乗り方に合わせたサドルの選び方|痛みを減らして快適ライド

2025年11月4日by 三郷バイクプラス

自転車に乗っていると「お尻が痛い」「長時間走るとしびれる」といった悩みを抱える方は多いものです。その原因の多くは、サドルが体や乗り方に合っていないことにあります。この記事では、三郷店の最上が、坐骨幅・ライド姿勢・用途・レール素材という観点から、快適に走るためのサドル選びを徹底解説します。

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サドル選びで大切なポイント

サドル選びの基本は大きく分けて3つあります。ここを押さえるだけでも、選び方の精度は格段に上がります。

1. 坐骨幅に合っているか

サドルサイザーで坐骨幅を測定する様子
バイクプラス全店で坐骨幅の測定が可能。根拠あるサドル選びの第一歩。

お尻の骨(坐骨)の幅に合わないサドルは、痛みやしびれの原因になります。幅が狭すぎると坐骨が支えられず、広すぎてもペダリングを妨げてしまいます。バイクプラス全店では坐骨幅の測定サービスを提供しており、根拠のあるサドル選びが可能です。

2. ライド姿勢に合わせる

ロードバイクのように深い前傾姿勢では、坐骨の接地面が狭くなります。一方、クロスバイクやシティバイクのようなアップライト姿勢では、接地面が広がります。この違いに応じて、サドルの幅や形状を選ぶ必要があります。

3. 用途に合わせる

サドルは「何に使うか」で選ぶのも重要です。

  • ロード:軽量・細身タイプ
  • クロスバイク・街乗り:幅広・クッション性重視
  • MTB:全長が短く引っかかりにくい形状

乗り方別サドルの選び方

ロードバイク(前傾姿勢)

ロードバイクの乗車姿勢とサドル選び
前傾が深いほど接地面は狭くなり、薄手・細身・ショート形状がマッチしやすい。

ロードはその姿勢から、ペダリングを妨げない形状の薄手かつ細身のサドルが主流です。ある程度硬めのサドルの方が沈み込みが少なく骨盤が安定しやすく快適に感じられます。近年は全長の短いショートサドルや3Dプリントサドルも人気。尿道や血管の圧迫を減らすため、中央に穴や溝があるモデルが選ばれています。

クロスバイク・アップライト姿勢

クロスバイクの乗車姿勢とサドル選び
上体が起きた姿勢では坐骨荷重が増えるため、幅広で適度なクッション性が鍵。

上体が起きた姿勢では体重が坐骨に集中します。幅広で適度なクッションを持つサドルが快適。ただし柔らかすぎると沈み込みで摩擦が増え、かえって痛みの原因になることも。通勤・通学ではゲル入りコンフォートサドルがよく選ばれます。

MTB(マウンテンバイク)

オフロードでは体を前後左右に動かすため、スリムで引っかかりにくい形状が適しています。ロード同様、ショートサドルが人気。泥汚れや転倒の可能性もあるため、耐久性のある素材選びもポイントです。

グラベルロード

車体はロードに近いものの、砂利道や緑道などMTB寄りのフィールドも走ります。
オンロード比重が高ければロード寄り、オフロード比重が高ければMTB寄りの選び方がベターです。

ライドスタイル おすすめサドルの特徴 選び方のポイント
ロードバイク 硬め・穴あき/溝あり・ショートも有力 沈み込み防止と骨盤の安定
クロスバイク 幅広・適度なクッション 坐骨の安定感と長距離の快適性
MTB スリム・引っかかりにくい形状・耐久性素材 バイク上での動きやすさと耐久性

座面・ベースの素材・重量

サドルの座面素材とベース素材の違い
座面素材(本革・合皮・3Dプリント)と、ベース素材(ナイロン複合・カーボン)の理解が選び分けの基本。

座面は本革、合皮(合成繊維)、3Dプリント(EPU: 弾性ポリウレタン)が主流。座面下のベースはナイロン等の合成素材やカーボンが用いられます。軽量化ならカーボンが有利です。

素材 重量傾向 メリット デメリット
本革 重い 使うほど馴染み、身体に合ってくる 手入れ・耐水性の配慮が必要
合皮 比較的軽量 手入れが楽・価格帯が広い 高機能モデル以外は通気/追従性で劣る場合も
3Dプリント 軽量 部位ごとに硬さを最適化しやすく、骨盤が安定 高額

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レールの素材・形状・重量

サドルレールとベース構造の例
レール素材はフィーリングと耐久性、重量に大きく関わる。互換性にも注意。

サドル選びでは座面だけでなく、レール(サドルを支える部分)の素材や形状、重量も重要です。

素材の違い

素材 特徴 メリット デメリット おすすめ用途
スチール 丈夫・安価 快適性と耐久性のバランス 重量が重い 街乗り・初心者
アルミ 軽量・硬め 剛性感が高い 振動吸収性は弱め フィットネス
チタン 軽量・しなやか 衝撃吸収性に優れる やや高価 ロングライド・耐久性重視
カーボン 超軽量 軽さと振動吸収性 高価・クランプ相性に注意 ロード・レース志向

形状の違い

  • 7mm丸レール:最も一般的。多くのシートポストに対応。
  • オーバルレール(7×9〜10mm):カーボンサドルに多く、専用クランプが必要な場合あり
  • 一体型・特殊形状:軽量・剛性重視。シートポストとの互換性確認が必須。

重量と快適性

サドル重量はおよそ100〜500gと幅があります。軽量=正義ではなく、快適性や耐久性とのバランスが大事。
例:ロード → 200〜250gのチタン/カーボンレールが人気。街乗りやMTB → 重めでも耐久性やコストを優先。


ありがちな失敗例

  • 価格やデザインだけで選んで痛くて使えなくなった
  • 柔らかければ快適だと思ったが長距離で逆に疲れた
  • プロ選手の真似で細いサドルにしたら自分には合わなかった

サドル選びの正しい流れ

サドルサイザーで坐骨幅を測定する様子
まずは計測。そこから用途と姿勢に合わせて候補を絞り、実走で確認。
  1. 坐骨幅を測定する(バイクプラス全店で可能)
  2. ライドスタイルを確認する(ロード、クロス、MTBなど)
  3. 候補サドルを絞る(幅・形状・クッション量)
  4. ポジションを確認する(フィッティング)

バイクプラスでできること

  • 坐骨幅の測定サービス(無料)
  • 豊富なサドルのラインナップ(一部テストサドルあり)
  • ロード・クロス・MTBなど用途別の専門的なアドバイス

サドル沼などと言われ「サドルは何個も買い直すしかない」と思われがちですが、ご相談をいただければ最初から精度高く選べます。


まとめ

サドル選びは「運」ではなく、坐骨幅・ライド姿勢・用途・レール素材などの理屈と、実際に試して得られる体感の組み合わせで決まります。もし「お尻が痛い」「合うサドルが分からない」と悩んでいるなら、ぜひバイクプラス各店でご相談ください。きっとあなたにぴったりのサドルが見つかります。

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FAQ

Q. 坐骨幅は一度測ればずっと同じですか?

A. 大きく変わることは稀ですが、体重変動やフォームの変化で感じ方は変わります。年に一度の見直しがおすすめ。

Q. 柔らかいサドルの方が痛くなりにくい?

A. 短時間は楽でも、長距離では沈み込みが摩擦や圧迫を増やす場合があります。用途に合う硬さを選びましょう。

Q. カーボンレールはどのシートポストにも付きますか?

A. 7×9〜10mmのオーバル形状が多く、専用クランプが必要な場合があります。互換性を事前に確認してください。

最上 拓也(Mogami Takuya)

最上 拓也(Mogami Takuya)

バイクプラス三郷店店長自転車ショップ勤務歴25年

ツール・ド・フランスのテレビ観戦をきっかけに、なぜか最初の1台にMTBを選び、ツーリングライフをスタート。大学卒業後は大手自転車ショップに勤務し、さらに都内での新店舗立ち上げや1店舗を一人で切り盛りするなど、販売から運営まで幅広い経験を積んできました。 競技面ではXCレースや海外を含むグランフォンドにも挑戦。現在はロードバイクでの輪行やロングライドを中心に、自転車の楽しみを追求しています。ハブダイナモの普及にも力を入れており、「旅や日常をもっと便利にする自転車活用」を提案しています。

専門/得意分野
  • ロードバイク/マウンテンバイク/クロスバイクの販売整備
  • 得意分野:バイクカスタム等
  • ライドスタイル:ツーリング/ロングライド/カフェライド
保有資格
  • 自転車組立整備士合格
  • 自転車安全整備士合格
  • Keeperコーティング技術バイシクルコース終了
  • TREK プレシジョンフィッター認定
  • TREK University 2025認定ガイド取得