | 高めの音 |
空気圧計 | デジタル(±2psi) | デジタル |
オートストップ | あり | あり |
本体側のバルブ対応 | 仏・米式(レバー切り替え方式) | 仏・米式(アダプターを付け替えて変換) |
充電端子 | USB-C | USB-C |
付属品 | 延長ホース、収納・防水バッグ | 延長ホース、収納ポーチ |
価格(税込) | ¥16,500 | ¥11,900 |
TOPEAKは1991年創業のグローバルブランドで、特にポンプ類では長年の実績と信頼感があります。一方のElxeedは、1972年創業の日本の精密モーターメーカー・日邦電機が手がける電動ポンプで、内部のモーター構造や放熱性など、ものづくりの丁寧さが感じられる製品です。
実際に両方使ってみた印象としては、「コンパクトさ・軽さ・価格」ならElxeed、「空気圧表示の見やすさ・精度の高さ」ならE-BOOSTERが優れていると感じました。
とくにE-BOOSTERは、デジタル表示の文字が大きく、数値が読み取りしやすいのが魅力。空気圧の精度も±2psiと明記されており、細かい調整をしたいグラベル・MTBユーザーには安心感があります。
作動音に関しては、Elxeedの方が高めでやや甲高く、人によっては少し気になるかもしれません。E-BOOSTERは低めの音で比較的おだやか。ただしどちらも電動ポンプなので、深夜の室内や人の多い場所では使用を控えた方がよさそうです。
どっちを選ぶ?用途別おすすめ
- Elxeed:とにかく軽くて小さい、コスパ重視。ツールボトル派に。
-
E-BOOSTER:空気圧の管理をしっかりしたい派に。グラベル・トレイル・ロングライド向け。
まとめ:全ジャンルのライダーにおすすめ
TOPEAK E-BOOSTER DIGITALは、空気圧管理における煩わしさを取り除き、より快適で安心なライドをサポートしてくれる新世代の携帯ポンプです。
飯能・秩父のヒルクライムや、狭山湖・富士見のオフロードライドまで、すべてのシーンで活躍してくれる一台。店頭でも展示中ですので、気になる方はぜひスタッフまでお気軽にご相談ください!