チェーンが外れた!初心者でも落ち着いて対処できる完全ガイド
スポーツバイクに乗り始めたばかりの方にとって、「チェーン落ち」は変速操作に慣れないうちに起きやすいトラブルのひとつです。
「ペダルを漕いでいたら突然チェーンが外れた」「変速したらチェーンがフレームに絡まった」「停まる場所もなくてパニックになった」――こんな経験、ありませんか?
でも安心してください。チェーン落ちは、起きる場所やタイミングにパターンがあり、落ち着いて対処すれば初心者でもすぐに復旧できます!
この記事では、初心者にもわかりやすく、チェーン落ちの原因と直し方を状況別にまとめました。万が一のときにも慌てず、サイクリングを楽しめるように備えましょう🚴♀️
あわせて読みたい!
チェーン落ちには4つのパターンがある
チェーン落ちといっても、いくつかパターンがあります。
「どこで落ちたか?」によって原因や直し方が違うので、まずは場所をチェックしてみましょう!
場所 | 落ち方 | 代表的な状況例 |
---|---|---|
フロント | 内側 | インナー(小さいギア)に変速したときに内側に落ちる |
フロント | 外側 | アウター(大きいギア)に変速したときに外側に外れる |
リア | 内側 | リアロー側(大きいギア)でチェーンが脱落する |
リア | 外側 | リアトップ側(小さいギア)でチェーンが外側に外れる |
📢作業前に
チェーン落ちを直すとき、素手で作業をするとかなり汚れます。作業用手袋をするか、出先での対処に備えてウェットシートなど汚れを拭き取れるものを携帯しておくと便利です。
【1】フロントの内側にチェーンが落ちたとき

- 安全な場所に停車する(ペダルは無理に回さない)
- リアディレーラーのプーリーゲージ部分を手で押して、チェーンをたるませる。
- もう片方の手でフロントギアにチェーンをはめる。
- 後輪を浮かせて、クランクをゆっくり回しながらチェーンがチェーンリングにかかったのを確認する。
- クランクを回してチェーンの動きに異常がないか確認する。
🛠考えられる主な原因
- 強く踏み込んでいるときに変速するなどの、操作ミス
- フロントディレイラーの位置ズレ・高さズレ
- インナーギアとフレームの隙間が広すぎる
⚠️こんなときは注意!
フレームにチェーンが噛み込まないよう、チェーン落ちに気づいたらすぐにペダルを止めましょう。
◎噛みこんで外れない場合
万が一、フレームとチェーンリングの間にチェーンが嚙みこんでしまった場合、無理に戻そうとするとフレーム素材を傷つける場合があります。とくにカーボンロードバイクの場合、チェーンリングとフレームの隙間が少ないので無理しないで。お店まで持ち込みの上、クランクを外しての対処と点検をおすすめします。
◎チェーンキャッチャーがついているとき
チェーン落ち防止のためのパーツがついていてもなお、チェーンが落ちてしまう場合もなかにはあります。そんなときチェーンキャッチャーが邪魔をして、元に戻せないことも。チェーンキャッチャーを外して作業ができればいいのですが、手持ちの工具では難しい場合もあります。この場合も無理せずお店までお持ちください。
【2】フロントの外側にチェーンが落ちたとき

- 安全な場所に停車する(ペダルは無理に回さない)
- フロントの変速レバーを操作して、変速機をインナー位置(小さいギア側)に動かす。
- リアディレーラーのプーリーゲージ部分を手で押して、チェーンをたるませる。
- もう片方の手でフロントギアにチェーンをかける。
- 後輪を浮かせて、クランクをゆっくり回しながらチェーンがチェーンリングにかかったのを確認する。
- クランクを回してチェーンの動きに異常がないか確認する。
🛠考えられる主な原因
- フロントディレイラーのトップ側調整不足
- アウターギアの歯の摩耗
- 急激なアウター変速時のミス
⚠️こんなときは注意!
クランクやフレームを傷つけないよう、無理にペダルを回さず落ち着いて対処しましょう。
【3】リアの内側にチェーンが落ちたとき

- すぐにペダルを止めて停車しバイクを逆さにする。
- シフトレバーを操作して、リアディレイラーを1段トップ側へ動かす。
- リアディレーラーのプーリーゲージを進行方向に少し押しながら上に引き上げる。
- その状態を維持したまま、もう片方の手でクランクを進行方向に回す。
- ハンガーが曲がっていないか、スポークやチェーンにダメージがないか入念にチェックする。
このケースでは、ハンガーや変速機の調整が必要なことが多いため頻発する可能性があります。ロー側のギアをなるべく使わずに、早めにお店までお持ちください。
🛠考えられる主な原因
- ディレイラーハンガーの曲がり
- リアディレイラーのロー側ストッパー調整不足
- チェーンやスプロケットの摩耗
- スポークプロテクターの欠損
💡内側へのチェーン落ちを防ぐスポークプロテクターの話
内側へのチェーン落ちは、噛みこんでしまうとその場で解決できず走行不良になるケースも多く、またパーツの破損を併発しやすいトラブルです。購入時にはスポークプロテクターという透明な円盤状のプラスチック板が大きいギアとスポークの間に取り付けされています。見た目を優先して外してしまう人もいますが、じつは乗車中のトラブルを防ぐ大事なパーツです。
⚠️こんなときは注意!
同じ場所で繰り返し落ちる場合は、ディレイラーハンガーのズレや変速調整不良の可能性が高いので、早めにショップで点検しましょう。
内側に落ちた場合、ホイールのスポークに噛みこんで復旧が困難な場合があります。また、チェーンが落ちたことにより、スポークが破損する可能性もあるので、無理に作業せずお店までお持ち込みください。
▼転倒・落車後はハンガーのずれに特に注意!
転倒・落車時に真っ先に注意したい!ディレイラーハンガーのアラインメント
【4】リアの外側にチェーンが落ちたとき
- すぐにペダルを止めて停車する
- リアディレーラーのプーリーゲージを押してチェーンを弛ませる。
- もう片方の手で、チェーンをギアの歯にかける。
- 後輪を浮かせて、クランクをゆっくり回しながらチェーンが歯にかかったのを確認する。
- クランクを回してチェーンの動きに異常がないか確認する。
💡車輪の固定をゆるめるのも手
外側の歯とフレームの間にチェーンがっつり挟まって、手で救出できない場合は、一度後輪の固定をゆるめる(または外す)と、車輪とフレームの間に隙間ができるので作業がしやすくなります。
🛠考えられる主な原因
- リアディレイラーのトップ側ストッパー調整不足
- ディレイラーハンガーの曲がりやズレ
- リアトップギアの摩耗
⚠️こんなときは注意!
何度も外れる場合は、変速機周りの点検・調整が必要です。
応急対応したら、これだけチェック!
- ペダルを回してスムーズに動くか
- 前後の変速がきちんとできるか
- チェーンがねじれていないか、異音がないか
- ディレイラーやフレームに違和感がないか
うまくできないときはここもチェック!
リアディレーラーを手で押しても動かない①
MTBやクロスバイク、グラベルロードの場合、リアディレーラーにスタビライザーが付いているモデルもあります。荒れた路面でもチェーンの暴れを抑えてチェーンを落ちにくくするものです。スタビライザーがONになっていると、手で押しても動きませんので、OFFになっているのを確認してください。
リアディレーラーを手で押しても動かない②
リアが軽い方のギア(スプロケットの大きい方)に入っている場合、手で押しても弛みが少ない場合があります。そんなときは、トップ側(小さい歯側)に変速する方向に、シフトレバーを操作します。チェーンが弛んで作業しやすくなります。
チェーンがフロントギアにうまくかからない
フロントシングルの場合、フロントのチェーンリングがナローワイドと呼ばれる形状をしているものがあります。チェーンが外れないように、厚い歯と薄い歯が交互に並んでいます。チェーンをよく見ると、隙間が広いところと狭いところが交互に並んでいますので、歯の厚みに合わせて乗せてください。
安心してサイクリングを楽しむために
チェーン落ちは正しく対処すればすぐ復旧できますが、何度も続く場合はバイクに異常があるかもしれません。
ちょっとした違和感でも、遠慮せずにご相談ください。
バイクプラス各店では点検はいつでも無料で承っています!
- 戸田彩湖店 TEL 048-423-9301
- 多摩センター店 TEL 042-311-2818
- 横浜港北N.T.店 TEL 045-914-5906
- 三郷店 TEL 048-950-1820
- さいたま大宮店 TEL 048-658-0819
- 所沢店 TEL 04-2968-4141
まとめ:チェーン落ちも落ち着いて対応すれば大丈夫!
小さなトラブルも、少しずつ経験していけば必ず慣れていきます。
これからもサイクリングを思いきり楽しんでくださいね!
もし不安なことがあれば、いつでもお店にご相談ください。
スタッフ一同、サポートさせていただきます!