自転車で行くにはちょっと遠い観光地なども輪行で移動をすればあっという間。時間も有効に使えますし体力に合わせた旅の計画なども思いのままです!輪行袋の使い方をマスターして、自転車の愉しみ方の幅を広げましょう!!
車輪の外し方やフレームに傷を付けにくい収納方法など、ちょっとしたコツが存在します。バイクプラス各店で『輪行袋の使い方』『ホイールの外し方』などの講習会を開催していますので、ぜひそちらもご参加ください。
輪行に必要なアイテム
今回は輪行の定番「オーストリッチ」の輪行袋を使っていきます。前後輪を外して入れるコンパクトな縦型タイプです。リムブレーキの場合とディスクブレーキの場合で少しだけ揃えるアイテムが異なります。
リムブレーキの場合
・輪行袋
・エンド金具
・スプロケットカバー
・チェーンカバー
・フレームカバー
最低限で済ませたい場合は、輪行袋とエンド金具だけでも構いません。フレームカバー以外の小物類は、輪行袋といっしょに収納袋に収めておくのがおすすめです。
ほかにも、チェーンのたるみをとる「チェーンフッカー」やショルダーベルトにつける肩パッドなどもあると便利です。
ディスクブレーキの場合
・輪行袋
・エンド金具
・スプロケットカバー
・チェーンカバー
・フレームカバー
・パッドスペーサー
・ローターカバー
油圧ディスクの場合はパッドスペーサーが必須です。ローターカバーもあると安心。また、エンド金具は買うときに注意。油圧ディスク車といってもクイックレバー、スルーアクスル(スルーアクスルの場合シャフト径にも注意が必要)などホイールの固定方式が異なります。どれを買えばいいか迷ったらご相談ください。
輪行の手順
ロードバイクを使って輪行のやり方を順を追って紹介していきます。
ホイールを外す前に下準備
・ギアはフロント側をインナー『小ギア』に、リア側はトップ『小ギア』に入れておきます。
・リムブレーキの場合、車輪を外しやすいようブレーキも解放しておきます。
・ドリンクの入ったボトル、ハンドル周りのライトやサイクルコンピューターなども外しておきましょう。
ホイールを外す
・自転車を逆さにして立てます。
・ホイールの固定がクイックリリースレバー方式の場合はレバーを開いて車輪を外します。(作業上クイックリリースレバーはホイールから取り外す必要はありません。)
・ホイールの固定がスルーアクスル方式の場合、シャフトを緩めて(必要に応じて六角レンチを使用して)抜きます。
・ホイールは真上に引き上げるようにします。
・後輪が外れにくい場合は、変速機を手で後ろに引きながら車輪を持ち上げるようにしてください。
油圧ディスクブレーキの場合
ブレーキパッドスペーサーを付ける
油圧ディスクブレーキの場合、ホイールを外したら、ブレーキパッドの間にパッドスペーサーを差し込みましょう。
パッドスペーサーがない状態でブレーキレバーを握ってしまうとブレーキパッドが押し出されて自然には戻りません。作業中や輪行での運搬中のトラブルを防ぐためのひと手間です。
エンド金具を取り付ける
・右シフトレバーを操作して、リアディレーラーを一番内側(軽いギアの方)へ移動させる。移動を終えて再度組み立てるときは一番外側(重いギアの方)へ戻してからホイールの装着をしましょう。
・エンド金具を組み立てて、リアエンドに装着する。
・あらかじめエンド金具をチェーンの間を通して組み立てて、軸でチェーンを張りながら装着できるとフレームが汚れたり傷がつきにくくなります。
フレームと車輪を固定する
・エンド金具が下向きになり、サドルとエンド金具で自転車を支えるようにします。
・地面にエンド金具が接触するように角度を調整して、しっかりと固定してください。固定が弱いとエンド金具が動いてリアディレーラーにダメージを与えることがあります。
・クランクをチェーンステーと平行の向きに合わせます。車輪を固定する際にペダルが邪魔にならない位置取りです。
・各種カバー(フレーム、チェーン、スプロケット、ローター)をしかるべき場所に取り付けます。
・前後の車輪でフレームを挟むようにして、ダウンチューブ、シートステー、サドルの3点をベルトで固定します。
・そのうちダウンチューブ付近の固定がもっとも重要なので、ベルトをフレームに一周させてしっかりと固定してください。
・クイックリリースレバーはホイールに付けたままでも問題ありません。
・ハンドルに関しては決まりはないので任意の安定する向きに向けておきましょう。
輪行袋に入れる
・輪行袋の底に印刷されているマーク[サドル&エンド金具]の向きに併せて自転車を置きます。
・ショルダーベルトを輪行袋側面の穴から通して、チェーンステー部分に巻き付けます。
・ショルダーベルトの反対側はヘッドチューブに巻き付けます。ベルトの長さはフロントフォーク先端に届くくらいを目安にしてください。
・袋を引き上げてハンドルやフロントフォークなど含めて車体全体が収まったらドローコードを引っ張って口を閉めます。
輪行袋の担ぎ方
脇にかかえて運ぶ
人通りの多い平らな場所では、幅が狭く邪魔になりにくい、こちらの持ち方がおすすめ!ショルダーベルトを肩にかけて輪行袋を脇にかかえるようにします。
ベルトが長すぎると重たく感じますし、小柄な方の場合と地面ギリギリになって階段などでぶつけてしまうことも。膝上くらいで輪行袋が収まるように調整するのがおすすめです。
背中に背負って運ぶ
収納後に駅の改札やホームまでの移動距離が長く、人通りが少ない場所では背中に背負った方が重さの負担が少なくなります。
階段の上り下りの際も、高い位置で背負った方が袋の底が地面にぶつからず車体にダメージを与えにくいのでオススメです。意外と幅がありますので、幅の狭いところを通るにはご注意を。
クロスバイク、マウンテンバイクの輪行
作業の流れはロードバイクと同じです。ブレーキとハンドルの構造を理解して作業を行いましょう。
クロスバイクは、ハンドル幅の分だけロードバイクよりも収納サイズは大ぶりになり、重量も重くなります。タイヤがさらに太く、ハンドル幅も広いマウンテンバイクは輪行時のボリュームも大きく、重量も重たくなるため持ち運びに体力が必要になります。
ちょっと大きめの輪行袋を買うのもいいかも
クロスバイクやマウテンバイクはハンドル幅があるため場合によってはハンドルやフロントフォークの端がはみ出してしまうことも。また最近はタイヤのワイド化も進んでいるため、収まりが悪いケースもあります。
ロードバイクもエアロ化が進みハンドルが左右に大きく曲がらないモデルやタイヤの太いグラベルロードも増えてきました。それに合わせて、オーストリッチもエアロ&ワイドモデルの輪行袋を作っています。フラットバーの車体やサイズの大きなロードバイクなどに使用するには大きめの輪行袋を買うのがベターです。