梅雨を乗り切れ!レインウェアのコーディネートをご紹介
毎年やってくる梅雨、鬱陶しいですね…
サイクリストにとってはあまりうれしくない時期ですが、自転車通勤をしている方や、自転車イベントに参加する方など、雨の日に自転車に乗る必要のある方もいるかと思います。
ということで、今回はレインウェアのコーディネートについて、雨の日も自転車通勤を続けること10年のベテランスタッフが、揃えておきたい雨対策グッズもろもろをご紹介させていただきます。
レインジャケットには透湿防水素材と目立たせる工夫を!
ジャケットの背中側裾分に付いた大きなリフレクターで視認性を高める工夫がされています。
最初に上半身を雨から防ぐレインジャケットから始めましょう。これには各メーカーからいろいろな素材を使ったモノが出ているので迷うところですが、まずは透湿防水性が備わっているのかを確認しましょう。
なぜ透湿防水性が大切なのかというと、自転車など体を動かしている最中は汗をかきますよね、ここで汗を逃がすことができないと、汗の水分がレインウェアの内側に溜まってビチョビチョになってしまうのですが、これは非常に不快ですし、またレインウェアの中に熱がこもると体力も奪われてしまうからです。
そこで登場するのが透湿防水素材で、内部から発生した湿気(汗)は外に逃がすも、外部から水分が侵入するのは防ぐ性質を持った素材のことで、有名なところではGORE-TEX(ゴアテックス)などがあります。
これも透湿防水素材のひとつで、少々高価ですが透湿性能が非常に優れています。登山や自転車など雨の中で長時間体を動かすような使い方との相性が抜群です。
その他メーカーによってさまざまな素材が出ていますが、ひとまずレインウェアを選ぶ際には『透湿防水素材』が使用されているかは確認してください。
さらに自転車専用品ではドロップテールと言って、背中側の裾が長めに作られているので、前傾姿勢でも背中が出ない工夫がされているのも見逃せないポイントです。
それからレインジャケットを目立たせるという視点も大切です。
雨が降るとそれだけで視界が悪くなり、相手に気づかれにくくなりますので、警戒色とも呼ばれる蛍光オレンジや蛍光イエローといった目立つ色のものは理想的ですし、反射素材などで視認性を高めることで安全性も高まります。
あとで紹介しますが、雨の日ライドは前後ライトも点灯して、とにかく自分の存在を相手(車)にアピールする努力が肝心です!
過去の経験になりますが、全身黒いレインウェアで雨の日の住宅街を走っていると、目の前の駐車場からクルマがすーっと出てきて、あわや衝突直前となり肝を冷やしたことがありました。
その場では怒り心頭でしたが、冷静になって考えてみると、これは自分の装いがあまりに目立たないせいで、相手に気付かれなかったせいだと気づき、それからはライト点灯と目立つ服装を心がけるようにしています。
Bontrager Velocis Stormshell Jacket【ボントレガー ヴェロシス ストームシェル ジャケット】廃番品
レインパンツは動きやすさと耐久性重視で
サドルと擦れるので、お尻部分に縫い目のないものを選びましょう!
下半身をカバーするレインパンツにもやはり透湿防水素材はかかせませんが、それに加えて装着時にペダリングの動きを妨げないよう、動きやすい立体裁断がされているものが使いやすいです。
またレインパンツに関しては乗車中は常時サドルと擦れてストレスがかかり、お尻部分に縫い目があると弱ってすぐに浸水してくるので、縫い目のない裁断がされているかも要チェックポイントになります。
その点自転車専用に作られているレインパンツは、お尻部分の補強がしっかりとされているので、耐久性もあって安心ですね。
細かいアイテムも揃えると雨の日ライドがもっとを快適に!
レインキャップで頭も防水仕様に
ふだんからヘルメットの下にキャップをかぶることが多いテツ店長ですが、雨の日にはレインキャップをかぶることで、アタマの防水にも抜かりはありません。
みての通り自転車用ヘルメットって通気用の穴がいっぱい開いているので、けっこう頭上から顔に雨の滴が流れ落ちてくるんですよね…、そんな不快な思いもレインキャップがあればおさらばです(笑)
こちらも安心の透湿防水素材を使用した完全防水仕様となっているので、レインウェアとセットで揃えておきたいアイテムですね!
あとキャップに付いたつばのおかげで、降り注ぐ雨粒が直接目に当たらないというのも、メガネ仕様のワタシにはうけっこうれしいポイントだったりします。
BBB レインキャップ ¥5,280
防水グローブで手許も快適に
防水手袋もあれば快適なアイテム
春~秋は薄手で操作性の良いものを
お次は手先の防水ということで防水グローブを紹介します。
こちらもやはり蒸れにくい透湿防水素材を使ったものが使用感も良くおすすめで、梅雨時期など比較的あたたかい時期は、薄手で操作感の良いものを選びましょう!
こちらは表と裏のニットに透湿防水メンブレン(シート)をラミネートした3層構造の生地を使用しており、非常にしなやかな着けごこちです。
なお、雨の日にグローブを装着する際は、ジャケットの袖口を上からかぶせるようにしてくださいね!
(グローブを袖口の上にかぶせると、グローブ内に水が浸入してきますので…)
画像はありませんが、冬場にはさきほども紹介したゴアテックスを使用した防寒グローブが登場します。
こちらは防水性、防風性、保温性にもすぐれているので、寒い時期は天候にかかわらずこの一枚を持っていれば安心!もしこれから冬用グローブを購入しようとする際には防水仕様の防寒グローブを選ぶとよいでしょう。
ShowersPass Crosspoint Waterproof Knit Gloves【シャワーズパス クロスポイント ウォータープルーフ ニット グローブ】 ¥6,050
足元びしょ濡れを防ぐシューズカバーは雨ライドの必需品!
ビンディングシューズとも組み合わせ可能
個人的にレインウェアの中で一番重要なパーツではないかと思っているのが、こちらのレインシューズカバー。
じっさい雨の日ライドで何が不快かといえば、やはり靴の中がびしょびしょになること以外にありません!
ついつい上体の濡ればかり気が向きがちですが、じつは足元というのはタイヤから巻きあげる水の攻撃にさらされて一番濡れる箇所なので、ここはしっかりと防水したいところ。
こちらは特に汗問題は生じないので、透湿性はそれほど要求されないのもあってか、様々な素材のものがリリースされています。
こちらで紹介するのは、ポリウレタン製のシューズカバーで、伸縮性にすぐれていのでシューズにぴったりと密着してくれます。また足の裏側は開放しているのでビンディングシューズを使っていても使用することができます。
その他、ロングツーリングに適した比較的丈夫な防水加工されたナイロン製のものや、レースなどで使用される耐久性には欠けるものの軽量で伸縮性に富んだシリコンゴム製など、様々な素材のものがありますので、用途に合わせて選んでください。
BBB アーバンシールド ¥6,380
絶対に濡らしたくない荷物は完全防水バックパックで
高品質なドイツ製ブランドORTLIEB
体の防水はしっかり対策しても、荷物が濡れてしまっては元も子もありませんよね。
そこで通勤用バッグも安心の完全防水仕様にしてみてはいかがでしょうか?
そんな防水仕様バッグの代名詞といえるのがドイツの『ORTLIEB(オルトリーブ)』社製バッグ。
縫い目を無くしてすべて溶着という方法で成形されているので、防水性は100%完璧です!
(おかげでバッグ内で水筒のお茶が溢れても外には一滴もこぼれなかったことも…)
荷物の出し入れは上部から行い、入口を丸めてベルトでロックするロールアップ式となっており、シンプルな構造は壊れる心配がなく、水の侵入も完全に防いでくれる完成度の高いものです。
もちろん普段使いのバッグとしての使い勝手にもまったく不足はないので、通勤も休みの日のお出かけも、ほぼこれひとつでこと足りてしまいます!
ちなみにワタクシあまりにも気に入っていて、同じバッグを2代続けて使っております(笑)
ORTLIEB【オルトリーブ】 コミューターデイパック アーバン 21L ¥29,700
自転車にも雨対策を施そう!
雨ライドはフェンダーなしには語れない
雨対策で最強の武器と呼べるのはやはり『フェンダー』泥除けだと断言してしまいましょう!
フェンダーの付いていない自転車で雨の中を走ると、後輪が地面から巻き上げた泥水で、背中に泥の筋が付いたといった経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
また前輪から跳ね上げた水で足もとは集中砲火を浴びるわ、タイヤ前方から顔に向かって水を跳ね上げることもあり、なかなかストレスフルなものであります。
そんなフェンダーには、タイヤの一部分だけを覆う簡易フェンダーと呼ばれるものと、タイヤの半分近くを覆うフルフェンダーの二種類がありますが、やはり泥除け性能ではフルフェンダーに軍配が上がります。
ということでベテラン雨通勤ライダー的にはやっぱりフルフェンダー一択になるのですが、テツ店長としては輪行の時にはフェンダーが外せないと困るので、バンド式で簡単に着脱できるこちらのフェンダーが大のお気に入りです!
詳細は下記の記事↓↓をご覧ください!
SKS SPEEDLOCKER(スピードロッカー) マッドガード ¥10,780
視認性を高めて雨の日も安全に乗りましょう
雨の日ライドの安全性を高める強い味方、それが前後ライトになります。
見てもらえば一目瞭然、ライトを点灯することで、相手方(特にクルマ)から認識されやすくなりますよね!
雨の日って思った以上に視界が悪くなっているので、こちらから積極的に気づいてもらうようにしないと、相手に悪気は無くても不意に飛び出してきたり、接近されたりすることがあるので、雨の日には必ず前後ライトを点灯するようにしましょう。
ライトのアピール度合はやはり光量に比例するものなので、ここは明るめのライトを使いたいところです。
また大光量ライトはバッテリー容量も大きいので、そこそこ光量を落としても十分な明るさを保ちつつ、照射時間が長いという実用的なメリットも見逃せません。
フロントライト BONTRAGER(ボントレガー) Ion Pro RT ¥18,900【1300Lumen】
リアライト BONTRAGER(ボントレガー) Flare RT ¥7,900【90Lumen】
雨でも確実な制動力を発揮するディスクブレーキ
最近の新しいバイクにはほとんど標準装備されている「ディスクブレーキ」、これは雨のライドで安全性を高める強力な武器になります。
以前のリムブレーキと呼ばれる、ブレーキシューでホイール外枠のリムを挟んで止める方式では、雨でリムが濡れると制動力が急降下して、急制動をかけても止まりたいところで止まらない!という怖い経験を何度もしてきました。
またリムブレーキは、雨で濡れた状況で使用するとブレーキシューが一気に摩耗して、しかも削れたシューのカスがリム表面にベッタリと張り付いて、あとで泣きながら汚れを落とすという作業を何年繰り返してきたことか…
そんな雨サイクリストにとってディスクブレーキの登場は、まことに福音と言っても良い進化でした(^_-)-☆
雨でも制動力が変わらず、ウェットな路面でもコントロールしやすく、汚れることもないという特性は、雨の日ライドを一気に快適なものしてくれました。
ということで、雨の日もガンガン自転車に乗るという方で、まだディスクブレーキを使っていないという方は、ぜひディスクブレーキ仕様のバイクへの乗り換えを検討してみてください!
おわりに
万全の装備で快適な雨ライドを!
万全の装備で快適な雨ライドを!
雨の中自転車に乗ることは、路面が滑りやすかったり、自動車に気付かれにくかったりといったリスクもあり、あまりおすすめはしませんが、それでも乗る必要のある方は、今回ご紹介したような装備一式を整えて雨ライドに臨むのが安心・安全でよろしいかと思います。
最後に、雨ライドの後はこまめに自転車のお手入れをしてあげてください。特にチェーンは一発でオイルが落ちてしまうので、次回乗る前には必ず注油を行ってくださいね!
※メーカー希望小売価格は2022年6月21日現在のものです。予告なく変更になる場合があります。あらかじめご承知おきください。